バルバロイ

2003-4-9 水曜日

語研 高島利行 :http://www.goken-net.co.jp/

フランス人の33パーセントが「米英の敗戦を期待」しているという調査があるそうだ。連日放送されている戦争の映像はイラクの一方的な負け戦でしかない。まさに連戦連敗。ある種の「判官びいき」的な気持ちが芽生えてきてもおかしくない。

その負け戦の映像はCNNやアルジャジーラが「LIVE」で放映している。世界貿易センターの崩壊が生放送されたように、自爆テロが生放送される日もそう遠くは無い気さえする。

米英もイラクも世界中を巻き込むために映像を流し続ける。一方の当事者の言葉である英語で、そしてアラビア語で。

語学専門の版元で働いていてこんな事を言うのは非常に恥ずかしいが、はっきり言って英語は苦手だ。それでも、ブッシュがプロパガンダとして発言しているこんなセリフは(ゆっくり喋っているせいで)、はっきりと聴き取れた。

Day by day, we are moving closer to Bagdad. Day by day, we are moving closer to victory.

しかし、アルジャジーラが生放送しているイラクの街中の人々の怒りや嘆きの言葉、アラビア語は、まったく一言も分からない。

グローバリズム、という言葉と重なる部分もあると思うが、国境を越えた言葉のやり取りは確実に増えている。望むと望まないとに関わらず、私達は英語で情報が受信・発信される世界に暮らしている。大国のやり方に異議を唱えるにも英語が前提となる世界。

「バルバロイ」という言葉がある。古代ギリシャで異民族に対する蔑称として用いられた言葉だ。語源は「わけの分からない言葉を喋る人々」という意味らしい。

嫌な言葉だ。


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