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第10回 TSUTAYA寝屋川駅前店「ぶんこでいず」

大阪市の中心部から北東に伸びる京阪本線。大阪環状線の京橋から準急で十数分ほどの寝屋川市駅の駅前にあるのが、今回紹介する「ぶんこでいず」の発行店、TSUTAYA寝屋川駅前店です。(ちなみに、寝屋川市のお隣は蔦屋書店発祥の地である枚方市で、枚方T-SITEは、駅でいうと寝屋川市から数駅ほど先の枚方市駅の駅前にあります。)
 

さて、この「ぶんこでいず」、手にした人は、まずその情報量の多さに驚くことになるでしょう。A4判の用紙、裏表両面に、文庫を中心とした新刊情報が、隅から隅まで、一分の隙もなくあふれんばかりに、というかあふれ気味に、手描きでぎっしりと詰め込まれています。絵も文章も、その描き込みぶりとかけられた熱量が、とにかくすごい。目を通し終わるころには、すっかり圧倒されているはずです。現在流通している新刊書店フリペのうち、筆者が知るもののなかでは、もっとも「熱い」1枚ではないかと、「ぶんこでいず」を手にするたびにそんなふうに思います。

版元ドットコムでは、いくつかの本屋フリペについては、PDFデータが公開され、全文が読めるようになっています。「ぶんこでいず」もこちらにデータがあがっています。何度も書いていることですが、本来、本屋フリペはその発行店で入手していただき、フリペだけでなく、お店の棚や平台も一緒に楽しんでいただくのがいちばんなんですが、それがかなわない方もいらっしゃるでしょうから、そのような方はぜひこちらで、どんなフリペかを体感いただければと思います。

さて、そんな現在の本屋フリペを代表する1つといっていい「ぶんこでいず」ですが、大変残念なことに、2017年1月に発行された号が最終号となってしまいました。通算67号。同紙は月刊ですから、5年超にわたって発行されたことになります。棚担当をふつうにこなすだけでも忙しいはずなのに、本業の合間をぬって、自分の時間もフル活用しながら、「ぶんこでいず」を作り続けてきたのは、同店の文庫・文芸担当、ねこ村さん。この情報量のフリペを5年超もの間一度も欠けることなく、定期的に発行し続けるというのは並大抵のことではありません。ねこ村さんの熱意には、あらためて驚かされるとともに、頭が下がる思いです。

通常号は先に書きました通りA4の両面でしたが、最終号はA3の裏表を使った特大号になっています。ねこ村さんによれば、もともと、A3で4ページのつもりで作成していたのが、経費削減のためにA3両面1枚に収めることになってしまったため、字が大変に小さく、こまかくなってしまったとのこと。たしかに当方のような小さな字がつらくなってきた身には読むが大変な感じがしないではありませんが、「ぶんこでいず」のファンならば、これぐらいはなんでもありませんよね。この1枚で、これまでの同紙の歴史もわかるものになっています。

ねこ村さん、長らくおつかれさまでした。そして、これまで、すてきな本屋フリペをありがとうございました。ねこ村さんが、将来、ふたたび本屋さんの仕事に復帰される日を心待ちにしたいと思います。また、「ぶんこでいず」に刺激を受けた、第2、第3のねこ村さんが、本屋フリペの世界に登場してくれることを願ってやみません。
 

なお、フリペだけでなく、お店の様子もぜひご覧いただきたいので、昨年11月にTSUTAYA寝屋川駅前店を訪問したときの店内の様子を、当方のブログ「空犬通信」で写真入りで紹介しています。こちら

店内の文庫棚には、最新号だけでなくバックナンバーも並べられるよう、フリペの陳列スペースが設けられています。棚には、フリペで紹介した本が並べられていたり、フリペと同じテイストの(手がけている担当者が同じですから当たり前なんですが)イラストや描き文字が踊るPOPやチラシがところ狭しと貼られていたりします。売り場とフリペが見事に連動、連携しているのです。

ねこ村さんが棚を担当していた時代に同店を訪問することができなかったという方は、「ぶんこでいず」をつくっていた人が手がけた棚がどのようなものであったのか、こちらの記事で雰囲気を感じ取っていただければと思います。
 

発行店:TSUTAYA寝屋川駅前店
発行頻度:月刊

sorainu_ico空犬太郎(そらいぬたろう)
編集者・ライター。主に新刊書店をテーマにしたブログ「空犬通信」やトークイベントを主催。著書に『ぼくのミステリ・クロニクル』(国書刊行会)、『本屋図鑑』『本屋会議』(共著、夏葉社)、『本屋はおもしろい!!』『子どもと読みたい絵本200』『本屋へ行こう!!』(共著、洋泉社)がある。
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