新刊委託の指定を1冊ずついただくこと
2013年より版元ドットコムに参加させていただきました建築技術の高野と申します。
建築技術は建築総合誌『月刊建築技術』と、建築構造や省エネ住宅などの分野をメインとした建築専門書を出版しています。
そんな建築技術で法律関係の書籍を刊行することになりました。といっても読者は建築士さんなどがターゲットで、CコードもC3052を付与しています。タイトルは『耐震化の法律読本-法的リスクを回避するためのQ&A80-』(匠総合法律事務所 著)といい、2013年11月に施行された改正耐震改修促進法が広範囲の建物に適用されるようになったことと、耐震改修工事には、既存建物の瑕疵(「かし」きず、欠陥のこと)が「見えない」ことなどによる大きなリスクが潜んでいることなどから、既存建物の「瑕疵問題」にどのように向き合い、リスクを事前にあぶりだし、耐震改修工事に積極的に取り組む建物所有者、耐震診断・設計に関与する建築士、耐震改修工事を行う建設会社らが、想定されるリスクをいかに分担すべきか、という視点で編纂されたQ&Aスタイルの書籍です。
さて、このような本が刊行する前に書店さんにチラシをもって歩いた時のこと、口下手な私の営業トークでは書店員さんにすんなり呑み込んでもらうことができず「法律の棚がいいかしら」とか「読者対象と本の内容にマッチングが見えない」などの誤解やお叱りをうけ、なかなか部数が積みあがりませんでした。また、版元の皆さんが体感している、新刊委託配本部の数絞り込みが一段と増してきており、このままでは書店で露出してほしい見込み部数に全然届かないという事態に至っていました。社内で話し合いを持ち、全社員で分担して北から南から手元にある書店リストでとにかく電話営業をするという手法に変えて、電話してからファクシミリを入れてご返信をいただくことにしました。
結果は一応目標を達成することができましたが、分析すると、通常は建築専門書の配本されない書店さんに1部ずつ指定配本が回ることが、取次が勝手に書店の位置づけを決めつけて配本している状態から掘り起こしになり、配本の幅が広がったものと思っています。
その昔、版元同士の飲み会の席で、書店営業の大先輩に「大手書店は一辺倒なやり方でもらえる部数が多いからで楽かもしれない、小さい書店はとっつきにくいかもしれないけど、小さい書店からの1冊を大事にしなさい」と教えていただいたことがあります。まさにそれが数字に表れた電話営業でした。
【刊行記念講演会のお知らせ】
『耐震化の法律読本-法的リスクを回避するためのQ&A80-』(匠総合法律事務所 著)刊行記念講演会を八重洲ブックセンターにて行います
日時:平成26年4月17日(木)午後6時30分~
場所:八重洲ブックセンター本店 8階ギャラリー
講師:弁護士・一級建築士 菅谷 朋子
申込:申込書(PDF)
に必要事項をご記入の上、八重洲ブックセンター1階カウンターまでお持ちください。
また、お電話でのお申込みも承ります。(電話:03-3281-8201)
八重洲ブックセンターイベント詳細のページ:
『耐震化の法律読本』(建築技術)刊行記念講演会 | 八重洲ブックセンター