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ジュンク堂書店京都店の閉店

はじめまして。光村推古書院の鎌倉未希子と申します。
光村推古書院は京都で明治20年に創業しました。美術書、写真集、京都に関する書籍を多く出版しています。

なかでも『京都手帖』は京都の書店で、毎年売上1位を取る弊社の看板商品です。京都の社寺などの行事予定を週間スケジュールページに記載した手帳です。おいしいもの、おすすめの雑貨のコラムも楽しく、読み物としてもとても面白いです。
『京都手帖』には「全国共通版」「京都限定版」の2種類がございます。中身は全く同じですが、表紙の柄が違います。「京都限定版」は京都府内でしか買えません。今年のカバーは「椿(緑)」「つばめ」(リバーシブルです)が京都限定版、「椿(ピンク)」「黒」が全国共通版です。竹笹堂さんの木版画のデザインを使用したカバーは、毎年とても可愛く、どちらにしようか悩むところです。ちなみに、わたしはピンクを使っています。限定版のつばめも可愛くて、どちらにしようか悩みましたが、つばめを社内で使う人が多かったのでピンクにしました。ピンクの手帖をカバンから取り出すたびに、明るい気持ちになります。
京都に住んでいなくても、京都を旅行する予定がなくても、書店で見かけたらぜひ手に取ってみてください。全国の書店で絶賛発売中です。

さて、2020年1月、「ジュンク堂書店京都店」が2月末で閉店という衝撃のニュースが飛び込んできました。私自身、ジュンク堂書店京都店に勤務していたので、かなり驚きました。大学生の頃、ジュンク堂でアルバイトをした事がきっかけで「書店で働く」ということに魅力を感じ、一度は全く別の業界の会社に就職しましたが、書店で働きたい気持ちが大きくなり再就職しました。当時は、今のようにパソコンもインターネットも普及しておらず、担当がどこに何があるかを頭の中で把握していて(歩く生き字引のような人がいました)曖昧な問い合わせも、あの手この手を使って調べつくす(最終段階で書籍総目録を引く)のが日常茶飯事で、お客様からの問い合わせがあればあるほど知識が増えていき、自分のものになっていくという充実感がありました。今は検索機でキーワードを入力したらポンと在庫の有無まで出てくるので便利ですが、不便な時代には不便なりの面白さと誇りがあったように思います。
先程ちらっと書いた「歩く生き字引」には色々なことを教わりました。「売りたい本の両隣の本まで買いたくなるような棚を作りなさい」だとか、「あれもこれも置きたいけど厳選しなさい」だとか(しかし返品する際は断腸の思いで「あなたも置いてあげたいけど、スペースがないの、ごめんね」と言って返品箱に入れるそうです)、「美しく並べて、かならず手がすっと入るくらいの余裕を残しなさい」だとか、とにかく本に対して愛情がいっぱいの人でした。その方の口癖は「手が空いたら、通りかかったら、気が付いたら、棚整理をしなさい」でした。棚のみだれは心のみだれと言っていたような記憶も・・・
そんな思い出の書店が、この京都からなくなってしまうのが本当に残念です。3月以降、四条通を歩いていて、「もうない」という現実に直面した時、ものすごい喪失感に駆られるだろうと思い、今から寂しい気持ちになってしまいます。

光村推古書院の本の一覧

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