障がい児者関連の出版社として…
東京湾アクアラインの千葉県側にある木更津市の住宅街に、私どもの会社はあります。
創業は平成2年で、19年が経過しました。
会社創業当時は、障がい児を対象にした「はぐくみ塾(現在一部を除き休止中)」や主に病院や障がい児が就学する学校、福祉施設などの専門家向けに、障がいに関連する教材の開発・販売をしておりました。現在、出版物とそれ以外の製品が半々くらいになります。
弊社は障がい者を積極的に雇用し、正社員の半数以上は障がいを持った社員です。また、会社の1室をNPO法人が経営する知的障がい者の小規模作業所として使用しています。10名の知的障がい者が働いており、会社内駐車場の一部を畑にして作業所の人たちが野菜作りに毎日励んでいます。
このように弊社では障害を持った人も障がいのない人も、共に毎日元気に働いています。 昨年千葉県知事より、障がい者雇用に積極的な企業として「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」の認定を受けました。
最初の頃の出版物は言語障がいの検査や訓練に使用するマニュアル等が主でした。
最近では、いろいろな障がいに関する本を出版するようになりました。
マスコミなどで話題の重度自閉症である東田直樹君という高校2年生がいます。東田君は、弊社併設の「はぐくみ塾」に幼稚園の頃より通塾していました。彼が中学生の時に書いた「自閉症の僕が跳びはねる理由」は、テレビ・新聞などで注目を集めました。NHK教育テレビでは30分の特集番組が放映されました。放映後の反響は大変大きく、大型書店での売上(予約含)1位が数日続きました。この本は現在台湾でも翻訳出版され、韓国でも発行の話が進んでいます。
5月23日に東京大学において、アメリカの自閉症者2名と一緒に東田直樹君も登壇する国際的なシンポジウムが開催されました。彼は自閉症のため、対面しての会話はほとんど成り立ちませんが、パソコンのキーボードで表現ずる文章は素晴らしいものがあります。このシンポジウムでも、多くの参加者に感動を与えました。私は彼を知り、その文章を読んでから自閉症への見方が大きく変わりました。
この他の出版物では、ダウン症児の父親が書いた詩集や発達障がい児教育支援の為の「ソーシャルスキルトレーニング絵カードシリーズ」等、障がい児(特別支援)教育関連書籍等を発行しています。8月7日には「絵を使ったソーシャルスキルトレーニング」第2回講習会を開催します。
また失語症や認知症関連の本なども出しています。
出版社としては、まだまだ知らないことばかりですが、「障がい」や「認知症」等に関連のあるたくさんの本を出していきたいと思っています。
そして、障がいのあるご本人や家族が元気になれる本、その方々を支援をする人たちの応援が出来るような本を出版していきたいと思います。