Deepな世界
2008-3-26 水曜日
取次から送られてくる短冊を机の上に並べ、そのタイトルを目で辿り、本の間に短冊を滑り込ませながら、出版というのは、ディープ世界への道案内だなあ、とふと思う。
数学の書も、物理の書も、心理学や社会学、そしてルポや武道の書物たちは、いずれも劣らぬディープな道の達人たちの手になるもの。
アカデミックなディープ世界は学問と呼ばれ、その道の達人たちは学者と呼ばれる。そして、今や世界の最先端をいく日本のサブカルチャーの旗手たちは、オタクと呼ばれたりする。学者もオタクも研究分野と方法の違いはあるもののディープな世界の住人たちには違いない。編集者はそのディープさに魅せられた人たちかも・・・なんていつものように午後の妄想に浸る。
数学、物理、心理学、社会学と正統派?のディープ世界から、弊社は、少しずつ最近、新たな世界にチャレンジし始めた。『武道の達人』『合気開眼』そして、今年になってからの『ウォームービー・ガイド』。
かつて「戦争を知らない子供たち」という歌があった。今や、大部分の人たちが、戦争を知らない世代に属している。未だに世界のあちこちで戦火が消えることはないが、私たちにとって「戦争」は、映画やメディアのなかのものでしかない。
「ウォームービー(戦争映画)をもとに戦争を知らない人たちが戦場疑似体験をし、戦争と平和についてもっと考えてほしい。」
というのが、著者田中昭成氏の願いである。
映画の中でもディープな部類だろう戦争映画。軍事知識に基づいた解説を読むと一味違う見方が生まれるはず。
時には、今まで訪れることのなかったディープな世界を探索してみるのはいかがでしょうか。
「ウォームービー・ガイド」の著者です。
担当の松宮さんに、拙著を的確に紹介して頂き、感謝します。
先日、高名な映画評論家の方に、自ら拙著を紹介する機会に恵まれました。
ところが、「戦争映画を教材にして平和を考える本です」と申し上げてみたものの、なかなか理解してもらえず、予想外の苦戦を強いられました。
やはり、書名の「ウォームービー・ガイド」が、本書を軍事マニア向けの本のように見せるのかもしれません。しかし、本書を読み終えた方には、この書名に皮肉が込められていることを感じ取って頂けるはずだと、私は考えています。
戦争はもとより災厄でしかありません。それを描いた映画を解説した本は、自ずから「災厄について書いた本」にしかならないのです。そうしたことを一切説明せずに、私は本書をあえて「ガイド」と称しました。この本が「好戦派」と「嫌戦派」のどちらの側の立場で書かれたのかと、読者が興味を持ってくれることを期待してです。もちろん、この本は「嫌戦派」の立場で書かれています。それを知った時、読者はタイトルと内容が醸す意図に、思わず「にやり」としてくれるだろうと、私は期待しているのです。
また、本書は軍事知識のほか、字幕や吹き替えの問題も取り上げています。こうした部分は、一般の映画ファンや英語に関心を持っている方々も、楽しく読めるはずです。
楽しみながら知識を得ることが、本書のコンセプトです。多くの読者に読んで頂ければ、著者にとって、これ以上の幸せはありません。
コメント by 田中昭成 — 2008/03/30 日曜日 @ 08:01:09
現在発売中の「プレジデント」誌4.17号の連載「本の時間」(227頁)で、「ウォームービー・ガイド」が絶賛されました!
評者は、文芸評論家の斎藤美奈子氏です。1頁を割いての紹介は、著者として身に余る光栄であり、著作の意図を理解してくれた人がいたことを知るのは望外の喜びです。
書店の皆様には、ぜひとも、この書評をご参考に販売促進をお願い申し上げます。
コメント by 田中昭成 — 2008/04/01 火曜日 @ 06:25:58