出版営業代行で株式会社になりました。
東京ブックサポートはお蔭さまで2008年6月10日に株式会社になりました。これも一重に皆さまのお力添えのたまものと厚く御礼申し上げます。
2006年4月5日の版元日誌にも書きましたように、2003年5月に出版営業代行の仕事を始めた時は、この仕事にどれくらいニーズがあるのか、また東京ブックサポートにお仕事いただけるものなのか、全く見当がつきませんでした。ただ、4000社以上あると言われている出版社の中で「書店営業が気にはなっているのだが、人材も経費も時間も割けない」と悩んでおられる出版社はきっとあるだろう、という淡い期待だけのスタートでした。
当時は起業ブームとやらで1円株式会社なるものも現れた時期でしたので、最初から株式会社としてスタートしても良かったのですが、色々な方に相談すると「会社は作るよりも続けるのが大変。最初は自営業で始めて、ある売上以上になった時に株式会社化を考えた方が良い」というアドバイスをいただきました。
お蔭さまで3年目を過ぎたころから、僕とサイクンの2人の仕事量を超えるご依頼をいただくようになり、パートさんを雇うようになりました。そして2007年の売上を締めてみると、その当初目的としていた売上に達していたので株式会社化の手続きに踏み切ったというわけです。
これだけ出版点数が増え、目利きの出来るベテラン書店員が減り、ベルトコンベアーのように商品の棚出しと返品に追われている書店の現場を毎日見ていると、もう「良いものを作って取次にまいてもらえばある程度成り立つ」という時代ではないことを痛感します。
その商品を売る力を持った書店をピックアップし、出来ればその書店に訪問して担当者に案内をし“面白い!売れそう!置いてみたい!”と思っていただかないと実売にはなかなか結びつきません。とは言うものの、社内にいるとなかなか書店訪問の時間が取れないというのも、前の会社で出版営業を16年経験してきた僕にはとても良くわかります。しかも、せっかく書店訪問に時間を割いても、その担
当者に会うのが初めてだったり久しぶりではスムースに商品の紹介が出来ません。書店員にしてみても、次々と出版社の営業が訪ねてこられて延々とご挨拶から会社の案内を聞かされてしまうのでは、本来の仕事に支障をきたしてしまいます。
出版営業代行の仕事は人に尽きると思っています。(株)東京ブックサポートは、いたずらに営業スタッフを増やしたりはいたしません。お蔭さまで現在パートさんは3人に増え総勢5名の所帯となり、ジャンルも児童書・人文書・語学書・ビジネス書と拡がってまいりましたが、皆、書店のご担当者様に可愛がっていただいております。
今後とも、(株)東京ブックサポートをよろしくお願い申し上げます。