書誌情報を必要とする全ての方へ

インターネットで本を検索すると詳しい内容紹介と表紙画像が確認できる。POSデータを集計しマーケティングや在庫管理に活用する。店頭の端末で在庫の有無や棚番号を調べる。書店の注文端末を利用して発注する。レジでバーコードをスキャンすると書名と価格が表示される。

当たり前のように行なわれているこれらの全ての行為の前提として、本のタイトルやコード(ISBN)・価格・出版社名などを記した「書誌データ」というものを集めたデータベースが必要です。

では、本のデータベースはどうやって作れば良いのでしょうか。

町の小さな本屋さんが一人で本のデータベースを作るのは大変です。本の刊行点数は1年間で約7万点、1日あたりで考えても約200点。それだけの数の本について、価格とISBNコードとタイトルを入力するだけでも、一人では大変な作業です。しかも、町の小さな本屋さんには入荷されない本も多数あります。それらの本のデータは不要でしょうか。お客さまからのお問合せの際に「その本は当店には入荷していません」と返事をすることがあるかもしれません。もしかしたらお客さまが店頭にはないその本を注文したいと思うかもしれません。ひょっとすると入荷しなかったその本がたまたま何かの偶然で後からベストセラーになるかもしれません。そう考えると、入荷しなかった本のデータであっても不要というわけにはいきません。

ですが、入荷しなかった本のデータをどうやって入力すれば良いのでしょうか。

店舗を多数持っているチェーン店やオンライン書店が専任の担当者を置いてデータベースを作るのも大変です。これから刊行される本はどんどん入力するとして、過去に出版され、今は既に入手が不可能になっている本はどうでしょうか。それらの本のデータは不要でしょうか。お客さまからのお問合せの際に「その本は現在入手できません」と返事をすることがあるかもしれません。もしかしたらお客さまが探していたのはその本ではなくよく似た名前の本だったということが判明するかもしれません。ひょっとすると入手不能のはずのその本がたまたま何かの偶然で後から大きさや価格を変えて改めて出版されるかもしれません。そう考えると、過去に出版され、今は既に入手が不可能になっている本のデータであっても不要というわけにはいきません。

本の流通の要である取次が本のデータベースを作るのはかなり現実的です。実際、取次各社が入力した本のデータを統一的なデータベースにも活用しようという動きが実現の方向で進んでいます。取次であれば町の本屋さんには入荷しないような本も扱いがあるはずです。また、現在入手不可能な本についても、過去のデータが残っていれば情報を利用することは可能です。ですが、取次では扱っていることになっていても出版社の倉庫に1冊も残っていない本はどう表記すればよいのでしょうか。在庫があるのか、ないのか。その本が販売可能な状態なのかそうでないのか。取次は出版社の倉庫の中までは確認できません。ですが、町の小さな本屋さんで本を注文しようと思ったお客さまもオンライン書店で本を注文をしようと思ったお客さまも思うはずです「その本が買えるのか買えないのか、どうしてこの店は教えてくれないのだろうか」。

では誰なら本についての詳しいしかも最新のデータを持っているのでしょうか。出版社の在庫管理を行なっている倉庫は詳しい情報を入手できます。ですが、全ての出版社が倉庫会社と契約しているわけではありません。自社で在庫を管理している出版社も多数あります。

出版社は、本についての最も詳しくかつ最新のデータを持っています。ですので出版社が本のデータを提供するのが本来であれば最も確実です。

ですが、規模の大小に関わらず、本のデータ提供に無関心な出版社もあります。今までは町の小さな本屋さんから取次まで、出版社ではないところが懸命に本のデータを作ってくれていました。それが当たり前だと思っている出版社もあるようです。

それが当たり前なのかどうか私には分かりません。町の小さな本屋もチェーン展開している大型書店もオンライン書店も取次も、データベースがないと困るからそうせざるを得ないだけなのではないでしょうか。もし、誰もが気軽で安価に使え、しかも詳細で最新の情報が反映されているデータベースがあるのであれば、それを使うことを拒むところはないのではないでしょうか。

残念ながら日本ではそうした「誰もが気軽で安価に使え、しかも詳細で最新の情報が反映されているデータベース」というものはまだ存在していません。例えば国会図書館であっても、日本で刊行された全書籍のデータは集められていません。出版業界の団体である書協(日本書籍出版協会)が運営する「Books.or.jp」というデータベースでも、過去に刊行された書籍はもちろん、今現在入手可能な本であったとしてもその全てを網羅できてはいません。取次は各社毎に本のデータを入力・管理していますが、それらの規格は統一されておらず、しかも有償で提供されています。誰もが気軽に使える状態ではありません。

版元ドットコムは小さな出版社が集まった試みです。元々の趣意は「自分たちが出版した本をより多くの人々に知ってもらいたい」というものです。そのために本の情報をデータベース化し、公開しています。フォーマットを決めて公開することによってその情報は当初の考えより「使える」ものになりました。読者だけでなく、取次やオンライン書店に基本的な情報として提供することも行なっています。データベースの情報は形を変えながら様々な場所で活用され、結果としてより多くの読者に本を知ってもらうチャンスが生まれています。

版元ドットコムのデータベースは、限られた数の出版社のデータではありますが、「誰もが気軽で安価に使え、しかも詳細で最新の情報が反映されているデータベース」となりました。だからこそ、もっと多くの方にさらに多彩な目的で使っていただきたいと考えています。

RFIDタグを最大限に活用するためには商品情報データベースが必要不可欠です。店頭での販売動向が商品特性と結びつくことによって新たなマーケティングが可能になります。在庫管理の正確さは従来からは考えられない次元になります。オンライン書店ではリコメンドの機能の充実はキーの一つですが詳細な内容情報があればより正確で読者の興味に沿ったリコメンドが可能になります。RSSやXMLの活用によってもっと気軽に情報のやり取りができるようになります。本の検索はさらに曖昧で断片的な情報でも可能になります。思いがけない方向からの本との出会いも生まれるかもしれません。
フォーマットの統一された安価な商品情報の利用によってPOSレジの開発運営コストは下がり、結果的に書店のコスト削減にも反映されるかもしれません。読書カードを作るような熱心な読者の方は自分の蔵本リストを簡単に作れると思うかも知れません。

まだ思いつかない活用法があるかもしれません。そのためには版元ドットコムのデータベースにもさらなる改善が必要であるかもしれません。

「こういった使い方をしている」「こういった使い方をしたい」。私達は、皆さまからのそうした報告や提案をお待ちしています。私達では対応できないこともあるかもしれません。一緒に考えなければいけないこともあるかもしれません。ですが、そうした試行錯誤によってさらなる可能性が見えてくることもあるように思うのです。

本の未来を切り開くために私たち版元自身ができること、それをもっと知るために、皆さまのご協力をお待ちしています。

  • 図書館流通センター(TRC)
    [送信内容]近刊情報 [送信フォーマット]TRC独自フォーマット(2005年2月2日最終更新)
  • アマゾン
    [送信内容]書誌付加情報(書影含む) [送信フォーマット]アマゾン独自フォーマット
  • ビーケーワン
    [送信内容]近刊/刊行/在庫/搬入連絡情報 [送信フォーマット]TRC独自フォーマット/書協フォーマット/トーハン在庫連絡用独自フォーマット/トーハン搬入連絡フォーマット
  • トーハン広報部(トーハン週報)
    [送信内容]週報原稿 [送信フォーマット]新出版フォーマット(トーハン仕様)
  • 日販広報部(日販速報)
    [送信内容]週報原稿 [送信フォーマット]新出版フォーマット(日販仕様)
  • 書協
    [送信内容]刊行/絶版情報 [送信フォーマット]書協独自フォーマット
  • 流通対策協議会(新刊選)
    [送信内容]新刊選原稿 [送信フォーマット]新刊選独自フォーマット
  • トーハン見本窓口
    [送信内容]搬入連絡情報 [送信フォーマット]トーハン独自フォーマット
  • 日販見本窓口
    [送信内容]搬入連絡情報 [送信フォーマット]日販独自フォーマット
  • 栗田出版販売見本窓口
    [送信内容]搬入連絡情報 [送信フォーマット]栗田独自フォーマット
  • 中央社見本窓口
    [送信内容]搬入連絡情報 [送信フォーマット]中央社独自フォーマット
  • 大阪屋見本窓口
    [送信内容]搬入連絡情報 [送信フォーマット]大阪屋独自フォーマット
  • トーハン(在庫情報)
    [送信内容]在庫情報 [送信フォーマット]トーハン独自フォーマット
  • 日販(在庫情報)
    [送信内容]在庫情報 [送信フォーマット]日販独自フォーマット
  • 大阪屋(在庫情報)
    [送信内容]在庫情報 [送信フォーマット]大阪屋独自フォーマット

▲ページの上端へ