本当にいいんですか?

2003-10-8 水曜日

海鳴社 辻 信行 :http://www.kaimeisha.com/

 あまり論議されることなく、ことがどんどん運んでいっているものがいくつかあります。 
 そのひとつは、いま、イラクの「復興」に貢献するために自衛隊が派遣されようとしています。外国の新聞に、臆病者の日本人とか書かれている、などと日本の世論を扇動するかのごとく報道する人がいます。その人は、戦場に行き戦うことはないでしょう。
 国連の職員が攻撃されたように、イラクの「復興」に金と自衛隊を日本が出せば、ゲリラ側は日本に忠告を与えるためにも、攻撃をしかけるのではないでしょうか。必ず日本人の死者がでる、と考えるのは私だけでしょうか。(自衛隊員はもちろん、日本大使館や海外企業、日本の国内のどこかが標的になる可能性も考えねばなりません。その覚悟はあるのでしょうか。)
 祖国のために、あるいは世界の平和のために、という名目で死んでいったひとは「英雄」かもしれませんが、遺されたものにとっては、たとえ臆病者の父であっても、生きていてくれるほうがよっぽどいいのです。
 「ふつうの国」でないスイスは、それゆえに国際社会のなかで名誉ある地位を占めています。もちろんスイス国民の努力はたいへんなものですが。日本も、国際紛争に武力を提供しなくても、アメリカは文句のいいにくい憲法をもっているという「ふつうでない国」ですが、それを放棄することに、みんな納得しているのでしょうか。
 また、国立大学の独立行政法人化も、来年度から具体化するようです。私が大学に入った頃、教養部長は「学問の自由は死守しなければならない」と、挨拶をされました。いま、だれが死守するのでしょうか。大学の人事権のトップを官僚組織=政府が握ることに、危惧はないのでしょうか。
 その政府を握る衆議院の選挙がもうすぐあるとか。二世・三世議員が幅を利かせています。被選挙権がまるで世襲のようです。階級社会化が強まっていくのを容認していていいのでしょうか。
 国民総背番号制も、また、われわれの業界では消費税の内税方式も、ずるずると既成事実が進行する気配です。管理社会がわれわれの行く手に待ち受けています。その社会は人類を幸福にするのでしょうか。

 終戦の前に生まれたものは、クラスの何人かは「父無し子」でした。そんな世代からのひとことです。


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