児童図書のあすなろ書房です。
2009-3-25 水曜日
昨年末に入会させていただきました「あすなろ書房」と申します。小社は、児童図書(絵本と童話)を刊行している版元で、児童図書界の中では、かなり小さい版元です。
版元ドットコムの会員社は、児童図書専門の版元が少ないようですので、今回は、少し児童図書の話をさせていただきます。
全国的に少子化が進んでいることを背景にゲームやネットの普及による読書ばなれなどで、児童図書を普及させる土壌は、狭くなる一方です。それでも書店店頭で、どう売っていけばよいのか、各児童図書版元は、日々、暗中模索しながら、営業活動を元気に行っています。
販売形態で、一般書と違うところは、学校への販売と各地域の推薦図書企画があるというところです。どちらも大変な販売経費が、かかりますので効率を最優先する版元は、それらの販売手段に積極的ではありません。児童書も他のジャンルと変わらず、またはそれ以上に厳しい状態と言えるでしょう。
子どもに読書の楽しさや、おもしろさを伝えないと大人になっても読書好きにならず、それが、業界全体の売上不振の原因のひとつになっているのだと思います。子どもに本の楽しさを伝える第一歩は、読み聞かせです。母親が乳幼児に絵本を読んで聞かせる(もちろん父親も)と自然に本を読む楽しさ、心地よさが伝わります。充分に読み聞かせをしてもらった子どもは、自然に自分から本を読むようになります。中学生ほどになると(特に男の子は)一旦、本から離れますが、大人になると自然に本へ戻ります。
やはり、本に戻るのは、読み聞かせしてもらった体験があるからだと思います。ですから、版元の家族と仲間うちだけでも、乳幼児の子には充分読み聞かせをしてほしいとお願いしたいのです。
小社の書籍で、現在よく売れている絵本を一冊ご紹介します。「おじいちゃんがおばけになったわけ」キム・フォップス・オカーソン文 エヴァ・エリクソン絵
この絵本は、テーマが「死」という重たいものなのに明るくユーモアがあり、あったかな読後感が残るという不思議な、また見事な作品です。書店で見つけたら、ちょっと読んでみてください。愛読者の声のひとつです。「この本を持って帰ってくると、息子は時には笑ったりもしながら、何度も読んでいる様子でした。一度読んでみようかと気軽な気持ちで読み始めた私は、涙がとまりませんでした。」(主婦32歳)この絵本が、売れているうちは、「日本もまだ大丈夫、まだ間に合う」と思うこのごろです。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。