続々・未体験ゾーン突入記
第1回目(2007年6月13日発信)の続き(2007年12月6日発信)の続きを書きます。
というのも、結果的に「宇宙人シリーズ」本と呼ぶようになってしまったシリーズ第3作の新刊「すでに宇宙人が話しかけています」(田村珠芳・著)が先週金曜日(1月9日)、書店に並びました。で、それを書かせていただこうと思います。
正直、ホッと胸をなで下ろしている心境です。
新刊を出す前はいつだってそうですが、(発売。即返品! だったらどうしよう) とか、(何とか初版だけは捌(は)けてくれ!)とか。
もうあれこれあれこれ、心中、次から次へと心配の種ばかりがよぎります。
そして襲いくる不安の種をひととおり何とかかんとか宥(なだ)めたあと、いや、売れるかもしれんぞ、ドカーンと爆発するかもしれんぞ……いや、いや、そうじゃないな……もう、きりがないのでこのへんにしておきますが、ま、そういうことであとは祈るしかない切ない心境を胸に抱きつつ、(え~い、勝負だ、やるしかないっ!) と、一転開き直りというか、居直りに近い高揚した気分で本を送り出す。
なぜか出版の世界に魅入られて40年余り、好きで好きでたまらないこの世界にお世話になっている自分です。
ほんとうにありがたいことです。
何かにつけて、「嬉しい、楽しい、感謝します」という口ぐせを唱和する癖もすっかり身について、いつだっておめでたくも鼻唄のように自動反応する自分……ぐらつく心を支える心棒は大事ですよね。
話を戻します。
シリーズの3作目なので、有力書店さんからは、1作目と2作目の実績に照らした事前注文をしかるべくいただいておりました。
さて、土日につながる成人の日が明けた火曜日。1月13日の朝9時半の事務所は静かなものでした。
すでにFAXによる追加注文が、200冊ほど届いていました。
そうこうするうちに書店さんからの電話注文がかかりだし、終日断続的に続きました。
夕方、集計してみるとその数で30店余り、300冊を多少超えたようです。
まずは順調な滑りだしです。
発売から5日間の初速でいけば、1、2作目をやや上回っています。
はあ~っ、良かったあ。
シリーズ本として認知されたんだあ。
いや待て待て、まだまだこれだけの数字じゃ、先行きわからんぞ。
もしかして、今日だけの数字かもしれんぞ。
そして6日目。本日は14日の水曜日。どうやらまずまずのスタートが切れたかという状況でしょうか。
さて、またまた心配の種が頭をよぎります。
この出足をさらに売り伸ばすにゃ、どうする、おい。
宣伝広告にいい方法はないか。
しかし、どう捻出したらいいんだ、販促予算を……。
出版は文化バクチというけれど、勝負に滅法強い博打打ちに必須の度胸持ちなどという存在とは、ほど遠いわが身を省みるに、これは畢竟、こういう仕事をさせていただいているに違いないのだ、と。これはいわば“サムシンググレート”が見えないところで操る人形劇にもしかしたら近いのではないか、と。自分は今、きっとその役割りとやらを、あえて申せば好きな出版という舞台で演じさせていただいていると思うことにすると、妙に合点がいくのですが……。
因みに2年前の1作目「まもなく宇宙人が到着します」、2作目の「これから宇宙人が救いにきます」、
そして今回の3作目の(というより我社の刊行本すべての)本の奥付にはこう書き添えています。
「ハギジン出版のミッションは、四角い地球を丸くして宇宙に輝くダイヤモンドにすることです」