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「営業職は地味だけれども」を受けて

兵庫県の出版社、スタブロブックスと申します。一度目の緊急事態宣言が出た直後の2020年4月21日に設立し、これまで3冊の書籍を発刊してきました。よろしくお願いいたします。

版元日誌の依頼をいただいて何を書こうかと版元日誌一覧をチェックしていたところ、百万年書房の碇雪恵さんの記事「営業職は地味だけれども」(2019年9月11日)が目にとまりました。私自身も何が正解かよく分からない中で書店営業をしているので、碇さんの記事を受けた内容を書かせていただきます。(イレギュラーなテーマ設定ですみません)

これまで版元ドットコムさんのオンラインセミナーを何度か受講し、書店営業の基本を教わりました。それ以外にもお電話で個別にご教示いただくなど、本当にありがたく思っています。

ただ私のような素人人間が日々営業していると、聞くには忍びない「?」がけっこう出てきます。すでに経験豊富な版元の皆様には笑われる内容ですが、私と同じように営業を模索している版元さんの少しでも参考になれば、という気持ちで書いていきます。

■当社の属性
スタブロブックス代表の私は10年以上フリーランスのブックライターとして活動したのち、兵庫県加東市という地元の超田舎で出版社を立ち上げました(設立準備の際には、クラーケンの鈴木さんの版元日誌「2018/7/4 フリーライター&編集者はみんな出版社を設立すべき」を偶然見つけて参考にさせてもらいました)。

フリーになる前に所属していた出版社では2年ほど書店営業の経験があります。ですが10年以上前の話、かつその出版社はきわめて特殊な会社で……営業について誰も何も知らなかったので営業は完全自己流でした。

■ある書店員さんの笑顔に癒される
出版社設立後、関西の書店にご挨拶に出向いた際、10数年前の営業時にお世話になっていた書店員さんが現在も同じ書店(ある旗艦店的店舗)の同じ棚で働いていらして、快く対応してくださいました。しっかりと話を聞いてもらえてハッピーでした。こういう方がひとりいるだけで気持ちが楽になります。

■それで実際の話、アポはいるの?
碇さんの記事「営業職は地味だけれども」では事前アポが必要か否かについて書かれていましたが、私は事前の電話は失礼だと思って考えたこともなかったです。事前のアポ電話、ぶっちゃけしてもいい(あるいはしたほうがいい)ものでしょうか? 私も碇さんが書かれているのと同様、アポをとったらとったで当日の動きが制限されそうで不安な気がします。

ちなみに私は書店営業の日は休憩や昼食は基本とらない前提で動き続けます。で、ご担当者が休憩に行かれていたら、そのタイミングで私も休憩します。運よくご担当者に次々会えるとそのまま一日中歩き回ります。

■書店員さん不在時の本音
とはいえ書店員さんがお休みの日は当然あるもので、そうなると注文書(あるいは持参したポップ)を別の方に渡していただくようお願いするのですが、書店員さん側にとってそれはどうなんでしょう。本音は面倒でしょうか。結局、手渡っていないケースが多いのでしょうか……。細かなことが気になります。

■自社の本が売れていないときのトーク問題
まず書店さんにとって「売れている本」の販売ペースはどのくらいなんでしょう。1週間に3~5冊くらい売れていたら、「お、動いているな」という感じと聞いたこともあるのですが、どうなのでしょう。

売れている本の営業はきっと楽しいと思います。一方、1週間、2週間……動きがない本を平積みや面陳列していただいているとして、その担当の書店員さんとどんなトークを繰り広げればよいのか。

営業に伺うと、「よく売れていますよ」「動きが良いので補充しときました」「追加注文いいですか?」と嬉しい言葉をかけてもらえるときがあります。そんな日は足取りが軽いです。が、売れていないときのモチベーション維持とトーク内容が課題です。

■注文書について
当社は見計らい配本のない注文出荷制なので、事前注文が大事になってきます。ということは、注文書の出来栄えで初回出荷数がけっこう左右されます。

版元ドットコムさんのセミナーで貴重なアドバイスをいただき、少しはましな注文書をつくれるようにはなった気はしますが、それにしても自己資金を投じてリスクを負って本をつくっているのに、FAX一枚の注文書でしか広く全国の書店にアピールできないもどかしさが強いです。

反応率を上げるために注文書の内容を地域別に細分化してつくろうと画策したり(結局まだ実行に移せておらず)、著者さんや本がメディアに出たら即注文書に反映し、当該地域限定で注文書を流したり、いろいろ工夫はしています。

しかし本の良さをアピールするのは注文書では限界のような気がします。では何が必要か。読者や書店さんが求める本をつくる努力をするのは当然として、プラスアルファ、本の良さをアピールする手立てを地道に考えて、行動し続けたいと思います。

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長々書きましたが、この7月に当社1冊目の精算日を迎えました。返品率は約11%、1冊目単体で黒字になりました。増刷を視野に入れています。いろいろ悩みながら、試行錯誤しながら、うっすらバカにされながら、2年目もがんばってやっていきます。

スタブロブックスの本の一覧

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