小出版社が大物作家に接触する一手法
2008-2-6 水曜日
昨夏に入会させて頂いた京都の宮帯出版社です。
歴史・美術書を中心に出版活動しています。先日、『茶湯手帳』 (弊社編集部編)という手帳を刊行し、お茶人や特に茶道具業者に大変好評でした。江戸時代の版本や入手不可能な専門書、また実際の古美術品より収録編纂した資料編は前代未聞で、作業は難航しましたが、購入者には大変喜んで頂き、これこそ版元冥利に尽きるという思いでした。また昨年の初夏に刊行した『赤備え─武田と井伊と真田と─』(井伊達夫著)や『甦る武田軍団─ その武具と軍装』(三浦一郎著)も研究家やマニアに絶賛され、とても良い思い出となりました。
弊社は、妥協することなく小部数でも、後世に残る良書を一つ一つ世に出すべく日々努力しております。
さて先日、人気歴史作家津本陽氏と『赤備え』の著者井伊氏の対談を収録する機会に恵まれました。これは対談集として本にまとめるべく現在編集中ですが、弊社のような小出版社にとって大変光栄なことでした。小さな出版社では、刷部数や宣伝・営業などの面で大手に太刀打ちできないので、著名な作家からは相手にされないことが多いのですが、このようなケースで出版にこぎつけることもあるのだと知り、良い経験になりました。そこで、この知人の知人をたどる方法で著名人に交渉してみました。しかし意外とうまくいかず、特にその知人と親密でないと断られるし、また、派閥が大きな障害となりました。
人気作家も人間で、もちろん感情がありますから、他の派閥に属する人や気に入らない人の書籍を出している出版社からは出したがらないのです。また、それだと営業する上でも支障をきたすので、当たり前のことですが、業界の勢力地図を読むのは非常に重要なことだと思い知らされました。
まだまだ新人の出版社ですが、よろしくお願いします。

