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漢字の変化にこだわる

昨年、どうしても自分が欲しいと思っていた本を出すことができました。
[旧字源]――旧漢字でわかる漢字のなりたち

です。

戦後新字体に変わったために、意味がすぐわかるような部分がそっくり取られてしまったり、音のグループから外れてしまったりした字があります。以下本書にある内容ですが、例えば「栄」はもともと「榮」。この旧字だと先に火のついたたいまつを組み合わせた形で、さかんにかがやくさまから‘さかえる’になったことがわかります。また、「仮」は旧字体で「假」であり、つくりの部分が‘かり’の意味をもち、「暇」と同じくカという音をもつグループでしたが「反」をつくりにあててしまったためにカのグループから外れ、意味をもつ部分もなくなりました。
そうした変更がどのくらい、どのようにされたのかをできるだけ知りたいと思い、幸いにも書いてくださる方をみつけることができました。
もともと漢字は長い歴史の中でさまざまな変遷があり、『康煕字典』にも不統一があり、本家はすでに簡体字になっているなかで、変化にあまりこだわっても意味がないという考え方もあります。ただ、直近の大きな変更がどのようなものだったか、主なものだけでも書いていただくことができ、残せたことはよかったと思っています。
明治以降、西欧列強におくれまいとして漢字をなくそう、制限しようとした知識人たちがいました。そのあたりの歴史も本書では触れています。敗戦でGHQから受けた漢字制限の勧告を好機と見た人もいたようです。
一方で、清の康煕帝は、異民族だったにもかかわらず漢民族支配のために漢字文化を吸収し、『康煕字典』が生まれました。戦乱や異民族支配を経ながら3000年の風雪に耐えた漢字を今私たちは使っていて、中国の大昔の書を見て好ましいとかこんな風に書いてみたいなどと思えるのは随分贅沢なことではないでしょうか。
当用漢字でなされた制限はしだいに緩くなり、今では旧字を目にすることも増えてきました。そうした変化も興味深く眺めつつ、もう少し漢字にも日本語にもこだわっていきたいと思っています。

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