震災と本人確認
2011-4-27 水曜日
お初にお目にかかります。近代セールス社と申します。さかのぼること20数年前では、近代と付く書籍類は、「近代麻雀」か「近代食堂」くらいしか目にしませんでした。そんな近代セールス社ですが、今年で55周年を迎えることになります。
弊社は、主に銀行や信用金庫などの金融機関向けの書籍や雑誌などを制作している出版社です。また通信講座も開講するなど、金融機関への教育を主眼に置いた活動を展開しています。近年はその範疇に収まらない書籍の制作を行い、「近代E&Sブック(Economy&Society)」として発刊しています。
ご多分にもれず弊社も電子書籍化の動きが出てきて、今後の方向性などを現在検討しているところです。
今回の「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」については、言葉に言い表せないほどの大惨事となってしまいました。死者・行方不明者は3万人にも及びそうです。私も雑誌の編集を担当しているときに仙台の金融機関を取材したこともあり、胸を痛めている一人です。
この震災で金融機関も大きな被害を受け店舗ごと流されたという話も聞きました。被災者は何も持たずに命からがら逃げたという人も多く、金融機関でのお金の出し入れに非常に困ってしまう事態も発生しているようです。たとえ通帳やキャッシュカード失くしたとしても運転免許証などの身分証明書があれば何とか対応できるのですが、それさえもなくなっている人も少なくないようです。本人確認書類には運転免許証だけではなくパスポートなどいくつかありますが、当然持っていないことでしょう。
つまり本人確認ができないのです。このままでは日々の生活資金も事欠くことになりかねません。
そこで特例措置として、身分証明書がなくても本人の申告により本人確認ができるようになりました。多少これで被災者も安心できるはずです。もちろん本人に成りすましている可能性も否定できませんので、その後正規の方法で本人確認ができるようになった場合にはその方法で本人確認をしなければなりません。
この本人確認は近年特に重要視されています。ご存知のように振り込め詐欺に代表されるように犯罪に金融機関が利用されるケースが増えて、マネーローンダリングを防止するために「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」が施行され、これに基づいて金融機関では本人確認を厳格に実施しています。
何もこの本人確認は国内に限ったものではなく、海外との取引においても実施されています。外国為替関係では、特に経済制裁を実施している国などとの取引において厳しく取り締まっています。
そうしたことから弊社では「マンガと解説で学べる 外為マネロン実務&知識」を発刊しました。外為関係の手続き等が分かりにくいこともあり、窓口担当者は迷うケースもあったようです。本書には具体的な実務がマンガにより詳細に描かれていますので非常に参考になります。
本人確認は犯罪との絡みもあり、今後さらに強化されていくものと考えられます。一方で非常時での取り扱いも考えなければならないという難しい問題を持っているものです。
金融機関の役割はさらに大きくなるのではないでしょうか。
災害時において、出版社は直接的な支援はなかなか難しいものです。しかし復興には金融機関の力がこれまで以上に必要となりますので、私たちも金融機関に役立ち、ひいてはそれが被災者・被災地の復興に役に立つような書籍を作っていくことで貢献していきたいと思います。
近代セールス社の本一覧