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第7回 セントポールプラザ書籍店「本屋でんすけ にゃわら版」

本連載で紹介している本屋さんのフリーペーパーは、文字だけのものもあれば、イラストやマンガの入ったもの、プロ並みのデザインセンスでつくりこまれたものから、ゆるゆるのつくりのものまで、さまざまなタイプのものがあります。

そんなバラエティ豊かな本屋フリペの世界には、筆者が勝手に「美術系書店員」と呼んでいる、素人の余技とは思えないレベルの描き文字やイラストの腕を存分にふるい、完成度の高いフリペをつくっている書店員さんたちがいます。今回紹介する「でんすけ」氏もそんな美術系書店員の一人です。

でんすけ氏の手になるフリペは、その名も「本屋でんすけ にゃわら版」。本稿に添えた写真だけでも、そのイラストや描き文字のクオリティの高さは充分に伝わるかと思いますが、実物を手にするとさらに驚かされることになります(実物はこちらからどうぞ)。フリペは、オール手書き。描き文字もイラストも文章も本のセレクトも、すべてでんすけ氏の手になるものです。

A4横置き両面に印刷されていて、片面に6点分の本の情報が配置されています。それぞれのブロックは、切り取ればそのままPOPに使えるようになっているなど、バランス感覚にすぐれたデザインの紙面は、一度目にしたら忘れられません。

ネーミングにもそのセンスはあらわれていて、読み上げるとわかる語呂のいいタイトルも秀逸。こんなすてきなフリペを忙しい書店員業の合間につくりあげてしまうでんすけ氏には、あちこちの版元や本関連のイベントから、イラストやペーパー、ポスターなどを求める声が集中しているといいます。それも当然と思えてしまうような、まさにフリペ界に現れた新星といっていいでしょう。

実物をご覧の方はお気づきかと思いますが、この「本屋でんすけ にゃわら版」には、発行店の情報が記載されていません。でんすけ氏の勤務店で配布されているのはもちろんですが、全国のいろいろなお店で配布されています。でんすけ氏自身もあちこちのお店で使ってもらえるのは大歓迎というスタンスで、お店のサイトでデータを公開、自由にダウンロードできるようにしています(こちら)。印刷・配布にあたって、とくに断る必要もないとしているそうで、となれば、こんなおもしろいフリペを周りが放っておくわけはありませんよね。でんすけ氏自身、自分でも、いまどの店で、どれだけの店で配布されているのかよくわかっていないのだそうです。

こんなユニークなフリペをつくり続けているでんすけ氏こと「でんすけのかいぬし」さんは、東京・池袋の立教大学内にあるセントポールプラザ書籍店に勤務する覆面スタッフ。お店は、池袋駅を西口側に出て徒歩数分、立教大学の正門の向かいあたりにあるセントポールプラザの2階にあります。立教大学の敷地内ですが、一般の方も自由に入れるようになっていますし、利用にも学生証などは要らないそうですから、「本屋でんすけ にゃわら版」に興味を持たれた方は、サイトからのデータダウンロードで済ませずに、ぜひお店も訪ねてみるといいでしょう。お店には最新号だけでなく、バックナンバーもずらりと並んでいますよ。
 
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発行店:セントポールプラザ2階 書籍店
発行頻度:月刊

sorainu_ico空犬太郎(そらいぬたろう)
編集者・ライター。主に新刊書店をテーマにしたブログ「空犬通信」やトークイベントを主催。著書に『ぼくのミステリ・クロニクル』(国書刊行会)、『本屋図鑑』『本屋会議』(共著、夏葉社)、『本屋はおもしろい!!』『子どもと読みたい絵本200』『本屋へ行こう!!』(共著、洋泉社)がある。
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