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2002-12-13●第二回本屋街オフ会[絵本編]
「絵本とワタシ」


[2003-12-30公開]

《序》テーマは「絵本」。クリスマス気分に浮かれながら、絵本の思い出、昨今絵本事情から絵本で使われている書体の話まで、まったりとした時間を過ごしたのでした。でクリスマス→プレゼント交換というわけで今回のおまけ企画は「絵本でプレゼント交換」。かなりバラエティ豊かな絵本がそろいました。ひとくち感想文と選者のコメントをどうぞ。

当日の写真はこちら→第一部@カフェポット第二部Cafe Na

 

 ▼岡澤慶秀(30代・男)のもらった絵本と贈った絵本

「フシギナコドモタチ」もたいたけし文庫10
編●山口卓三
出版社●トムズボックス
本体価格● 1200円+税
発行日●2000年

 

 

3つの作品が収録されていました。一番気に入ったのはテキストなしの『お日さまの歌』。何回見てもストーリーはわかりませんが,子供が羽つきのランドセルみたいな飛行マシンをしょってライオンと戦ったりしてます。もしかするとライオンとは遊んでいるだけかもしれません。
ほかの作品では,凧作りの名人凧人(たこんど)くんが世界中の子供と出会ったり,モンペと下駄ばきのトラキチくんとマリ子さんが掛け軸の中の『フシギナコドモノクニ』を旅したりしています。作者の世界中の子供への愛情と希望が伝わってくるおはなしでした。たのしい絵本をありがとうございます。


岡澤さんが贈ったのは…ラチとらいおん
オフ会の直前,青山ブックセンター新宿店(ルミネ1の方)で買いました。たくさんの絵本の中からこの一冊を選んだのは,かわいいだけではない洗練された絵と,ともだちさえも怖くて逃げちゃう弱虫な主人公ラチがいじらしかったから。絵本ですからラチは当然成長してしまいます。弱虫なラチがよかったのに。


 ▼柴原 三貴子(30代・女)のもらった絵本と贈った絵本

「ラチとらいおん」
著●マレーク・ベロニカ/訳●とくながやすもと
出版社● 福音館書店
本体価格●1000円+税
発行日●1965年7月
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とてもシンプルな絵。空白の中に色々と想像が膨らむように出来ているなと思いました。外国の絵本はいいですね。行った事のない、ハンガリーという国の生活の色が感じられました。


芝原さんが贈ったのは…きつねの窓
実は小さい頃、このお話しを絵本では読んでいません。子供の頃、日本昔話しで見た物語と映像が今でもはっきりと焼きついていて、数年前友人から、安房直子さんの作品だと教えてもらいました。今思うと、この物語を見てから、自分の身の周りの世界以外に生きる人たちのことを想像しはじめたような気がします。


 ▼須田正晴(30代・男)のもらった絵本と贈った絵本

「うみのカラオケ」
作●スズキコージ 
出版社●クレヨンハウス
本体価格●1165円+税
発行日●1996年6月
---→amazonで買う

この本で描かれている海は何が出てきてもおかしくない怪しさがありますね。で、その怪しさを登場するみんながえらくおもしろがっている。夏の夜のお祭りな雰囲気がたのしめました。
子どものころ、「海の楽隊」っていう童話もけっこう好きだったんですが、あれはメロウな話で、投げ出されたら死んじゃいそうな冬の海な感じでした。


須田さんが贈ったのは…もこ もこもこ
誰に渡るかわからないプレゼントなので、けっこう迷いました。
ことばの感触と絵で、理屈抜きにたのしめるもので、絵もワケがわからないけど美しい。とても絵本っぽい絵本だとおもって選びました。


 ▼中山亜弓(30代・女)のもらった絵本と贈った絵本

「もこもこもこ」
作●谷川俊太郎・ 絵●元永定正
出版社●福音館書店
本体価格● 1243円+税
発行日:1995年2月
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 ちょっと前に福音館書店に行ったとき、読者向けの新聞みたいなPR誌があって、そこに、この「もこもこもこ」が大きく取りあげられてました。擬音に合わせて、絵が変化してゆくだけのシンプルな絵本ゆえに、長い間、多くの人たちに読まれてきたこと。絵本というより、言葉と絵のセッションというかんじ、実際、元永さんは、その後、山下洋輔さんの童話に絵をつけたりもしていて、アヴァンギャルドだな、面白そうだな、と感じてました。
 子供時代に絵本をいっぱい読んだ、という人を見ると、何かゆとりのある、いい家の子のように思えてしまいます。事実、私の家では絵本の読み聞かせなど行われたことがなく、絵本自体数冊しかありませんでした。余裕がない家と言えばそれまで、実用優先で、少し大きくなってからは子供用の名作全集を与えられはしましたが、多分それは文字がいっぱいなのと手っ取り早い教養という意味で母も納得するものだったせいだと思います。それだけに、起承転結とかメッセージなんかがない絵本というのは私にとって贅沢品であり心の余裕の象徴のようなもので、中でもこういう本はその最たるものです。貧乏性でなかなか自分から手にすることができない贅沢な本をいただくことができて心に潤いを与えられた気分です。


中山さんが贈ったのは…フシギナコドモタチ
茂田井武は戦前戦後にかけて活躍した絵本作家です。その絵のついては、説明ぬきで「かわいい」としかいいようがない。それでもあえて何か言おうとすれば、昭和40年代くらいまで子供用の布団などにプリントされていた動物の絵柄みたいな、アニメタッチでなく素朴にかわいい絵の極めつけ、とでも言えましょうか…。茂田井武は40代のおじさんが見てもやっぱり「かわいい」って言っていたので、みんなの心の奥にある「かわいい」の琴線にふれるのでしょう。
 それから、茂田井武は、自分がお話を作って絵を描くこともあれば、カット仕事のようなこともしてたし、甥っ子や姪っ子にせがまれると気軽に絵を描いたと言います。
挨拶や会話のかわりみたいにコミュニケーションツールとして絵があったのかもしれませんが、それくらい素朴で身近なかんじだすごく好きです。
 トムズボックスからは単行本としてまとまらなかった茂田井作品をシリーズで復刻していてどれもすばらしいのですが、今回は大人向けのプレゼントということでちょっとお話も入ったこの「フシギナコドモタチ」を選びました。


 ▼深澤孝之(20代・男)のもらった絵本と贈った絵本

「きつねの窓」
文●安房直子・絵●織茂恭子
出版社●ポプラ社
本体価格●1000円+税
発行日●1977年1月
---→amazonで買う

ちょっと悲しいお話です。小学校高学年向きとあるので、字もけっこう多い。当時のぼくは、こんな長い文章はまだ読めなかったことでしょう。きつねが人間に化ける話はよくあることなので驚きはしないのですが、男がきつねに指をそめてもらって、せっかく過去の映像が見れるようになったのに、家に着いてすぐ手を洗ってしまったのは本当に間抜けです。つぎの日、またきつねに会おうと思って山に入っても、もう会えないのでした。……目的をもったお散歩なんてやっぱり奇跡には出会えません。絵コンテを使ったやさしいタッチの絵も魅力。特にブルーが素敵です。


深澤さんが贈ったのは…うみのカラオケ
スズキコージさんは、中野のあるカフェに行くと、いつも居ます。こっちはたまにしか行かないのに、行くと必ずといっていいほど居るので、いつもオドロかされます。
そんなわけで、絵本も読んでみるようになったのですが、これが楽しい。ていうか面白すぎます! プリミティブなパワーとデタラメな世界が脳天を直撃します。「うみのカラオケ」はその中でも傑作のひとつ。マイクを懸命ににぎる動物や魚たちの格好がすごく可笑しいです。ちなみに、姉妹編の「やまのディスコ」にも使われていた本文の書体は、スズキコージのオリジナルではなく、写植にある書体だと今回、字游工房の岡澤さんに教えてもらいました。ありがとう。


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