下敷きになる「商品」
2004-7-21 水曜日
書店を訪れるとよく目にするのが、平台に並べられた本の上に荷物をドサッと置いて、立ち読みに耽っているお客さん。鞄ならまだ良い方で、雨に濡れた傘や生鮮食品が入った大きな袋を堂々と置いていることもある。そのせいで荷物の下敷きになっている本が取りづらくなったり、売り物にならなくなったりして、出版社や書店、ならびに他の善良なお客さんにとっては、大変迷惑な事態となっている。
書店員も通常の業務に忙殺されていたり、相手がお客さんということもあって一々注意しづらく、注意したらしたで、暴力を振るわれたり、「金さえ払えばいいだろ!」と居直られるケースも少なくない。
しかし、云うまでもなく、陳列されている本は購入の意思があろうとなかろうと、レジを通すまでは店の「商品」である。したがって「商品」に対しては大事に取り扱うべきであるし、ましてや自分の占有物ではないのだから、他のお客さんに対する配慮も欠かせないだろう。
そういう傍若無人なお客さんが増えれば増えるほど、書店もその対策に乗り出すことになってくる。万引きに関する張り紙はよく見かけるが、「本の上に荷物を置くのはやめましょう」とか「マナーを守りましょう」などと書かれた張り紙が至るところに張られるようになり、書店員が口うるさく注意し、監視カメラで厳しくチェックされるようになったら、書店は極めて居心地の悪い空間になるだろう。
「気持ちよく買い物をしたい」と来店した誰もが思っているはず。書店を「快適な空間」にするのは、書店や出版社の努力のみならず、客側の協力が必要不可欠だ。

