海外へいこう!
ゴールデンウィークの直前に原稿の依頼を頂き、緊張を抱きながら連休中になにを書こうかを熟慮しようと企てたものの、いざ連休が明けてみるとなにも考えつかなかった自分がおり、そんな自分を発奮させつついまこの原稿を書かせて頂いております。申し遅れましたが私彩図社の小林と申します。今年の六月にてようやく彩図社に入社し一年になろうかという、まだまだ勉強中の身でございます。
連休も明け、またお世話になっている書店さんへ訪問する日々が始まるぞと、意気込んでいるところではございますが、書店の皆様を初めとして、販売などの分野で活躍されている方々はやはり連休などとり辛く、ゴールデン……などというものはもってのほか、という意見を伺います。弊社を含め私の周りでも、連休中に出勤し、溜まった仕事を片付ける、等の意見もよく聞きました。景気が上向きであるということであるのなら良いのですが、日ごろ多忙を極める書店さんのことなどを考えると、複雑な気が致します。
さて、最近特に二十代を中心とした若い世代が海外旅行にでかける件数が少なくなっているというニュースを読みました。「休みが取れない」「旅行はしたいがお金がない」「旅行よりもほかにお金を使いたいものがある」などが主な理由だとのことですが、かく言う私も二十代も半ばに差し掛かったばかりの若輩者でありまして、確かに私自身、日本の地を離れたことというと一度しかありません。それが多いのか少ないのかはわかりませんが、たった一度ながらも文化や言語の違いに触れ、自分の想像力の至らない、世界の広さのようなものを感じることが、いま自分の仕事に大きなプラスになっていることは、確かなことと感じております。そう考えると、もしかしたら私どもの世代は保守的であり、堅実であるといえば聞えは良いですが、すこしさびしい気持ちも致します。
私ども彩図社は、主にサブカルチャーなどの商材を扱っており、そのなかでも一つの看板商品というべきアイテムとして、「危ない旅行書」というシリーズがございます。そのなかでも新刊として、『地獄のドバイ』というものを先日刊行致しました。
昨今観光地としても、ビジネスの分野としても話題に事欠かないドバイにおいて、様々なトラブルに巻き込まれるという、ますます若者の海外離れに繋がらないだろうかと心配になる一冊ではございますが、それは杞憂なのか、お蔭様で一般の旅行ガイド本などに混ざって、やはりこのゴールデンウィークに、よく動いております。
やはりどんなところであっても異国の地であれば、風習などもまったく違うもの、マナーを侵すような行為や、安易に警戒を解く様なことは禁物です。本書は日本におりながら、小説を読んでいるような感覚でそういった異国の文化や風習を学べる、大変有意義な一冊となっております。本書を読んだ上で、やはりたまにはどこか遠くへ、私も日々の仕事に追われながらではありますがいつかは、と目論んでおります。