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第20回 メリーゴーランド「メリーゴーランド新聞」/メルヘンハウス「ひろばメルヘン」

「読書の秋」などと言ったりしますが、秋は本関係のイベントが全国各地で開かれますから、本好きにとっては忙しい、そしてうれしい季節ですね。11月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3連休、東京では、神田古本まつり、神保町ブックフェスティバル、しのばずくんの本の縁日(3日のみ)が開かれていましたので、これらも気になってはいたのですが、名古屋の地域ブックイベント「ブックマーク」が今年で最後だと聞き、これはぜひ見ておかねばと、名古屋に出かけてきました。

名古屋の書店のものとしては、これまでに、カルロバの「パーマネント」精文館書店の「次読むならこれにしや〜」を紹介済みですが、今回も名古屋で出会った本屋フリペを2つ紹介します。いずれも児童書専門店のものです。
 

まずは、子どもの本専門店メリーゴーランド。開業は1976年。三重県四日市市に本店があり、2007年には京都店ができています。四日市のお店は残念ながら訪問したことがないのですが、京都店は昭和初期に建てられたという古びたビルの中にある、すてきなお店でしたよ。

店主の増田喜昭さんは、書店の経営以外にも、絵本塾・童話塾を主宰したり、児童書関連の執筆・講演活動にも力を入れたりなど、子どもの本の世界を広げることに長年力を注いできたことで業界では広く名を知られている方。『子どもの本屋、全力投球!』『子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド』(共に晶文社)といった著書もお持ちです。

「メリーゴーランド新聞」は、同店発行の月刊本屋フリペ。名古屋にお店はないのですが、「メリーゴーランド新聞」はカルロバの店頭でも配布されていますので、同店訪問時に入手してきました。手元にある2017年9月1日発行の10月号には、No.427号とあります。創刊時から月刊ペースだとすると単純計算で35年以上になりますから、開店数年後からずっと継続発行されてきたわけですね。

サイズはB5判で8ページ。一部に写真が使われているのをのぞくと枠線も含めてすべて手描きです。児童書の新刊案内はもちろん、「ひげのおっさん」こと店主のコーナー、グッズやフェア・イベント情報に、4コママンガまで。情報量が多いだけでなく、読んでいて楽しい、読者をあきさせない内容になっています。

名古屋のカルロバ以外に配布店があるのかどうか、サイトには情報がありませんのでわかりませんが、入手ご希望の方はお店に問い合わせてみてください。年会費を払えば郵送による定期購読もできるようですよ。定期購読についてはこちらをご覧ください。


 

もう1つは、名古屋・千種の児童書専門店、メルヘンハウス。1973年の創業で、日本で初めての子どもの本の専門店だとされています。千種駅から数分歩くと、高畠純さんの絵が大きく描かれた、店舗の外壁が目に飛び込んできます。子どもの本好きの方ならば、この外観だけでもうれしくなることでしょう。

同店発行のフリペが「ひろばメルヘン」。この連載では、担当の方が個人的につくっているような、手作り感あふれるタイプのものを取り上げることが多いのですが、この「ひろばメルヘン」はきちんとデザインされ(コピーではなく)印刷されたオールカラーの小冊子です。A5判横置き8ページ。月刊で、手元の2017年11月号にはNo.422とあります。こちらも先の「メリーゴーランド新聞」同様、35年以上続いている計算になりますね。

内容は、エッセイ、連載読み物、新刊案内、ギャラリー(同店には2階にギャラリーがあります)での展示案内、スタッフの方の日記などなど、こちらも情報量の多い読みでのあるフリペになっています。同店を訪問された方は、ぜひ忘れずに入手してください。
 

すてきなお店とすてきな本屋フリペの紹介だけで本稿を終えられればよかったのですが、同店に関しては、1つ残念なお知らせもあります。メルヘンハウスは来年、2018年3月末に閉店することが決まっているそうです。ちょうど45周年のタイミングだといいます。

閉店までにはまだ数か月あります。名古屋でたくさんの子どもたちに本を届けてきたこのすばらしいお店をまだご覧になったことがないという絵本好き、児童書好きの方がいらっしゃったら、この機に、ぜひ足を運んでみてください。

(*本連載は、お店でフリペを入手して読む、一般読者の立場でフリペを紹介していますので、通常は発行店に取材はしないのですが、今回は、同店の閉店情報に関し、同店に内容を確認したうえで、フリペを本連載で紹介すること、その際に閉店のことにふれることについて、事前に了承を得ています。)


 

発行店:(メリーゴーランド新聞)メリーゴーランド
頻度:月刊
発行店:(ひろばメルヘン)メルヘンハウス
頻度:月刊
 
 

お知らせ:
本連際第10回で紹介したTSUTAYA寝屋川駅前店で発行されていた「ぶんこでいず」。残念ながら休刊になってしまったことは記事でもふれましたが、その「ぶんこでいず」をつくっていたねこ村さんが、フリペの世界に復帰されたようです。

フリペの名前は「えほんでいず」。内容は、絵本紹介とご本人の出産レポという組み合わせになっています。現時点では、継続刊行されるのかどうかはわかりませんが、楽しみですね。詳細は、ねこ村さん名義のツイッターアカウント(@nekomurabook)をご覧ください。

厳密には本屋フリペではないかもしれませんが、本屋フリペをつくっていた元書店員によるフリペで、ねこ村さんの知り合いがいる書店店頭での配布も始まっているようですので、ここで紹介しておきます。


 

sorainu_ico空犬太郎(そらいぬたろう)
編集者・ライター。主に新刊書店をテーマにしたブログ「空犬通信」やトークイベントを主催。著書に『ぼくのミステリ・クロニクル』(国書刊行会)、『本屋図鑑』『本屋会議』(共著、夏葉社)、『本屋はおもしろい!!』『子どもと読みたい絵本200』『本屋へ行こう!!』(共著、洋泉社)がある。
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