ニッポン人脈記
3月5日、朝日の夕刊に弊社の『南島叢書』がとりあげられました。
長く続けていると、時々こういうふうに記事になることが今までにもありましたが、今回は、あまたある全国の出版社の中から特色のある出版社の特集が13回に亘り組まれました。
海風社が取り上げられた理由は、弊社が徹底して「南島」にこだわった本を出し続けてきたからに他なりません。
キーワードは南島・奄美・琉球弧・ヤポネシア。そして辺境。
さて、100巻まであと一息。
有難いことに、人脈記に出てから、幾編かの原稿が舞い込みました。
そのうちのGOサインが出たもの
大学で西欧哲学を修めた著者が奄美の言葉遊びや伝承文化、シマ歌や冗談文化、先祖崇拝、果ては根源からの文化、すなわち性。を、専門的な知識を駆使して様々に論じながら、著者自身が言うように、妄想的仮説のオンパレード。
専門家でなくても、民俗学って面白いやん!!と、思える一冊。
著者は今、奄美で詰めの取材中。
脱稿を待って構成についての打ち合わせに入る予定。南島叢書にふさわしい一冊になることは間違いないでしょう。
そして、近刊。
4月には版画家 儀間比呂志「テニアンの瞳」版画絵本がでます。
82歳になる著者が彫る版画は相変わらず力強く、恐ろしい。対照的に、物語は淡々と、悲しいのです。
教科書問題は一段落したらしいですが、関係各所には是非手にとってもらいたい一冊です。小手先のごまかしが恥ずかしくなるはずだから。
くぎりとしての南島叢書100巻ですが、101巻目からまた折り返すことになります。
しんどくなった時は「南島叢書刊行の辞」(各書の巻末に掲載)を読み返して、勇気を奮い立たせています。
朝日新聞3月5日「ニッポン人脈記」
許可を得て掲載しています。