出版営業代行のイメージアップをめざして
「東京ブックサポート」とは私、早川裕が3年前の春に始めた出版営業代行業の屋号です。
1983年の秋、私は縁あって児童書に特化した書店に就職しました。児童書売場に配属され必要に迫られて絵本などを読んでいるうちに、絵本の面白さや奥深さを知っていきました。その後1985年の秋に会社が出版をはじめることになり、出版部の営業に異動させられたのです。出版部では雑誌2誌のほか保育書・楽譜集・絵本・CDなど多岐にわたる商品が次々と発売されていきました。当時の営業部長は“出版業界は児童書出版社に5年いただけ”という方であまりたよりにはならず、しかも新しく来る後輩が皆長続きしないので、かなりの時期私一人で取次・楽譜問屋・全国の書店・楽器店・保育業者・生協ベンダー等を担当しなければなりませんでした。その出版営業を16年続けてきた2001年の秋、突然今度は新規事業立ち上げのために内勤を命じられました。これにはかなり驚いたのですが、僕の後任に営業を2名採用済みだったこともあり素直に従いました。その新規事業も2002年の秋にスタートして軌道に乗ってきたのを見届け、20年弱お世話になった会社を退社しました。
実はその時はまだ何のあてもなく、漠然とどこかの出版社が拾ってくださらないかなと思っていたのですが、当時は不況風が吹き荒れていて“43歳の男に条件の良い就職口などない”ことにやっと気がつき、2003年の春に営業代行を始めることを決心しました。最初の頃は本当にお仕事を頂けるのか大変心配で、あちこちに声をかけまくっていたのですが、お陰様で徐々にお仕事も増えていき、今では私が児童書系の出版社を担当、サイクンにも実用書系の出版社2社を任せる状態にまでなりました。
一昔前までは営業代行と言えば歩合制のケースが多く、押し込み営業の悪いイメージがありました。しかもこれだけ自動発注が普及してきている現在、歩合制での精算はますます難しくなります。そこで東京ブックサポートは“毎月指定した書店を必ず促進する”という条件で、月極めの定額制のみの契約にしました。その代わり促進した書店の状況は報告書できちんと伝えることにし、その報告書は書店の状況を知る機会の少ない編集の方にもわかるようなものを常に心がけています。今では編集者が営業も兼ねているような小さな出版社はもとより、営業マンがいらしてもデスクワークが多いためになかなか書店促進に出られないというような出版社からもお仕事をいただいています。また月に1回は打合せするようにしておりますので、コンサルティング的なご相談に乗ることもかなりあります。今はまだ促進エリアは首都圏限定となっていますが、いずれは全国主要都市に促進員のネットワークを作りたいですし、取次店売や生協ベンダー等をも担当するなど、徐々に営業代行の古いイメージを変えて行きたいと思っております。
今後ともお見知りおきのほどよろしくお願い申し上げます。