After3・11 わたしたちにできること
東日本大震災──。
早いもので、あの3・11から1年以上経ちました。
しかし、被災地の復興は思うように進まず、しかも福島第一原発事故の検証もそこそこに原発の再稼動が始まりました。
あの日以後、オフィスエムは出版社として何ができるか、何をすべきかを問い続けてきました。そして、そんな中から、やはり本で大切なことを伝えていかなければと、夢中になって一冊の本をつくりました。
それが『聞いてください 脱原発への道しるべ』です。
今から30年も前に、原発の危険性を調べそのことを少しでも多くの人に伝えようと、ガリ版刷りの新聞にして街頭で配り続けていた一人の母親の本です。
著者の坂田静子さんの言葉は、3・11と原発事故に立ちすくむだけだった私たちに、真実を知ることの意味と、知ろうとしなかったことのあやまちを問いかけてきました。坂田さんが街頭に立って手渡してきたように、本を人の手から手へと届けなければならないと……。
その後、原発を考えるフォーラムを一冊にまとめた『女たちの3・11』、福島県飯舘村の酪農家・長谷川健一さんの『証言◎奪われた故郷』を相継ぎ出版してきました。どの本も、できるだけ低価格にして、人から人へ、手から手へという方法で、今も届け続けています。
私たちは、いつ頃からか、この3・11以後に出版した3冊の本を「紙の礫(つぶて)」シリーズと呼ぶようになりました。
それは、出版人として、爆弾でも石でもない本という〝紙の礫〟を投げ続けていこう、との思いからです。
私たちはこれからも〝紙の礫〟を投げ続けてまいります。
それは東日本大震災を通じて問い続けなければいけないこれからの生き方。
たとえば、被災者に寄り添う心のケアや、放射能とどのように向き合うかなど、3・11以降を生きる私たちが考えなければいけないことをテーマに出版し続けていきます。
つきましては、この〝紙の礫シリーズ〟を私たちといっしょに出版し、ご協力いただけるサポーターを募集します。みなさんに協賛金という形で参加していただき、それを出版費用 に充てさせていただきたいと考えています。
ぜひ、オフィスエム〝紙の礫〟シリーズにお力添えください。
詳しくは⇒「紙の礫(つぶて)After3・11出版プロジェクト」