はじめまして。
はじめまして。彩流社営業部の山中と申します。
昨年の2月からアルバイトとして彩流社で働いていましたが、本年度から正式に入社致しました。この100年に一度といわれる大不況の時代に彩流社に拾われた社会人1年目の新入社員です。出版社の少し特殊な環境に戸惑いながらも修行中です。
版元ドットコムの皆様とは、昨年6月の東京国際ブックフェアや高円寺フェスでご一緒させていただきました。その節は大変お世話になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。
さて、下っ端新入社員の私が何を書けるのか戸惑っている、というのが今の本音ですが、日々の業務で感じたことを少し書かせていただきます。
電話での注文を受けていると、一般読者の方々からの直接お問い合わせの電話をいただくことも少なくありません。ありがたいことに年齢・性別関係なく様々な方々から注文をいただきます。
その電話の際、なぜこの本が欲しいのか・どうやってこの本に辿り着いたのかをお話して下さる方がいらっしゃいます。
特に多く感じるのは、戦争や昭和史関係の本を注文されるご高齢の方の体験談です。実際に本に書かれている時代を生きた方が懐かしさや記憶の確認として購入を希望されることが多いようです。『満州分村移民の昭和史』や『慟哭のシベリア抑留』などの注文でよく聞かれます。
例えば『満州分村移民の昭和史』であれば、
「大鶴開拓団の本て買える?俺も満州から帰ってきたんだよ!!まさかこんなことが本になるなんてね。お嬢ちゃんは知らないだろうなあ…」
と、こんな調子でいきなり話し始めるのです。
この本に関しては九州の方からの問い合わせがほとんどで、方言の迫力だけで圧倒されてしまいます。恥ずかしながら「はい…」と言うしかありませんでした。どの方も勢いよく、この時を待っていたかのようにはなし続けます。
その他にも、『ひたすら歩いた沖縄みちばた紀行』で数年前に行った沖縄への愛着について語る方など、内容は様々です。
会ったこともない人が過去に体験したことがもとになり、時を越えてこの本を選び、
辿り着き、この電話に至るのだと考えると、「おお」という驚きと不思議な縁を感じずにはいられません。
事務的な問い合わせ電話ではありますが、そこに人と本のなんとも言えないつながりを垣間見た気がして少し嬉しく思います。
まだまだ未熟者のため失敗ばかりの私ですが、こんな風に少しでも人と本のつながる瞬間のお役に立てればという思いで頑張っていこうと思っております。