温かいね♪ 版元ドットコム
昨年8月に会員になりました八千代出版です。大学向けテキスト、人文科学・社会科学分野を中心とした専門書を主に発行しています。
当社では委託販売を行っておりません。テキスト採用品が売り上げのほとんどを占めていたこともあり、15年ほど前までは一般書店には基本的に本を置いていませんでした。
しかし、著者はもちろん、出版企画を立て編集していく自分たちも、当然多くの人に手にとってもらって読んでもらいたいという気持ちは強くもっています。そこでまずは取次に委託配本の交渉をしに行きましたが、これは交渉決裂。書店営業担当者をおいたり、外部営業を依頼したりしたこともありましたが、こちらはうまくシステムが回らず頓挫。結局は大型書店のFAX番号を調べ、かなり限定的になりますが、チラシを送信する営業スタイルになっています。
どこの版元さんも同様と存じますが、いかに魅力ある本をつくるか、そしてそれを多くの読者に届けるため、限られた資源のなかでどのように販売促進していくか――日々悩み悪戦苦闘しております。
そんななかで今回は版元ドットコムを知り入会させていただきました。今回は、初投稿になりますが、版元ドットコム会員になってよかったことを記したいと思います。
版元日誌にも複数の方が書かれていらっしゃいますが、新刊情報を一括して流せること。これまでは図書館流通センター、書籍協会、各取次、Amazon、ブックサービスなど、上梓時期を見計らいつつ日々の業務に埋もれないよう情報を作成し独自に流していましたが、どうしても後手にまわってしまい、繁忙期などは見本を流すだけで精いっぱいなどということも多々ありました。それが、版元ドットコムで情報を登録すれば上梓前に情報が流れ、しかも各社、協会等のサイトでも素早く対応してもらえます。営業力の弱い当社にとっては、近刊情報が複数サイトで迅速に流れるというのは非常にありがたい話です。
そして何より、版元ドットコムは温かい! 先日、4月の組合員会議に出席させていただきました。お試し会員の時に一度出席させていただきましたが、その後なかなか時間がとれなくて、本会員になってからは初めての出席でした。
当社はこれまでどこの団体にも属しておりませんので、他の版元さんとの交流も一切ありませんでした。ここに来ると、編集、営業、在庫管理のことなど、話の合間にいろいろとヒントをいただけます。当社でも導入しようとしているインデザインのこと、出版社として認知度を上げる販促、在庫管理と配送の問題など、出し惜しみせずに「わが社の工夫」を教えて下さいます。
このサイトの版元ドットコム紹介に「それぞれの版元がつくった本を、より多くの人に買ってもらおう」という目的で立ち上げられたことが記されています。「自社」だけでなく、まさに「それぞれの版元が」、なんですね。発行書籍数も規模もやり方も「それぞれの版元が」、この版元ドットコムで自社へのヒントをもらって多くの人に本を届ける一助にする。「そんなやり方もあったか!」と、前回も今回も非常に刺激を受けています。これからもっと版元ドットコムを活用させていただきたいと思っています。
八千代出版のTwitterアカウント @yachiyoshuppan