身にしみる情報の大切さ
先週(5月23日)、毎年開かれている版元ドットコムの会員集会があった。
その席上、オンライン書店であるamazon.co.jpの佐藤さんと、bk1の尾園さんとお話しすることができた。アマゾンさんとbk1さんには、昨年、小社刊『ベビーサイン』をたくさんお売りいただくなど、たいへんお世話になった。一年以上たってしまったが、その時のお礼を申しあげることができた。おふたりに、『ベビーサイン』の姉妹書である育児絵本を今秋頃に刊行することをお伝えすると、「タイトルや内容がある程度決まったらすぐに連絡してください」というお言葉をいただくことができた。(どうぞ宜しくお願いします!)
bk1の尾園さんからは、ひとつ反省すべきお話しを頂戴した。
尾園さんは顧客と直結する部署(カスタマーセンター)のご担当なのだが、『ベビーサイン』がテレビで紹介されて「爆発的」に売れていたとき、正しい在庫情報が把握できず、サイト上で注文をくださったお客さんに本を予定どおりに発送できずに困った、というお話しであった。原因は、版元である小社が取次(問屋)や書店にお伝えしている「在庫有」「品切れ」「在庫僅少」などの在庫情報が逐一変動していて、「それを正しく知ることができなかった」ということであった。
在庫情報は最新かつ正確なものでなければ意味がない。本が大量に動いていることでパニックになり、正しい在庫情報をお伝えすることができなかった小社の不備をお詫びしなければならない。
本の売上げが弊社のような小出版社に対応できないような伸びをしめしたとき(径書房の場合、20年に一回くらい?)、「豊富」にあったはずの在庫が一瞬で品切れになるという事態は起こりうる。中小出版社には、書店さんからの返品を恐れて、なかなか思いきった重刷をすることができないという事情もある。『ベビーサイン』の時は、かなりがんばって1万部から1万5000部ずつの重刷もした(一か月間に6回も重刷した)のだが、それでも書店さんからの注文には追いつかず、減数出荷や本を指定日に出荷できないなどの事態を招いてしまった。
せめて、最低限やるべきこととして、最新の在庫情報を正しく伝えるように努めなければならないことを改めて思う。
「ウェブサイトに在庫情報を明示しているオンライン書店にとっては最新の在庫情報を把握することは必須、だから版元が集まって情報を管理している版元ドットコムには期待しています」と尾園さんは最後におっしゃってくださった。感謝。
(来週、会員集会のリポートを青弓社の岡部さんが書いてくださいます。お楽しみに!)
—— 話は変わるが、新雑誌「バッカス」(論創社・季刊)が先ごろ刊行された。“パフォーミング・アーツ・マガジン”と銘打ちつつ、「コンテンポラリーダンス」を多角的に取りあげる数少ない媒体のひとつになっている。ダンスといってもいろいろあるが、バレエ、モダンダンス、ヒップホップ、ジャズ等々のどれにも属さないコンテンポラリーダンス、かなり面白いですよ。(径書房でも近々、コンテンポラリーダンスの本を刊行しますので、どうぞよろしくお願いします。)