てらいんくの本
いつごろだったでしょうか。
もう、私が高校生か中学生?のころ、半世紀前?になりますが、私には大きなコンプレックスがありました。
今は、どのようなコンプレックスだったのかさえ思い出せませんが、そのコンプレックスのために、日々、何か不安を抱え下を向いた人生だったのです。
ところが、ある日、1冊の本を読み終えたとき、一瞬にして、そのコンプレックスが解消したのです。
その本はなんだったのか、ジャンルさえも全く思い出せませんが、心が軽くなった、その瞬間、自分の姿を、今でも、はっきりと覚えています。
文学少女でもない、また、十分に、本のある環境でもなかった私が、たまたま出会った1冊の本で人生が大きく変わったのです。
大げさですが、その瞬間から自分自身の何かが確実に変わったのです。
紙だろうが、電子だろうが本は本。本は、人の生き方、考え方に大きな影響を与え、または、目をひらかせると思っています。
てらいんくの本作りの根っこは、そこにあります。
てらいんくの本が、人の心にふれるその瞬間を思いながら日々、本作りに精を出しています。
本年度は、シリーズ子ども詩のポケットから4冊、あしたの風(藤井かなめ)ゆびのおへそ(池田もと子)、 少年よ森へ行こう(門倉さとし)、見えない空に(高崎乃理子)。現代詩集から1冊、時の声が聞こえてくる(高崎乃理子)が小学校教科書に採用されました。子どもたちが教室でてらいんく作品を声をだして読んでいることを思うととても嬉しいです。
また、子ども詩のポケットからは、眠れない夜は(たのみつこ)から「新聞」 が私立灘中学校、いちど消えたものは(李錦玉)から「映像―川をのぼる鮭」が神戸女学院中学部の平成21年度入試問題に採用され、まだ幼い秀才たちの頭を悩ましました。
てらいんくの本は、入試問題に多く採用されます。児童文学詩人選集成本和子詩集から、20年度の北海道の公立高校の入試問題に、少し古くは、海辺のモザイクが立命館中学の入試問題に採用されています。その他、多くが頻繁に進学塾のテキスト他に使用されています。それは、文章力、作品力にすぐれているからと自負しております。
少年詩のシリーズ「子ども 詩のポケット」は、10月現在既刊42冊とえくすとら2冊です。11月には、43冊目「台所詩集 ジャガイモの恋」(中村多津子)が準備中です。
現代児童文学詩人選集は、既刊6冊。
子どもにむけて書いてきた少年詩人の集大成。
「藤井則行詩集」「成本和子詩集」「下田喜久美詩集」「江口あけみ詩集」「楠木しげお詩集」「川崎洋子詩集」。
最新刊の川崎洋子詩集の戦争詩には衝撃をうけました。すさまじいです。また、60歳代で、あっさりと逝った詩人・中桐雅夫に思いをよせたエッセイで、長寿に祝い金があるのに、「せっせと積み立てた年金をろくにもらわずに60歳代で死んだ人には国から墓石でもプレゼントするといいんだわ」とある。もっともだと共鳴。
他に、少年詩シリーズ、「中学生から読む愛の詩集」。
教科書でおなじみベテラン詩人のろさかん「薔薇のかおりの夕ぐれ」、吉田定一「わたしの胸の夕ぞらに」に、村瀬泰子「窓をひらいて」、下田喜久美「あし草に光る雲の塔」、山本なおこ「二十四時間 恋人でいて」、須田信吾「ぼくのめがかげろうになるとき」の既刊6冊。少年の日の悶々とした日々を描く。
中学校からよくご注文いただきます。
当初、恋愛詩集として企画されましたが 広い愛をということで愛の詩集となりました。
詩集のほかにも、創作、絵本と心に響く本に力を入れています。
シリーズてらいんくの評論は、読書を深めるやさしい児童文学評論。
めからうろこの読書体験ができます。
アジア文芸シリーズは、まだ、日本では、稀なる中国、台湾、ベトナム、カンボジア、韓国、ミャンマー、バングラデッシュのアジア文芸の翻訳。
もっと平和になるようにメッセージ絵本。
異色、多言語絵本(同時、7ヶ国語付)ジョーモン・リーシリーズ。
友だち・家族の絆、愛の物語。
てらいんくの本は、人とともに生きています。
大変に地味で、小さな版元ですが、きっとてらいんくの本を待っている読者がいると信じています。
1人でも多くの読者のもとに、てらいんくの本を届けたい。
てらいんくの切なる願いです。
てらいんく の本一覧