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大阪の京橋で地域に根ざして

小社は書籍出版の他、自費出版、市民団体・労働組合等の印刷物やウェブサイトの制作をしています。大阪城の近くにある京橋というターミナル駅の近くにあります。

京都は大学が多く学術系の出版社が多いです。大阪に出版社があるの?と思われるかもしれませんが、がんばっている版元が多くあります。
大阪の一般的なイメージは「商都」かもしれません。
20世紀前半において、官庁からの発注物などページ物印刷が中心だった首都東京に比して、京阪神は帳簿類、商品広告、ポスター等のカラー印刷、絵はがき等商業印刷が先行していたそうです。欧米から印刷機を積極的に購入したため、オフセット印刷、カラー印刷などは、早く始まりました(大阪印刷百年史刊行会編『大阪印刷百年史』大阪府印刷工業組合、1982年)。著名なフォントメーカーも大阪に本社がありますね。
現在の大阪城には東洋一といわれる軍事工場、大阪砲兵工廠がありました。1945年の空襲で破壊されました。多くの鉄屑が放置され、それを狙って「アパッチ族」が深夜の寝屋川で活躍したことは、梁石日の小説などでも知られているところです。
小社は地域の出版をしています。近年刊行した『大阪砲兵工廠物語』(久保在久著、2019年)

は、新聞資料の丹念な調査から、大阪砲兵工廠とその周辺地域の歴史を著したものです。大阪砲兵工廠は近代大阪の形成の上で重要な施設であるにもかかわらず、軍事施設であるがゆえになかなか資料が残されていないそうです。
そこから見えてくる砲兵工廠の様子は…労災事故は日常茶飯事、官製工場だが賃金・待遇は芳しくなく、周辺工場への転職も多い、労働組合の結成と組合つぶし。大阪環状線の京橋駅から鶴橋駅の東側に広がる地域は、大阪砲兵工廠の設立とともにかつての農村が住宅化・都市化され、地方からの労働者も集住し、多くの町工場が建ち並びました。
大阪砲兵工廠から放射線状に鉄道網がのび、禁野(枚方)、春木(岸和田)、宇治、放出に関連工場・弾薬庫・倉庫などがありました。軍事物資を運ぶ列車はしばしば周辺住民を巻き込む爆発事故を起こしました。そして、大阪砲兵工廠は植民地朝鮮・台湾からの留学生・視察団に見学させる定番コースの一つでした。
「軍都」、帝国主義の中心としての大阪です。きらびやかな「商都」のイメージと別のもう一つの顔です。
一方で、琉球、朝鮮、アイヌなどの人々を「陳列」する人類館事件(1903年)、明治記念拓殖博覧会事件(1913年)が起きました。ある民族・人種を劣位に置く差別の眼差しと優生主義です。
以後、京都大学の医学・人類学の研究者らは、アイヌモシリ・沖縄・奄美の墳墓から遺骨を収集し、持ち去りました。
大学による盗骨』(2019年)

京大よ、還せ 』(2020年)

は、それらの事実を告発し、学問の根底にある植民地主義を問う書籍です。京都大学に元あった場所への遺骨の返還を求める琉球民族遺骨返還請求訴訟が、京都地裁に提訴されました。
地域に根ざしつつ、出版活動を続けていきたいと思っています。

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