「本の解放区」:オルタナティブに本を売る
ひとりで版元をしております、三輪舎の中岡と申します。
前回この日誌で書いた記事「本屋にきびしい国で、本屋が増えるはずがない。」は思いもよらず、たくさんの方に読んでいただいた。出版業界の方と名刺交換すると「あの記事読みましたよ」と声をかけてくださることが頻繁にあった。なにぶん、この業界に入ってから3年と日が浅く、これといって業界ネタになるようなことを持ち合わせていない身にとって、何気なく書いた記事がきっかけで話に花が開くというのは心底助かった。そのようなチャンスをくださった版元ドットコムの皆様には大変感謝している。ありがとうございます。
今年は、年に一度の本の祭典「東京国際ブックフェア」が今年は開催されないという。
「ブックフェア開催見送り」(毎日新聞 2017.3.12)
やっぱりなぁと思った。昨年までに3回訪れたことがあるが、いつもがっかりしていた。トークイベントが楽しみで行くのだけれど、販売ブースについては本を安く購入できる以外のメリットはないと思うし、そのメリットでさえも個人的にはあまり感じたことはない。数万人の来場があるイベントである。売上=客数×客単価なので、客数を上げるには一定の効果はあるのかもしれないが、ブックフェアの会場から出ていく人たちの様子を見ていると、本を“爆買い”しているひとは多くない。平均的には2〜3冊ぐらいだろうか、客単価はあまり高くはないように見える。
記事によれば「(来年は)今までの延長線上にない新しいものにするため、しっかりと時間をとる」ということなので来年の東京国際ブックフェアには相当期待している。 (さらに…)
