【北海道初! 電子書籍無料公開キャンペーン】のご報告
弊社では7月30日から9月30日まで2ヶ月間、弊社の書籍を10作品全文無料で公開する「電子書籍無料公開キャンペーン」を開催しました。
このキャンペーンの目的は、紙の書籍の販売促進にありました。全文を読めてしまえば、紙の本が売れなくなるのではという懸念もよく聞かれますが、ネット書店ではデジタルで試読できるページが増えれば増えるほど、紙の書籍の売上が上がっているというデータや、電子と紙で同時発売した書籍も、紙の書籍の売上が好調などの話があったため、思い切って全文無料公開してみようという企画を打ち出しました。やはり、インパクトが大切だと思い、ラインナップは10作品にしました。
iPadが注目されはじめていた時期だったため、マスコミ各社(計11社、うちテレビ2社)から取材を受けました。宣伝効果としては大成功でした。その他の宣伝方法としては、ツイッターを活用しました。ツイッターで地道につぶやいたり、リツイートキャンペーンを行なったりしました。本キャンペーンを通して、ツイッターでの宣伝ノウハウを多少は修得できたと思います。
お申込者数は当初の目標の倍、総計1000件を超えました。電子書籍でご覧になって、面白かったので紙の本を購入したという声も多数寄せられました。公開した書籍は、『太宰治選集』『太宰ノオト』『旭山動物園のつくり方』『アサヒヤマ―旭山動物園写真集』『ムツゴロウの東京物語』『らくらく風水トラベル 北海道編』『64の犬物語』『日本の品格』『ほっかいどうの宝物』『誰も独りでは生きられない』です。人気が高かったのは、『太宰治選集』と『旭山動物園のつくり方』です。『太宰治選集』と『太宰ノオト』はツイッターで意外と反応があり、太宰治は若い読者に読み継がれ、心を揺さぶり続けている作家なのだと改めて感じました。『旭山動物園のつくり方』は、2006年に出版した本ですが、まだまだ、読者のみなさまに興味を持って読んでいただけるんだなと実感しました。紙の書籍を売るために、紀伊國屋書店札幌本店に同時フェアを開催していただきました。
また、電子書籍に対する作家や書店の戸惑いも強く感じ、電子書籍との付き合い方の難しさを実感しました。期間は2ヶ月間にしましたが、後半の1ヶ月は反応が鈍り、期間は1ヶ月間あれば充分だなという感じがしました。今回のキャンペーンを通じて、さまざまな経験ができ、本当に勉強になりました。あまり、経験のない分野ではありましたが、思い切って行動に移してよかったと思っています。
本当は、このキャンペーンの当初の目的である紙の本が何冊売れたのか、というのが一番気になるところだとは思うのですが、あと数ヶ月経たないと実際のところはわかってきません。それに、本キャンペーンを紙の書籍の販売につなげるのは、これからの販促活動にかかっていると思っています。
今回のキャンペーンでは、「札幌電子書籍勉強会」を通じて知り合った方々に大変お世話になりました。本キャンペーンを支えてくださった皆様に心から感謝しています。