いい風が吹いてきたかも。
一昨日、夕方突然、内勤社員の女性から「注文の電話が止まないので帰れません、保育所どうしましょ」と携帯にSOSが。
「しゃあないから、留守電にして帰り」と指示を出しました。
それ以降、断続的にではあるけど、電話は鳴り続けているようです。
僕は、基本的に外勤。
事務所にいるのは、土曜の晩ぐらい。
それ以外の時間は、営業か、打合せか、取材か。
そんなわけなので、内勤は、完全おまかせ状態なのです。
そうそう、で、なんでこんなに電話が入っているかと言うと、
9月25日搬入の新刊「勝谷誠彦の知られてたまるか」の発売を、テレビで告知したからです。
この本、自分で作っといて言うのもなんですが、ほんま面白い。
トーハンの某氏から、「内山さんは自分のとこの本を、どれも面白いって言う」と陰口をたたかれているのは、知っています。
でも、ほんま、面白いねんもん。そのかわり、一冊一冊にかけてる手間も違いますけどね。
そんでもって、この本は何かと言うと、
関西の食と酒のガイドブックです。
政治面で人気のコラムニスト勝谷誠彦さんは、グルメライターでもあります。
著書も多数。
何しろ「無駄な飯は食わん、無駄な飯を食ってる奴とそうでないやつは、生の濃さか違う」と常々おっしゃっているぐらい、食には厳しい人。
高いとこやないんですけどね、この本に載ってるお店。
この本の取材に、かなり同行させてもらったんですけど、値ごろ感抜群、でもめちゃめちゃ美味い、しかも酒を合わすというテーマもあるので、取材ながら極楽な時間を過ごさせていただきました。
実は、この企画、テレビ番組の1コーナーを本にしたもの。
関西で放送されている「ムーブ!」の中のコーナーが「知られてたまるか!」通称「しらたま!」
このコーナーの第一の特徴は、美味くて良い店しか紹介しないこと。
あたりまえと言うなかれ、普通グルメ番組は、店の選定はテレビ局のスタッフが雑誌かなんか見て決めて、タレントさんは、店に連れていかれて食べてコメント。
だから「全部が美味いわけないがな、でも、ほめなあかんし、つらいぞ!」という、裏話が出たりするのです。
この番組では、勝谷さんが、ロケの無い日にそらあ食べ歩いて、その中から選んで決めています、だからほんま外れ無しでした。
ただ、難点があって、忙しい勝谷さんのこと、大阪から遠い店に行けない、だから、本書にも、京都、奈良、和歌山、滋賀、載ってません。
すんません。
そしてもう二つ目の特徴というか、画期的なのですが、
番組内で、店の場所も、名前も公表しないという点。
テレビのグルメ番組を見て店に来る人は、興味本位なので、わーっと来てお店の雰囲気を変えてしまう。結果、常連さんがそのお店から離れて、数ヶ月後、大変なことになっている例が多い、だから、この番組ではハードルとして、番組内での勝谷さん他出演者のコメントから滲み出たヒントをもとに、そのお店を探り出した人だけが、美味しい物にたどり着けるようにしてある訳です。はい。
そんだけ、苦労して見つけたお店なら、常連と言わずとも、「たまに行くならこのお店」にはしてくれるやろと。
ロケには、勝谷さんと、アナウンサーが行ってるのですが、この会話がまた面白い。
若い男子アナにはコメントの出し方を指導、ベテランアナとは大人の会話、女子アナとは色っぽく、東京に行ってしまった山本モナさんとは・・・・・。
とにかく、そのトークも絶品。
で、そんな要素をどうして再現したかというと、
大物カメラマンのとこで修行した、グラビア中心に活躍する気鋭のカメラマンに、食と酒を撮ってもらいました、女性を撮るように撮るから、これがまた色っぽいんだ、店紹介は、当然会話を再現、薀蓄も満載、話は国際情勢にまで及びます、食の本なのに。
そして、お店の住所や名前地図は・・・・・袋とじにしました。
ハードルです。
とにかく、番組出演者やスタッフと、楽しみながら作りました。
そんなこんなで、冒頭の電話の話に繋がるのです。
この日から、キャスターのデスクには、「勝谷誠彦の知られてたまるか!」発売まで後○日という、世界陸上ばりのパネルが置いてあります。
初版は15000部。
販売目標30000部。
関西限定版で、この部数。
書店さんを回って取った事前注文部数は、8000部ほどでした。
注文数のトップは、巨大スーパーのインショップさんで500部。
入り口の柱周りに、ドーンとデコレーションするで!
意気込みに応えました。
この本の営業、基本的には順調だったのですが、
書店さんの若い女性から「普通でええんちゃうん、こんな読まなあかん本売れへんで」という声を貰って、凹みました。
そうかも、でも、情報の羅列はクーポン付のフリーペーパーや、ネットにまかしたらええやん。
誰が、ホンマに、どう紹介してるか、有料の商品はそれが必要になってきてるなあと、実感してます。でも、そういった特化した商品特性は、読者を限定するのも確か。
まあ、去年出した、讃岐うどんめぐりのバイブル、「超麺通団3」も著者の個性を前面に出しためちゃめちゃ面白い本、そんで、5万部売ってるし。と、悔しくて、でも、そうかなあとも思う自分をなだめながらその日は、寝ました、朝方、ほんま。
大阪を中心にかなりの数の書店さんにお伺いさせていただきましたが、勝谷さんを知らない人の多さにもびっくりしました。若い子もです。
元、文春。
花田さんの元部下で、ほとんど毎日テレビに出てて、コラムもあちこちで目にするのに。
「偽装国家」書いたひとやん、というと、「ああ、あの」の返事。
良くも悪くも、テレビの影響が思った以上に弱まっているのかと、しもじみ感じました。
本が出たら、サイン会をあちこちで催します。
さあ、忙しくなるぞ。