「お金って一体何なのかマネー!?」
タイトルは、最近弊社が発刊した、子ども向けの図鑑につけたPOPのひと言です。
普段は金融機関向けの実務書・専門書を中心に制作している弊社ですが、
創業60周年記念出版として、子どもの図鑑を作ったのです。
図鑑のテーマはズバリ「お金」。
金融総合出版社だからこそ選んだテーマでしたが、企画段階からけっこう迷走しました。
子ども向けの本を制作するのがほとんど初めてだったことに加え、
いつも専門的な本ばかり作っているせいで、どうしても頭が固いのです。
上司と一緒に、最初の目次案をにらみながら
「なんかつまらなそう」「子どもがこんなの読むかな」…そんな会話をしました。
その後、子ども向けのマネー教材や図鑑なども読み漁り、
結局、私がたどり着いた結論は
「作っている自分が楽しくないものは、きっと子どもにとっても楽しくない!」
ということでした。
個人的な事情ですが、実は、育休明けからスタートしていたこの企画。
保育園は決まったものの、預けた当初は泣きまくり、少し慣れたと思ったら体調を崩しまくる0歳の息子を抱え、自分の仕事に対する思いが揺らいでいた時期でした。
そんな迷える時期に児童向けの図鑑の担当になったのも、いま思えば良いタイミングだったのかもしれません。
図鑑制作を得意とする編集プロダクションの協力も得て、完成した見本が納品されたのは11月上旬のことでした。
本のタイトルは『お金のヒミツ なぞとき図鑑』。
できあがったものを手にするときは、少なからず「じ~ん」とするものですが、この本は「じ~ん」度が通常の二割増しくらいだったような気がします。
以下は、実際の目次の一部です。
「お金は、だれがどこでつくってるの?」
「お札は、コピーすれば使えるの?」
「ゲームで使う『お金』ってどうなってるの?」
「お父さんやお母さんがもらう『給料』って何?」
「銀行はだれにでもお金を貸してくれるの?」
…この本の制作を通して、ずっと、お金について考えていました。
お金って一体何なのか、今でもよくわかりません。
ただ、「仕事をしているのはお金のためだけではない」ということは、ちょっぴり実感しました。
後日談。
息子の本棚にも1冊、この本を入れておきました。
新しいものを目ざとく見つけるので、すぐ取り出し、「アイ!(読んで!)」と持って来ます。なかなか感慨深い瞬間…!
しかし、開いて見せた途端にパタン! 「ナイナイ~(しまう)」と言って戻してしまいました。
まだ文字が多すぎたのね…。いつかちゃんと読んでくれる日を夢見ています。