酷暑を乗り切ろう!

2004-8-4 水曜日

海鳴社 辻 信行 :http://www.kaimeisha.com/

 私の友人は、朝4時ごろ起きて、近くの公園で「腕立て伏せ」を300回×2やり、「腹筋」も同様にやり、その後海辺へ行きトランペットを吹き、ローーラーブレードで汗を流してから出勤します。小型船舶1級の免許(20トンまで操船可)をとり、魚釣りにダイビングにと休日も忙しいが、仕事もバリバリやり、出世頭です。
 私もそんな彼の影響や某氏の薦めもあり、さらにお腹が出てきたのも気になり、4年半ほど前から朝、東京ドームのフィットネスクラブに通っています。マシンを相手に、自転車とランニングで40分遊び、その消費カロリーは約300キロカロリー。
さらに4,5種類の運動を40分ほどしてからシャワーを浴び、ひげをそって出社します。小型船舶1級の免許もとり、船を買うために宝くじも買ったのですが……。
 そんな私の影響を受けて、私の友人数名が運動をしだしました……というふうに、けっこう中高年はがんばっています。
 運動・睡眠・栄養のうち出版社員が不足気味なのは運動ではないでしょうか(返品整理ぐらいの運動ではだめですよ)。小さな出版社にとって、体力保持が、おそらく最後の砦でしょう。みなさん、適度の運動をして、酷暑を、さらには人生を乗り切りましょう!
 ちなみに、小生の体格は4年半前と比べて、少し筋肉質になりましたが、胴回りはあまり変りません。ビールをやめればいいのでしょうが……そんな人生つまらないし……。
PS:早朝の運動は、人によっては危険だそうですので、ご注意ください。


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更新禁止サイト

2004-7-28 水曜日

オフィスエム 丸山慎二 :http://o-emu.net/

 私、いままで知りませんでした。更新してはいけないホームページがあることを・・・。
 版元ドットコムの取り組みもそうですが、いまやインターネットにホームページを掲載することは、欠かせない情報発信手段のひとつです。発信だけでなく、連動する掲示板やMLなどで、外から情報や人が集まる場所でもあります。
 小社のサイトも、いろいろな場面でURLを告知しながら、新刊のような「何か動き出すこと」を、あまりお金をかけずに「早く」知らせ、状況をできるだけ「リアルタイムで」伝える場として、理想と現実のギャップはともかく、使っているわけです。

 しかし、こと「選挙」の場合、そんなウェブサイトならではの特性を活かすことができない、というのです。
 「更新してはいけません」と言っているのは「選管」、選挙管理委員会です。選挙期間中、候補者のウェブサイトは、公職選挙法の規制をうける文書類とみなされ、公示日から「更新は一切ダメ」という決まりになっているのだそうです。
 当たり前じゃないか、とおっしゃる方、私が常識知らずでスミマセン。実は7月の参院選後すぐ、自分の住むまちで議会議員の選挙があり、恥ずかしながらはじめて知りました。あらためて、全国で知名度の高い個人のサイトを見ると、日記などは選挙期間中は中断していたり、更新を停止する旨の記述がされているんですね。

 それにしても皆さん、おかしいと思いませんか。
 選挙に出る人は、本来、伝えたいことを山ほど持っているはず(自分の利害に関係なければ何もなし、って人も多いようですが・・・。短い選挙期間中、立ち上げや情報更新の素早さを考えれば、当然、ホームページは有効な手段と考えます。ちなみに近隣市町村で議員のサイトがあるか調べてみましたが、ほんのわずか、という感じ。
「理念も公約も何も無し」というガッカリな人はこの際論外としても、肝心の選挙期間中に使えないのでは、力も入りませんよね。
 投票する側だって知りたいんだぞ、と思う。とくに自治体の議員選挙の場合、大勢いて違いがよくわからない。国政選挙のように連日テレビや新聞で報道されるわけでもない。もっとも身近なのに、いちばん情報がない。だから選択基準が地縁・血縁で決まってしまうんだ(ちょっと乱暴ですが)。

 ネットは、利用のしかたによって良し悪しがあるけれど、社会にムーブメントを起こしたりインパクトを与える場として、あるいはそのきっかけとして、いまでは数少ない「希望」のひとつ、ではないかと思う。それなのに、伝えたい候補者側にも、関心のある有権者にとっても、選挙期間というもっともホットな時にネットは有効に機能していない、というのが現実のようです。何でもかんでもダメというのも、それこ
そ乱暴すぎないか。これでは、ますます選挙は盛り下がり、政治はますます一部の人たちのものになってしまう。・・・むしろ、そうするための法律なんでしょうか?


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下敷きになる「商品」

2004-7-21 水曜日

大村書店 萩原 祐介 :http://www.comk3.co.jp/ohmura/

書店を訪れるとよく目にするのが、平台に並べられた本の上に荷物をドサッと置いて、立ち読みに耽っているお客さん。鞄ならまだ良い方で、雨に濡れた傘や生鮮食品が入った大きな袋を堂々と置いていることもある。そのせいで荷物の下敷きになっている本が取りづらくなったり、売り物にならなくなったりして、出版社や書店、ならびに他の善良なお客さんにとっては、大変迷惑な事態となっている。

書店員も通常の業務に忙殺されていたり、相手がお客さんということもあって一々注意しづらく、注意したらしたで、暴力を振るわれたり、「金さえ払えばいいだろ!」と居直られるケースも少なくない。

しかし、云うまでもなく、陳列されている本は購入の意思があろうとなかろうと、レジを通すまでは店の「商品」である。したがって「商品」に対しては大事に取り扱うべきであるし、ましてや自分の占有物ではないのだから、他のお客さんに対する配慮も欠かせないだろう。

そういう傍若無人なお客さんが増えれば増えるほど、書店もその対策に乗り出すことになってくる。万引きに関する張り紙はよく見かけるが、「本の上に荷物を置くのはやめましょう」とか「マナーを守りましょう」などと書かれた張り紙が至るところに張られるようになり、書店員が口うるさく注意し、監視カメラで厳しくチェックされるようになったら、書店は極めて居心地の悪い空間になるだろう。

「気持ちよく買い物をしたい」と来店した誰もが思っているはず。書店を「快適な空間」にするのは、書店や出版社の努力のみならず、客側の協力が必要不可欠だ。


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わが社の返品事情

2004-7-14 水曜日

亜璃西社 井上哲 :http://www.alicesha.co.jp/

時々、中古本屋で本の小口(本を開く側の断ち口の部分)を紙やすりでこすっている店員の姿を見かける。また、ブックオフではいつも、独自に開発したというごっつい機械で、数冊の本の小口をいっぺんに削っている。かくいう小社も、返品を再出荷する際にはカバーや帯をかけかえ、汚れた小口を紙やすりでこすっているので、ブックオフの機械には常に羨望のまなざしを送っている。

でもこの作業、東京などにある版元さんは専門の業者に出しているそうで、実にうらやましい。そんな業者のいない北海道で活動する小社では、年中、自分たちの手で本の化粧直しをやっている。カバーや帯のかけかえはそうでもないのだが、紙やすりを使って小口の汚れを取るのがなにしろ面倒だ。

どこでついたのかわからないが、返品で戻ってきた本の小口には結構汚れがついている。これが、なかなかきれいにとれない。汚れた部分だけ紙やすりでこすると、汚れは落ちてもそこだけ紙が荒れてしまうため、その小口の全面をこすってなめらかに仕上げるようにしている。この技は、学生時代に木材工芸を少々たしなんだ経験から、木材の表面を紙やすりで仕上げる技術を応用したもの。自分も書店で本を買う時は、その本のコンディションをチェックしてから購入する方なので、仕上げのきれいさについこだわってしまう。

そんな面倒な作業とはいえ、自分で編集を担当した本が再び市場に出ていくのはうれしいことだ。この作業を繰り返すうちに本が売り切れ、ついには増刷になったり、新版になったりするのだから、決してバカにはできない。とはいえ、仕事が立て込んでくるとこの作業時間が重くのしかかってくるのも事実。返品の少ない新刊を出すことは、いろいろな意味でわが社にとっての大きな課題なのである。


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電車って、いったい……

2004-7-7 水曜日

青弓社 岡部友春 :http://www.seikyusha.co.jp/

電車を使うようになったのは、大学を卒業してから、いや、都心でアルバイトを始めた大学4年の秋からか。電車に乗るようになって、かれこれ10年。人混みが大嫌いで(いまでもだが) 、どこへ行くにも原チャリか車に乗っていた。酒気帯び運転で捕まったこともあった。路肩に原チャリを止めて、路上で寝ていたこともあった。
いま、通勤や営業で使っている電車内が様変わりしているのは、みなさんよくご存じのとおり。新聞を広げて読む姿も減ったし、いい年したサラリーマンが一心不乱にマンガ雑誌を見ている姿も減った(かな?)。イヤホンから漏れてくるシャカシャカ音も減ったようだし(そんな音量で聴いていて、よく耳がおかしくならないなあ、と常々思ってはいたが)。痴漢は減っていないようだけど。
いちばんの変化は当然、携帯電話。メールなのかゲームなのかわからないが、それこそ一心不乱。歩きながらでもそう。よくほかの人とぶつからないね。わたしは意図的によけません。ぶつかった相手をどなります。出張で関西に行ったときは、歩きながらメール(?)をしている人は少なかったけど、土地柄なのかなあ。地方出身者ばかりで、友達が少ないから? 歩きながら携帯電話をいじっている人って、友達が少なそうって顔している人が多い(気がする)。歩きながら携帯電話を握りしめている人たちも同じ。「あんたら、そんなに友達いないんだから、握りしめていても連絡はないよ」って、伝えてあげたい。
電車内に話を戻して。携帯電話が一般に普及しはじめたころは、着信音や会話にたいして「うるさい!」って叫んでいた人たちが、いまじゃあ、「優先席」に座りながら、着信音を鳴らしてでかい声でしゃべっている。「あんたら、携帯電話を持っていなかったときの言動おぼえてる?!」と怒鳴りたくなる(ときどき、怒鳴っているが)。注意しても、電話の相手に「怒られちゃったよ〜」って笑いながら話していた。まだ話す気か! 少しは反省しろ、いや猛省しろ!!
とはいえ、最近はわたしも大人になったのか、携帯電話の会話に関してはなにも文句は言わなくなった。学生の会話のほうがうるさいから。でも、いまだに許せないのが着信音。「音が鳴らなかったら、気づかないでしょ」って、おいおい、あんたはそんなに重要人物? そんなに忙しいのか? そんなに緊急の用事が多いのか? だったら、車で移動しろや! いままで携帯電話のない生活をしてきたんだから、移動中に電話に出る必要もないでしょ。どうせつまらない用事ばかりなんだから。あんたの家じゃないんだしさあ。「まわりだって音を鳴らして……」って、あんたは反省する気がないのか?! まわりがやっているなら自分もやっていいのか?! まわりに流されず、もっと自分の意見や意志をもってよ!
最後に、「優先席」について。「優先席」じゃなくて、「専用席」に名前を変えればいいのに、っていつも思う。あくまで「優先」なわけだから、若造が居眠りするし、疲れたサラリーマンがふんぞり返っているんでしょう。眠っていたら、席を必要としている人に気づかないでしょう。だったら、「専用席」にして、たとえ空席でも座らせないようにすればいいんじゃないかなあ。ついでに、扉のすぐ脇の席をすべて「専用席」にする。「優先席」を必要としている人は歩いたり立っているのがつらいんだから、電車の奥まで歩かせるのは酷でしょう? JRに提案してみよう。
あっ、最後じゃなかった。あとひとつだけ。JR東日本、「列車の通過待ち合わせ」って言葉は存在しないぞ! 通過する電車とどうやって待ち合わせをするんだ?! 「列車の通過待ち」でしょう、正しくは。めったに使わない敬語を使おうとするから、そういう言葉が出てくるんですよ。敬語の勉強をしてください。
最近、オヤジ化が顕著に進んでいる一営業マンの戯言でした。


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本の売上を知りたい、確認したい、増やしたい
———PUBLINEで出来ること、出来そうなこと

2004-6-30 水曜日

第三書館 北川明 :http://www.hanmoto.com/bd/d3skan/1/

 版元の最大の関心事は、言うまでもなく、自社の本の売上である。

 もちろん、他社の本がどれくらい売れているのかも、知りたい。

 人によっては、よその売上のほうが気になってしかたがないという向きも、業界内には少なくない。

「あの本はなかなか動きが好いようだ。来週5刷り出来で、二万部を越えたらしい」
とか、
「今度の企画はどうもコケちゃったみたいだな」
なんて情報が交錯することになる。

 しかし、そうした情報は、最近まで、往々にして実売数字に裏打ちされた売上データに依拠したものではなかった。

 当の版元自身でさえも、出荷部数は判っても実売部数をリアルタイムで把握する術(すべ)がなかったのだから、当然のことである。

 ところが、PUBLINE(パブライン)なる書店情報システムが実用化されて、

  • どの版元のどの本が、昨日(あるいは先週、先月etc)、どの書店で何冊売れたか、即時にデータ化されて入手できる。
  • 購入者の性別・年齢層も判るし、売上推移のグラフも日ごと、週ごと、月ごとにバッチリ表示される。
  • 売上とは逆に、売れない度も一目瞭然。同じ五部売上でも、十部仕入れた結果なのか二十部仕入れた結果なのか等も判る。書店店頭在庫の有無・部数も確認可。

ということになり、版元のパソコンで(会費を払って)自由にデータが取り出されるようになったのだ。

 版元の最大関心事の欲求も、とうとう満たされるときがきた。新刊委託した翌日から、毎日リアルタイムで書店ごとの実売部数が居ながらにして把握できるようになったなんて、以前は全く考えられなかったではないか。

 ただし残念ながら、このシステムは全国の紀伊国屋チェーン書店だけの売上情報だ。それでも全体情況を知るには大いに役立つ。人文書・文芸書だとこのパブラインの売上数字の約十倍、ヤングアダルト書で十五〜二十倍がトータル売上と見るのが一般的なようだ。

 このパブラインは自社の既刊書籍・雑誌の売上チェックに有効で、重版時期の決定などにたいへん役立つのは当然だが、私はむしろこれから出る未刊の本を売るためにこそ活用すべきだと考えている。すでに出てしまった本の売上は、早めにデータを教えてもらっても教えてもらわなくっても、いずれ判ること。これから出る本の売上向上にこそこのシステムを使わなくっちゃ。

 たとえば、現在企画中の本の類書を何点か選んでその売上を軒並みチェックして、定価と内容と売上の関係を知ることができる等々。パブラインでは3年前に出た本でもこれまでの売上・返品推移からトータル売上部数まで次々に出てくるから、よその版元の内情まで、かなりくわしく読めてしまうのがオソロシイ。

 新聞広告で派手に「何十万部突破」と騒いでいる本も、パブラインで実売部数を確かめることで、虚像と実像のギャップを知ることが可能だ。版元としてのカンを養うトレーニングにも役立つ。大きな広告を打っている版元の本について、その広告の前後の売上推移をチェックすれば、たちどころに広告効果情報を頂けることになる。

 ちなみに、6月27日付大手紙朝刊に全五段で書籍一点だけの広告を出したある本(定価1300円+税)は「世界中のすべての問いを解決できる答えはある」と呼びこむ本だが、パブラインによれば6月1日の発売以来26日までの全国オール紀伊国屋での総売上が204冊。直前の売上は24日2冊、25日3冊、 26日が6冊だ。それが広告掲載の27日に5冊、28日に3冊と、残念ながら変化していないのを外野席にいて知ることができる。

 また某社のある書籍(定価1200円+税)は3月に新刊で出て、5月だけで全紀伊国屋の売上631冊だ。なかなか好調な売行きと言える。が、これまではそれで感心して終わっていたけれども、パブラインでもうひとつ踏みこんで分析してみると、何と631冊のうち256冊が5月3日〜9日の間に新宿本店だけで売れている。その間新宿本店以外の全国の紀伊国屋で売れたのはたった3冊だけ。その新宿本店でも5月1日、5月2日、5月10日は売上ゼロである。さらに梅田本店では5月25日に1日だけで200冊!の売上、26日、27日、28日はゼロ。同様に横浜店では5月10日〜14日に集中して108冊、札幌店では5月20日だけで50冊。ここに挙げた“まとめ売れ”が5月の売上631冊中実に614冊を占めている。この本の売上情報の「コロモてんこもりのエビフライ」状況がくっきりと見えてくる。

 ———というわけで、パブラインのスグレモノぶりの一端が垣間見れるのだけれど、このシステムの使いこなし術は今後の課題として版元に投げかけられている。版元ドットコムでは7月16日(金)に青弓社でパブラインの勉強会を開く。関心のある版元はぜひ参加してほしい。小社はパブラインを使いこなして、1年計画で「パブライン売上50%アップ」プランを実行してみるつもり。成果のほどは1 年後にここで発表させて頂きます。


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ちゃんと届けたい人に届いていますか?

2004-6-23 水曜日

清水有人 :http://

今月から、出版社のwebを作る会社でお手伝いをすることになりました。まだ仕事を始めたばっかりで、自分の名刺に書かれている「ディレクター」という肩書きが何をするものなのかも良くわかってはいないんですが、今回は自分の勉強も含めてそのあたりのことを書いてみたいと思っています。

前の職場を辞めた後、親元でプラプラとプータロー生活を送ってた際に、暇に任せて自分のサイトにウェブログを導入してみました。勉強もかねていろいろ試しながらサイトを作るのは結構楽しかったのですが、後になってサイトのアクセスログを見て、ちょっと困ったことが起きてることに気付きました。

それは「自分の垂れ流しているロクでもない記述に大量の他人を呼び込んでしまっている。」ということです。

ウェブログは掲示板的に記事の書き込みを行うだけで、カテゴリ分けから時系列的な管理までサイトの管理に必要な雑務を勝手にやってくれる便利なツールで、いろんな人がWeb日記などに利用しているのですが、それと同時にそのツール自体はSEO<Search Engine Optimization=検索エンジン最適化>効果が非常に高いという特性を持っています。

で、どういうことが起きてしまうかというと、たとえば私が「今日、どこそこの書店で○×という本を買いました。」とウェブログに書くと、○×という本の情報を欲しい人が、その書名で検索をしたときに、かなり高い確率でそのページが検索結果の上位にリストアップされてしまうのです。

当然、私の日記の中のたった一言の言及なんかが必要な情報であるはずはなく、失意のまま去っていく人が沢山いたことが、アクセスログを見るとわかります。
「検索したときにブログのくだらない日記が引っかかって五月蝿い」という意見は、皆さんもご自身の経験で体感されているか、一度は耳にされたことがあるかと思います。

なんでそんな当たり前のことをいまさらグダグダと書いているかというと、いくら邪魔だと叫んでも、ブログ的なツールを使う人は今後もどんどん増えていくはずで、オフィシャルな情報を持っている人は、その上を行く手法で強力に情報発信をしていかないと、その貴重な情報がオフィシャルなのにも関わらず、増え続けるゴミ情報の中に埋もれていってしまう時が間近に来ている(もしかするともう手遅れかも)と感じるからです。

書籍の詳細な情報を読者や書店員に配信しようとサイトをつくってみても、それを必要としている人に見てもらえなければ、そのページを作った労力は無駄になってしまいます。

あなたが作った大切な本、その情報は、ちゃんと届けたい人に届いていますか。


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書誌データ・在庫データの重要性の認識が業界全体に広まってきたって話。

2004-6-16 水曜日

ポット出版 沢辺均 :http://www.pot.co.jp/

この1年、出版業界で、書誌・在庫データ(デジタル)が重要だ、っていう認識が格段に広がった感じが強くします。
5月の版元ドットコム会員集会には多数の参加者が集まったし、懇親会の会場で、取次会社とネット書店から「デジタルデータで送ってほしい」「送ってくれるところを優先しますよ」っていう発言があってますますその「感じ」が強まりました。
先日、「本屋の村」という、書店の販売管理システムを自分たちでつくっている「パソコン好き」の書店グループの人たちが東京に来たんで、一緒に昼飯を食ったんですよ。
パソコンにバーコードリーダーをつなげて、POSレジを実現しちゃってます。
お店のすべての在庫を単品で管理することもできます。売り上げデータをみれば、どの本がその書店で何冊、いつ売れたのかをみることもできます。
ユーザーたちのメーリングリストに入れてもらっていて、やり取りを読んでるんですけど、まあ、初心者的な質問があって、それにスタッフが答えたりしてます。電話で教えあったりもあるみたい。ほんとに大変だけど、パソコン好き書店だけの集団じゃないんですね。
で、その単品管理、ですけど、それを実現するのに一つだけネックがあります。だれもが使える書誌データがないってことです。
本に僕らがつけてるバーコードは、単に数字を示してるにすぎない。その数字(主にISBNコードですけど)をISBNコードを媒介にして書誌データに結びつけて、はじめてタイトル・出版社・著社名が出てくるんですよね。だから、あらかじめそのシステムに書誌データを入れとかなければならない(もちろん、ネットにつなげておいて、ネット上にあるデータベースみたいなところから瞬時に書誌データを引っぱってくることも可能ですが)。
で、その書誌データ、だれもが利用できるものがないんです。みんな有料だってことです。
日販・トーハンといった取次会社の有料サービスに入れば、その日その日の納品データなどもコミでネットワークからダウンロードして、取り込むことはできるんですけどね。他の取次会社から本を仕入れている書店はダメ。費用も覚悟しなきゃ。
昼飯を食いながら「本屋の村」の人たちに言われたのは、出版社が(あるいは業界で)そうした書誌データをだれでも使える形でネット上に公開してほしいってことでした。
もちろん、こうした要望に応えられるようにしよう、というのが版元ドットコムは発足の一つの動機なワケです。
なので「本サイトに掲載されている、書影を除く書誌情報は、販売・紹介目的での利用に限り利用を認めます」という一文を入れているのです。んで、さらに、よりダウンロードしやすいフォーマットでも公開することを約束してきました。

ネット書店が取り扱う本は、版元が在庫の有る無しを、デジタルデータで業界各社に送っているものに(ほぼ)限られています。
ですから、書誌データ・在庫データの整備と公開と送信が、本を売ることにますます大切なことになっています。
で、そうした「大きな(ネット)書店」に限らず、小さな書店にとってもこうしたデータが必要になっています。
一冊でも多くの本を売るためには、こうした小さな書店でも僕らの本を扱ってもらうことが必要です(ってここんところはホントは具体的なフォローが必要なんですけど、今回はそのことは無視して決めつけておきます。やっぱ小さな版元の本はどうしたって大きな書店が中心になってる実態と必然もあるんで)。
できるだけ早い時期に業界全体でデータの整備・公開を実現したいもんです。


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版元ドットコム、第2章へ!

2004-6-9 水曜日

青弓社 大和田直樹 :http://www.seikyusha.co.jp/

版元ドットコムは会員集会を5月28日に開催した。今回の参加者は、会員社24社45人、会友6人、会員外が40人。90人を超えるにぎわいで、会場に準備したイスもほぼ満席だった。会員集会後に行われた懇親会への参加者の数も64人と昨年以上だった。

事務局の日高さんが報告したように、版元ドットコムはその立ち上げ以来順調に成長している。今回の会員集会で改めて実感したのは、まる4年を経過した版元ドットコムが、新しい段階に入ってきたということである。
書誌情報を版元みずから提供すること、書籍情報がインターネット上にきちんと存在して、検索をすれば誰でもアクセスできる状態をつくりだすことを手がけてきた版元ドットコムは、その当初の目標、つまり「やらなくてはいけないこと」を、この4年でほぼ達成したといえる。これからは、いままでに達成したことを発展させて、さらに「何ができるのか」を考える時期になっている。
この1年間に行われた新しい試みを見ても、書店へのファクス営業の試みや、会費軽減の検討、ドットコムのデータベースを使った図書目録の自動組版の実現など、バラエティに富んでいる。
こうした試みは、これからの版元ドットコムの進むべき方向性を探る動きだといえる。最初から百パーセントの成功を収めるのは難しいが、会員である小出版社をサポートするうえで必要なことであれば、いろいろな可能性を試すべきだ。逆に会員社は、自分たちはこんなことをしてほしいという要求を、遠慮せずに事務局・幹事社にぶつけてほしい。一つひとつの会員社の積極的な参加こそが、版元ドットコム全体を活性化させるのだから。

会員集会の司会を務めた第三書館の北川さんは、これからの出版社のひとつのモデルとして、書籍を1冊のパッケージとして提供するだけではなく、読者のほしい内容・情報だけを必要に応じて取り出して提供することになるだろうと強調していた。現在の出版を取り巻く環境の激しい変化を考えると、デジタル時代に即したこのような出版メディアのあり方が一般的になるのは、そう遠いことではないだろう。こうした時代に対応していくために、いまできることを真剣に考えなければならない。
デジタル技術のもたらす変化を追い風と考えることができれば、小回りのきく小さな出版社が、大手の出版社と同等の存在感を持つことはけっして不可能ではない。懇親会で、ある取次会社の参加者が、「大手出版社のなかにはいまだに書誌情報を手書きの紙ベースで送ってくるところもある」と言っていた。新しい環境に適応しようとする意志の有無は、企業規模とは関係がないはずだ。書誌情報の円滑な流通を心がけることで、読者や市場、さらには取次や書店といった、本を届ける人たちの理解と支持を、いままで以上に集めていきたい。
事務局の沢辺さんが版元ドットコムサイトのアフィリエイトに関して述べた「本はどこで売れてもかまわない」という考え方は、これからますます重要だと思う。比喩を許してもらえるなら、販売面でも機能面でも、版元ドットコムはリナックス型のシステムであってほしいと思う。オープンなかたちでほかのシステムとうまくつながり、共有されることで、より発展していくような。

業界紙の記者が、「いま、出版業界の集まりで、回を追うごとに人が増えているのは、NET21と版元ドットコムだけです」とあいさつをして、懇親会の会場をわかせていた。これからも版元ドットコムから目が離せない。


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「売れない」と言ってるだけじゃはじまらない!

2004-6-2 水曜日

東京大学出版会 小山美和 :http://www.utp.or.jp/

 私が所属する出版労連では、毎年6月に「仕事と産業を考える運動」の一環として出版研究集会を開催していて、今年はその第31回目にあたる。
 その分科会の打ち合わせもかねて、先日、久我山にある老舗久我山書店の山田洋一さんをたずねた。久我山書店は先代が親戚から引き継いだお店だそうだが、山田さん本人は様々な業種、サラリーマンやアルジェリアでのフランス語通訳なんていう経歴をへて、久我山書店を引き継いだ変り種の書店経営者だ。
 久我山書店を訪れた人はわかると思うのだが、約20坪の狭い店内におもちゃ箱のように所狭しと雑誌に書籍・コミックなどが陳列されている。一見すると「ぐちゃぐちゃ」にも見えるその配列が訪れるお客様に「どう訴えるか」を毎日考えられた格闘のひとつの現われなのだそうだ。どんな陳列が一番アピールするか?そして雑誌ごと(2000アイテム以上あるのだが)に出るスピードもすべて頭の中で把握されている。
 山田さんの活動は、もちろん店内だけにはとどまらない。昔からのお客様も含めて外商活動もエネルギッシュにこなしている。町の中小書店では昔からの外商活動ができるかどうか、そしてお客様をつかめるかどうかが鍵でもあるが、彼に言わせると「できないって言ってるだけで、やってないだけだよ」「売れないって言ってると余計売れなくなる」とのこと。「これは」と思う企画を目にすれば必ず出版社の編集部に出向いて熱意を伝え話を聴く。そして、精度の高い外商活動に活かしている。売上冊数は大規模書店やナショナルチェーンに比べれば微々たるかもしれないが、それでもここに「本屋」の原点を見る思いがする。マイナス成長の出版状況がつづくなか書店は最も厳しい立場におかれている。なかでも中小書店はなくなる一方だ。マージンアップや不公正取引是正など業界をあげて解決すべき問題も多いが、こうしたなかでもがんばる本屋があり、書店員がいると思うと頭の下がる思いがする。
 彼のエネルギーは自店の活動だけでも収まりきらない。東京都書店商業組合の理事と万引防止委員長(通称まんぼう)を兼任し、都の副知事や桜田門のお偉方とも丁々発止をつづける強面でもある。地域とのつながりも大事にし、若い人たちが本を手にするサポートこそ自分達の仕事であり、幼児期からの読書教育が重要という考えのもと、地域の教育委員会や図書館と協同して「読書は一生の友だち」という読書運動も展開している。10代の芥川賞受賞、ベストセラー化した『世界の中心で愛をさけぶ』などの読者はほとんどは10代。読書の世界も悪い傾向ばかりじゃない、と読書界の未来を信じてもいる。
 彼の持論では本屋は「コミュニケーションセンター」だそうだ。町には人が一杯あふれているが、それぞれの人間同士はなかなか口を利くこともない。本屋がその間に立つオルガナイザーになることができるのだ。未知の人と触れ合うための「きっかけ」はどこにでも転がっている。観察眼を磨きその「きっかけ」を見逃さないことが大切なのだろう。
 このことはとくに書店だけに限られたことではない。出版社も読者や書店とどんな形のコミュニケーションをとれるか、どこにその「きっかけ」を見つけられるかは、これからのキー概念になるだろう。そんなことを考えながら、「版元ドットコム」を参考にさせてもらいつつ、小会で新しく計画している独自の顧客とのコミュニケーションの可能性を信じてみようと思う。昨年の出版研究集会で、ポット出版の沢辺さんが言っていた「何かを始めるときは自らの手でコツコツ始めるしかない」というコトバを思い出し、毎日の仕事に地道に精進している。
 ここで紹介した山田さんを始め、いろんな方の話を提供する場である31回出版研究集会の概略は下記の通りです。誰の参加もOKで、何回参加しても1000円ですので、是非ともお時間をみつけてご参加ください。私もお待ちしています。


■第31回出版研究集会   出版研究集会Week=2004年6月11日〜21日
主催:出版労連  文京区本郷2-10-9 冨士ビル3F TEL03-3816-2911参加費:1000円(全体会分科会通し)
■全体会 ○記念講演 「戦争元年」にできること
講師 石坂 啓氏(マンガ家)

6月11日(金) 18:30〜 出版労連会議室
【石坂啓氏プロフィール】1956年生まれ。故手塚治虫氏に師事。マンガ作品に『キスより簡単』『マンチャラ小日向くん』『安穏族』『夢見るトマト』『パパイラズ』『正しい戦争』『もの食う人びと・コミック版』など。エッセイ集に『赤ちゃんが来た』『コドモ界の人』『男嫌い』『学校に行かなければ死なずにすんだ子ども』などがある。
■分科会(労連会議室)
★6月12日(土)13:30〜
(1)フリーランスの自己責任論
報告者:ゲブハルト・ヒルシャー・安田純平・吉岡逸夫(ジャーナリスト)
★6月14日(月)18:30〜
(2)報道規制と出版差し止め問題
対談: 田島泰彦(上智大学教授) ・吉岡忍(ノンフィクション作家)
★6月15日(火)18:30〜
(3)図書館は欲しい本を買えない?−資料費問題−
報告者:清田義昭(出版ニュース社)・西村彩枝子(江東区立図書館)
★6月17日(木)18:30〜
(4)がんばる本屋・書店員の心意気!
—売りたい本/読んで欲しい本/読者とのつながり方—
報告者:山田洋一(久我山書店)・中野玲子(三鷹りとる)・岸田真理子(弘栄堂書店)
★6月18日(金)18:30〜
(5)貸与権とは何か−著作権の流れのなかで−
報告者:酒井仁志(雑誌協会)下村昭夫(出版メディアパル)
★6月21日(月)18:30〜
(6)「発展的学習」教科書・教材、そして教育
報告者:小佐野正樹(科学教育研究協議会/小学校教諭)・野口優子(教育基本法「改正」反対市民連絡会/保護者)ほか



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