身にしみる情報の大切さ

2003-5-28 水曜日

径書房 大庭雄策 :http://www.komichi.co.jp/

先週(5月23日)、毎年開かれている版元ドットコムの会員集会があった。
その席上、オンライン書店であるamazon.co.jpの佐藤さんと、bk1の尾園さんとお話しすることができた。アマゾンさんとbk1さんには、昨年、小社刊『ベビーサイン』をたくさんお売りいただくなど、たいへんお世話になった。一年以上たってしまったが、その時のお礼を申しあげることができた。おふたりに、『ベビーサイン』の姉妹書である育児絵本を今秋頃に刊行することをお伝えすると、「タイトルや内容がある程度決まったらすぐに連絡してください」というお言葉をいただくことができた。(どうぞ宜しくお願いします!)

bk1の尾園さんからは、ひとつ反省すべきお話しを頂戴した。
尾園さんは顧客と直結する部署(カスタマーセンター)のご担当なのだが、『ベビーサイン』がテレビで紹介されて「爆発的」に売れていたとき、正しい在庫情報が把握できず、サイト上で注文をくださったお客さんに本を予定どおりに発送できずに困った、というお話しであった。原因は、版元である小社が取次(問屋)や書店にお伝えしている「在庫有」「品切れ」「在庫僅少」などの在庫情報が逐一変動していて、「それを正しく知ることができなかった」ということであった。

在庫情報は最新かつ正確なものでなければ意味がない。本が大量に動いていることでパニックになり、正しい在庫情報をお伝えすることができなかった小社の不備をお詫びしなければならない。

本の売上げが弊社のような小出版社に対応できないような伸びをしめしたとき(径書房の場合、20年に一回くらい?)、「豊富」にあったはずの在庫が一瞬で品切れになるという事態は起こりうる。中小出版社には、書店さんからの返品を恐れて、なかなか思いきった重刷をすることができないという事情もある。『ベビーサイン』の時は、かなりがんばって1万部から1万5000部ずつの重刷もした(一か月間に6回も重刷した)のだが、それでも書店さんからの注文には追いつかず、減数出荷や本を指定日に出荷できないなどの事態を招いてしまった。
せめて、最低限やるべきこととして、最新の在庫情報を正しく伝えるように努めなければならないことを改めて思う。

「ウェブサイトに在庫情報を明示しているオンライン書店にとっては最新の在庫情報を把握することは必須、だから版元が集まって情報を管理している版元ドットコムには期待しています」と尾園さんは最後におっしゃってくださった。感謝。
(来週、会員集会のリポートを青弓社の岡部さんが書いてくださいます。お楽しみに!)

—— 話は変わるが、新雑誌「バッカス」(論創社・季刊)が先ごろ刊行された。“パフォーミング・アーツ・マガジン”と銘打ちつつ、「コンテンポラリーダンス」を多角的に取りあげる数少ない媒体のひとつになっている。ダンスといってもいろいろあるが、バレエ、モダンダンス、ヒップホップ、ジャズ等々のどれにも属さないコンテンポラリーダンス、かなり面白いですよ。(径書房でも近々、コンテンポラリーダンスの本を刊行しますので、どうぞよろしくお願いします。)


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期待とプレッシャー

2003-5-21 水曜日

トランスビュー 工藤秀之 :http://www.transview.co.jp/

鈴木さんから電話を戴いた。「トランスビューへは初めて電話するねぇ」。
別所書店修成店、近鉄名古屋駅から急行で約一時間、三重県修成町の書店の方だ。
2002年6月16日、取引のお願いに伺ったときのことを思い出した。通常、地方への書店営業の場合は、事前に連絡をして先方の都合を確認する。目的地に訪問先が一軒だけの場合ならなおさらだ。でもこの日はアポなしで、突然お邪魔した。

なぜなら創業以来、何度かご案内をさし上げて取引開始(注:1)をお願いしたけれど、なかなか良い返事を戴けないでいたからだ。事前に連絡をして都合が悪いと断られたら、二度とお伺いする機会がないような気がしたし、首尾よく約束が出来ても、「これはOKのサインかな」なんて思ってしまいそうで嫌だった。という訳で、もし担当の方に面会できなかったらすぐに次の目的地に向かえるよう早めに名古屋をたった。

開店直後の店内をグルッと一周してから、声を掛けようと思っていたが、それが出来たのは一時間ほど後だった。「時間をつぶせる」というのは良い書店の条件のひとつだと思うが、まさにそういう店だった。当時の出張日誌にはこんなメモを残している。——ここはかなりハイレベル。棚から平台まで全て意図をもって置いているのが一見してわかる。だから隅々まで見たくなる。「部数は多くはないが確実に売る」というタイプの店で、客の限られた郊外店でここまでやるのは大変だろう——。

ともあれこの日は、ムリを言って取引開始の内諾を戴き店をあとにした。帰りはバスの時間が合わず、タクシーもつかまらず、駅までかなりの距離を歩いたが足取りは軽かった。トランスビュー創立以前に勤めていた出版社で、鈴木さんの反応と別所書店修成店での売行きを、勝手に定時観測ポイントにしていた私は、本当に嬉しかったのだ。

冒頭の電話は、今とても反響を呼んでいる(注:2)新刊『14歳からの哲学‐考えるための教科書‐』の注文だ。これまでもFAXなどで補充を戴いてはいたが、今回の電話は、「おめでとう、よかったね」といわれたような気がした。ご本人にそんなつもりは無いかもしれないけれど・・・。

あの日、店内の感想を言った私に対して、鈴木さんは「地域読者の期待とプレッシャーを感じる」と仰った。我々も、同種のプレッシャーを受けとめたいものだと思う。

(注:1)トランスビューの書籍は、全国どの書店でも取次経由で入手可能。ただし買切返品不可。委託での販売は個々の書店との直接取引としている。
(注:2)発売3ヶ月目の今も、多くの書店で人文書の上位にランクインしている。


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出庫係がほかの仕事に手を出した。

2003-5-14 水曜日

太郎次郎エディタス 八木直治 :http://www.tarojiro.co.jp/

 もうバイトでもないのだし今後は営業部員らしいことをなにかするようにとの意向が社内で強くなるので、それらしいことをはじめることにする。とりあえず、手許にある物からそれらしいことをはじめた。

 べつにここまでいい加減な動機だったわけではないが、今年の常備出荷後の余裕を利用して、短冊を使って個々の書店ごとの具体的な売り上げデータを収集することを始めた。
 じつを言うと、普段個々の書店ごとの売り上げ状況が私にはまったくわからない。短冊はきちんと見ているし、電話注文の傾向も見てはいるのだが、売れている時には、ああ売れているな、とか、最近○○書店の常備回ってこないな、そのあたりまでの感覚しか持てない。直接の出庫担当がこの有り様でいいのだろうかとも思うが、閉ざされた出庫作業のなかには、そういった個々のケースに目を向けさせるような要素が存在しないのだ。
 だから、もう少しそれではすまないような業務があったほうが、私としては仕事への取っ掛かりが得られ、売り上げ傾向に対する認識も変わってくるのではないだろうかと期待する。
 もちろん、取次倉庫からの出荷状況なんかはわからないので収集するといっても一部だが、それでも、書店ごと、書籍ごと、時期ごと、ケースごと(常備、必備、客注、FAXによる販促)の動き方を具体的な数値や書店名のレベルで見ることができれば、きっと視界は広がるだろう。

 データベースシステム事体は昨年頂いたものがあり、書店のデータだけはその中に放り込んであった。書誌データを加え、あとあと検索しやすいように決めごとをいくつか作る。

 さて、短冊片手に入力をしてみる。
 始めてみてまず、今までに蓄積していた書店マスターのメンテナンスの不備でダブりデータが随分多く、それを消したり、間違った部分を修正したりすることに費やされる時間が多い。予期はしていたが、こんなに面倒臭いことになるとは。似たような店名で同定できない書店がかなり多い。今までデータを継ぎ足していったあとのチェックがいい加減だったからだろう。
 こんなことは社内になんらかのデーターベースを持っているところなら当然のことなのだろうが、今後メンテナンスをもっと真面目に日常業務に組み入れないといけない。万年雪のように降り積もった無駄データを溶かすのがとりあえずの課題である。

 とりあえず毎日、早め早めに短冊の入力。出荷後の余裕を見つけては分厚い書店リストを開いて必要なデータ(所在地、坪数、電話番号、等々)をマスターに追加していく。単純作業だが、それだけに思考がさまよいだす。将来的には業務全体でのデータ入力を一元化して、作業事体にかかる時間を減らしていきたいものだ、ピッキングリストも自動生成されるようにできないだろうか、在庫データも組み合わせたい、何はともあれスキルを磨かないと、などなど。妄想は広がる。もちろんまだなんにも出来ていないのだが。
 私はパソコンという道具に疎く、たいがいの仕事に必要な情報は身体に覚えさせている(頭の方は頑として受け入れを拒んでいる)。そんなわけなので机に向かっている業務には不安も多いが、それでも今後が楽しみではある。
 とりあえず見事に作られたシステムを快くわけてくれた語研の高島さんに感謝を(いただいてから運用にいたるまで結局半年以上かかってしまった。怠惰を御容赦)。


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飯田橋ランチ弁当騒動記

2003-5-7 水曜日

千秋社 出口順枝 :http://

先月出勤の折り、JR飯田橋東口を出た所で「手作り弁当直営店 OPEN」開店大サービスのチラシを配っていた。 オープン記念で2日間に限り、各種ランチが¥300、それにカン入りのお茶、味噌汁、サラダのおまけ付きでの大サービス売り出しとか。 こういう宣伝文句に、私はメチャ弱い!
毎日 家からの弁当持参の私ですが、あまりの値段の安さとおまけのサービス品に目がくらみ、興味もそそられて、昼休みにそのお店まで出かけた。

場所は、目白通りに面した建物の角のコーナー。 現在、空家になっている建物の角を立地的にうまく利用した、まさに軒先商売。 大きなノボリの看板が立って、そのあたりはランチを買い求める客で大混雑。 販売人も4〜5人いてその一角だけは、まさにデパートの特売場を思わせるような熱気で大フィーバーしていた。野次馬根性で偵察に出かけた私だったが、熱気につられて(用意した本日分の弁当があるにもかかわらず)買ってしまった。 ”この値段でこの品物は絶対にお得で安い。 よし! 明日も買いに来よう”と心に決めた。

翌日、昨日の大混雑を避けるべく、時間をずらして早めに出掛けた。 ところが、例の場所には販売人もテーブルも何もなく、実に閑散としていて思わず目を疑ってしまった。 信じられない気分であたりをキョロキョロすると、空家の窓がラスに麹町警察署の警告文のはり紙がしっかりと貼られていた。 察するに無認可、無許可での道端商売だったらしい。

そして、数日後,叉もや同じ名前のお弁当屋の宣伝チラシを受け取った。
今回の場所は、目白通りより一つ裏通りのビルの2階の焼肉屋、おまけサービス付きは前回と同じだが、何と値段が¥250で ¥50も安くなっている。 今回は道端商売ではなくて、れっきとした焼肉屋の玄関先、テーブルも多く、前よりも弁当の種類も豊富、安物大好きの私は当然のごとく、買い求めました。

しかし2日目、叉もや信じられない状況が起きていた。
くだんの店には、テーブルも弁当もあり、販売人もいるのだが、何となく様子がおかしい。
皆、浮かぬ顔つきで全く活気がない。  どうした事かと尋ねると、
”品物を売ってお金をとる事はまかりならん!”
とたった今、オカミより注意を受けた様子。 
”どうせ処分しなくてはいけないし、何個でもいるだけ、タダで持って行って下さい”とヤケクソ発言。
”ウソッ!! 信じられない! 本当にタダでいいんですか??”と内心
ウハウハで声がうわずって、間抜けに尋ねる私。 半分申し訳ない気持ちでそのくせ、しっかりと事務所の人数分の3個をゲットしてしまいました。

焼肉屋とは話をつけて、道端商売ではなくなったけれども、今回も又、無許可でやっちゃったという事なのでしょうか?
このあたりは、お昼どきはあちこちからランチ弁当の出店が出て、しのぎをけずる激戦地区である。 多分近所の店よりクレームが出て当局に通告となったのだろうと我々は勝手に想像した。 しかし、2度までもこんなオソマツな同じようなミスを犯すなんて・・・・・・
それとも、これと同じような商売をやって、他の地域では結構うまく成功したが、たまたま、この飯田橋という地域がこのお弁当屋さんにとって鬼門だったのでしょうか?

皆様は一体 どう思われますか?


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