梨の木舎に行ってきました

行った人:太郎次郎社エディタス 須田・版元ドットコム事務局 寺門


神保町の交差点近く、白山通りにから一歩はいったところにある

梨の木舎は版元ドットコム創立当初からの会員社です。
「新刊・既刊の登録を自分でもできるようにしておきたい」
という申し出があり、おうかがいしました。

梨の木舎は1982年創業。羽田ゆみ子さんが創業以来、本をつくって売るまで自分で取りしきっている「ひとり出版社」の代表例のような会社です。
出版分野は戦争責任・アジア関連書を基軸にしつつ、DVや農、モーパッサンの短編集まで、おそらくは羽田さんの関心と縁の赴くままに、地道な活動を積み上げています。
ヘナや有機コーヒーの販売も手がけているとあって、入り口のドアからして「有機!」という雰囲気が充満しています。


入り口の看板
事務所入り口の看板

週に数日、事務作業などを手伝いにくる方々がいて、版元ドットコムへの登録作業は任せていたのだけど、羽田さんが自分で手直しもできるようにしておきたいとのこと。

未登録のものに近刊予定の『いま、聖書を読む』のがあったので、さっそく登録を実習しました。
「発行部数? まだ決まってないんだけど、まあ予定は○千部で……」などと話をしつつ、えっちらおっちらと登録し、刊行情報の書協への転送までを終了。表紙の画像登録もしたいところですが、あいにくまだ色校正まで進んではいないので、肝心の元画像がとれません。
既刊をつらつらと眺めていくと既刊の『陣中日誌に書かれた慰安所と毒ガス』の表紙が未登録なのを発見。さっそく本を出してもらい、スキャナで取り込みました。しかし、プリインストールされているソフトでの画像リサイズ方法がどうしてもわからず、苦闘のすえ断念。実際作業している方にきけば方法はわかるはずなので、そこは後日聞いてもらうことにしました。

HDのなかを探してもらうと、長辺200ピクセルにリサイズ済みの『陣中日誌に書かれた慰安所と毒ガス』表紙画像がありました。それを使って画像登録の方法を実習。
これで、登録まわりは一通り終了。

同行していた事務局の寺門さんから「梨の木舎から読者への受注確認メールのフォーマットを整えてほしい」との要望がありました。羽田さんは読者からの注文にひとつひとつ、イチから文案を起こして丁寧な返事をされています。それはいいコミュニケーションなのですが、受注ID・出荷日・使用運送会社など必要な項目が抜けてしまいがちなこともたしか。メールソフトの設定で基本事項が自動的にはいるよう、対策することにしました。

羽田さんの使用しているソフトは「Becky!」。
「版元ドットコム入門」で凱風社の新田さんに「Becky!」使いこなし術を実演してもらったことがあるので、おぼろげながら使い方がわかります。
そこで、版元ドットコムからの受注の返信メール用に、必要事項を書いたひながたを用意。また、受信時に「版元ドットコムメーリングリスト」のメールは専用のメールボックスに振り分け、受注のメールは受信箱のなかで色分け表示されるように設定しました。


事務所内の様子
事務所内の様子。随所にアジアの織物や藤カゴがあり、安らぎます。

編集から営業まで独力でやる「ひとり出版社」が成立しているさまを見ると、自分の営業専従としてのアイデンティティが揺らぐのも感じるのですが、ひとりの人間の意志が出版活動として継続することで社会にインパクトをあたえることができる、ということには大きな希望があります。
さいきん、出版社を立ち上げたばかりのかたに何人かお会いする機会があったのですが、みなさん羽田さんのように息長く続けていけるといいなあ、と願っています。
いっぽうで、出版業界を取り巻く変動は、伝統的な零細出版社を置き去りにして進みつつあり、まともに本を流通させつづけるためには出版社側も日々、研究が必要な状態です。そうした出版社の書誌情報・流通・営業にかんするアンテナのひとつとして、版元ドットコムの活動と会員のつながりは、重要な役割を持っているのだとおもいました。


版元紹介●梨の木舎

1982年創業。
羽田ゆみ子さんが創業以来、本をつくって売るまで自分で取りしきっている「ひとり出版社」の代表例のような会社。
出版分野は戦争責任・アジア関連書を基軸にしつつ、DVや農、モーパッサンの短編集まで地道な活動を積み上げています。
ヘナや有機コーヒーの販売も手がけている。

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