水という資源
資源の少ない日本だけど「水」は数少ない豊かな資源のひとつであり、地球温暖化が進むなかで、今後もっとも注目されることになる資源かもしれない。そして、「水」のなかでも近年注目を浴びているのが深海にから取水される「深層水」と呼ばれる水である。
先月弊社刊の『不思議な水の物語』(上)(下)まだ、まだ、未知の部分を秘めている海洋深層水の不思議を語った本。
深層水の不可思議さもあり、舞台は、近未来の沖縄という設定で物語は、すすんでいくが、その中で取りざたされるデータはすべて現実の実験結果に基づいたものなのだ。
深層水の研究は富山、静岡、高知など他の地域でもすすんでいるが、この本の舞台、沖縄の深層水は、もっとも深層(600Mと1400M)から取水されている。そして、その深層水には、思いもかけない力を秘めていたのだ。それは、環境問題や食糧問題解決への糸口となりうるものであり、物理分野の新たな研究課題になるものでもあった。
この物語は、環境問題や食糧問題などを含めた近未来のお話としても十分楽しめる。それだけではない。物理の難解な数式や複雑な理論も身近なものに置き換えて説明されるなかで、物理苦手な人にも、超弦理論、場の量子学、あるいはトンネルフォトンなどの最新の物理世界をのぞくきっかけをつくってくれはずです。