駆け出し出版営業マンのつぶやき
長野の出版社、オフィスエムの小宮山と申します。
長野はまだまだ寒い日が続いています。
私事ですが、じつはオフィスエムに入ってまだ半年足らずの駆け出しの営業マンです。まったく異分野からの転身でしたので、毎日が勉強、発見、とまどいの日々です。
そんななかから、大いにとまどった話から。
今回、小社から発刊した『日本には日本の家づくり』はお蔭様で売り上げが好調。全国の書店様からお問い合わせをいただきました。しかし、最近では「本を頼んでもまだ着かない」という苦情がチラホラ寄せられるようになりました。おかしいなと思って確認してみると、取次で滞っていました。お問い合わせを頂いた書店さんの中には、「取次が何度問い合わせをしても曖昧なことしか言わないので直接電話しました」とおっしゃる方もいて、出版流通のずさんさに閉口しました。
実は私個人も以前、書店で本を取り寄せたとき1ヵ月ほど待たされた経験があり、この流通の発達した時代に取次を通しての出版流通の遅さに改めて呆れてしまった次第です。
これでは、読者がほしい本を求めるときに遅い出版流通を敬遠して書店を避け、ネット書店に走るのは無理からぬこと。このままでは読者の書店離れがますます進むかもしれません。流通の迅速化は出版界全体で取り組まなければいけない重要な問題だと思います。
と、言っても零細出版社が出版流通云々してもどうなるものでもありません。本を売るには、やはり必要とする人のところに本の情報をいかに届けるかが重要なことだと思います。一番手っ取り早い方法は新聞などに「どーん!」と広告を載せることですが厳しい予算でなかなか「どーん!」と広告を載せるのは限度があります。
そこで、新聞社や雑誌編集部に紹介文を送り、記事や雑誌に取り上げられるように地道にお願いしています。なかなか、記事や書評に取り上げられることは少ないのですが、取り上げられたときのうれしさは何とも言えません。でも、せっかく記事になったとしてもすぐに反応があるわけでもない。(あたりまえの話ですが)情報発信の難しさを感じます。
一冊の本を生み出し、読者の手元に届くにはどのようにしたらいいか?本の情報を必要とする人にどのように届くようにするか?(それも安価で効率よくというかなり欲張った状況の中で)試行錯誤や暗中模索の繰り返しですが、それだけに遣り甲斐をもって今日も取り組んでいます。