ロゼッタストーンに取材ラッシュ!?

2002-4-24 水曜日

ロゼッタストーン 弘中百合子 :http://www.rosetta.jp/

昨年11月に創刊した、女性国会議員メールマガジン「ヴィーナスはぁと」がきっかけで、マスコミに露出する機会が急に増えた。まず、創刊当初、一部の新聞やインターネットのニュース系サイトなどに次々に「ヴィーナスはぁと」が取り上げられた。12月に入ると、読売新聞が全国版の「人」欄で私を紹介。さらに今年になって、東京新聞・中日新聞が「永田町のヴィーナス議員たち」という「ヴィーナスはぁと」に登場する女性議員を紹介する企画を組んでくれ、番外編として私まで紹介してくれた。そのほか、インターネットでも、日経の女性向けサイト「smart woman」、BIGLOBEの仕事サイト「輝く女性たち」でインタビューを受け、テレビでは私の地元の山口放送が報道番組のなかでロゼッタストーンについて放映。今日の午前中は「週刊女性」の取材を受けたところ。……
こうして見ると、なんだか破竹の勢いみたいでしょ?

ところが、現実はそう甘くない。もちろん取り上げてもらえるのは、ありがたいことだけど、マスコミに出れば雑誌の売り上げも大幅に増えるかと思いきや、あまり大きな影響はないのである。むしろ収穫は別のところにあった。

新聞、雑誌、インターネット関係…と、いろんな分野の記者やライター、カメラマンが、狭いロゼッタストーンの事務所にやってきて、1時間くらい取材して写真を撮って帰っていく。取材内容は主に「ロゼッタストーン」や「ヴィーナスはぁと」を立ち上げたきっかけだ。これまで取材するばかりだった私が、逆の立場に立つことで、取材される心理がよくわかった。

とにかく、スタッフのやる気やレベルが恐ろしいほどわかるのだ。私たちマスコミは相手を取材したつもりでいるが、取材をしょっちゅう受けている有名人のほうが、よっぽどこちらの人物像を見抜いているに違いない。いくつか準備不足ででかけてしまった取材を思い出すと、まったく冷や汗が出る思いだ。

それでも、有名人の多くは、そんなことは顔にも出さず、愛想よく取材に答え、媒体に応じていろんな話題を提供してくれる。これは、やはり才能だと思う。私のような底が浅い人間は、すぐにネタ切れしてしまうのに。

私は電車のなかで起きた出来事を思い出した。目の前に座っていた若い男性が「よかったらどうぞ」と席を譲ってくれたのだ。マタニティ風のゆったりしたワンピースを着て、つり革にすがっていた私を、どうやら彼は妊婦と勘違いしたらしい。(確かに前より太ったんだけど)

(せっかく勇気を出して言ってくれたのに、ここで断ったら、彼は二度と他人に席を譲らなくなるかも…)と思った私は、妊婦になりすまし、お礼を言って席に座った。さらに、電車を降りるときに「本当にありがとうございました」と、丁重にあいさつまでした。

お年寄りに席を譲って「よいことをした」と満足している若い人の裏には、「やれやれ、嬉しそうな顔をするのも気を遣うわい」と思っているお年寄りがたくさんいるのかもしれない。譲られる立場になってみて、初めてそんなふうに思った。本当にその立場にならない限り、なかなか本音というのは、わからないものである。

ロゼッタストーンは、コミュニケーションを大きなテーマにしている。季刊ロゼッタストーンもメルマガ「ヴィーナスはぁと」も、立場が違う人に同じテーマで意見を述べてもらうことが多い。違う角度から見れば、固定観念が消え、頭がちょっと柔らかくなる。頭が柔らかくなれば、相手を認める余裕が出てくる。
「これが絶対正しい」世の中よりも、「これはこれで正しい。これもこれで正しい」という世の中になっていけばいいなあ、と思うのだ。

※ 興味がある人は、ぜひ、一度読んでみてください。ロゼッタストーンのホームページ(アクセス数10万件達成!)で、雑誌やメルマガの内容を紹介しています。http://www.rosetta.jp 4月9日に発売されたロゼッタストーン第9号では、「医療改革」を特集。読みごたえがありますよ!


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精神障害当事者の体験を通して

2002-4-17 水曜日

やどかり出版 黒崎夢 :http://www.yadokarinosato.org/book/

 やどかり出版は,埼玉県の精神障害者福祉工場・やどかり情報館の出版部門です.他に,印刷,研究所があります.病気を持つ人間・持たない人間が,共に働き,その仕事のプロフェッショナルを目指して,各々邁進しております.

 専門家の書いた本は多数あれど,当事者の視点から書かれた本は少ない……精神障害当事者ならではの情報を発信していく基地にしていきたい,という思いで始まった私たちの小さな活動から生まれた本の紹介をします.

 「やどかりブックレット・障害者からのメッセージ」というシリーズを作り始めたのは,やどかり出版文化事業部の体験発表会がきっかけでした.体験発表会は 1997(平成9)年から,1年に数回のペースで現在までに20回行っており,これからも続けていきたい事業のひとつです.「障害を持ちつつ生きる」ということには意味があるとここで働く私たちは考えています.その体験を語ることで,障害のある・なしにかかわらず他者に何か提供できるものがあるはずだ,という思いで自分たちが働く建物を会場に行ってきました.
 体験発表会はその日,その時間かぎりの出来事にすぎません.しかし,より多くの人たちに自分たちが大事にしていることを伝えたい,特にいまだ精神病院に長期入院している人たちや,病気を抱えて孤立している人たち,また,地域で孤立して生きている人たちに絶望することはないんだということを伝えたい.そういった話し合いから,このブックレットシリーズが生まれました.

 2002(平成14)年4月現在,やどかりブックレットは7冊目を数えました.障害当事者自身の声を中心に内容をまとめる姿勢は変わっていませんが,体験談だけでなくテーマをしぼって意見を出すブックレットも作るようになりました.

 そして,7冊目は「地域で私たちが生きるために 心の病をかかえて」というタイトルで,練馬区共同作業所連絡会学習会実行委員会とやどかり出版との連携で作りました.前述の学習会実行委員会主催の講演会で,3か所の作業所の3名の当事者が語った体験と,講演会の実行委員の座談会をもとにして構成されています.講演会を皆の手で企画し運営する過程そのものにも,さまざまな学びがあり,日常,近くで活動しながらも行き来がしにくい作業同士の結びつきも深まりました.具体的には,喫茶の共同運営を行うようになったり,日常の活動での連携につながるようになりました.講演会発表者自身だけでなく,講演会に関わる人びとが元気づけられ,変わっていく様子がこのブックレットから少しでも伝わればいいと思っております。


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アメリカとイスラーム

2002-4-10 水曜日

めこん 桑原晨 :http://www.mekong-publishing.com/

 ここのところ気になっているのは、当然ですが、アメリカとイスラームのことです。

 アメリカについては、気になっているというより、「頭にくる」だな。アフガン空爆、フィリピンのバシラン島への軍事顧問団派遣、悪の枢軸発言、パキスタンへのゆさぶり、そして例のごとく、パレスチナへの積極的不介入。あいつらいったい何を考えているんだ。だいたい、9月11日に犠牲者にまず第一に謝るべきだったのはアメリカ政府だよ。対ソ戦略のためにムジャヒデンをあやつり、オサマ・ビン・ラーデンとアルカイーダをつくったのはアメリカじゃないか。目的はソ連の南下阻止だというが、それはつまりカスピ海沿岸の石油資源の権益独占だ。要するに、自分たちの利益のために、他国で他人をそそのかして、テロリストをそだてあげ、そのテロリストがアメリカ国民(ばかりではなく日本人もだ)を殺したんだから。「テロ撲滅」という「大義」が聞いてあきれるぜ。

しかし、考えてみれば、アメリカは何十年も世界中でこんなことばっかりやってきているんだ。ベトナムのことはいわずもがな。あいつらラオスとカンボジアでどれだけ爆弾を落としたと思う?ラオスの当時の人口は300万人、そこに爆弾300万トン。1人に1トンの爆弾がふりそそいだ勘定だ。カンボジアのベトナム国境に近いほうはもっとひどかった。でも、アメリカは一言も謝罪しない。もちろんベトナムに対してもだ。ニクソンはベトナム政府に戦後賠償の約束をしてたんだぜ。知らん振りはアメリカの得意技その1だよ。

アフガンの誤爆で民間人を殺傷したことをアメリカの軍はしぶしぶ認めた。そして、犠牲者に補償金を支払った。いくらだと思う? 1人1000ドルだと。10万円ちょっとだぜ。しかも、謝罪するつもりはないと軍は「明言」してるとのことだ。やつらにとって、アジアやアフリカ、アラブ、中南米の人間の命は「屁」みたいなものなんだ。いかにしてアメリカ兵が傷つかずにできるだけ多数の「敵」を効率的に殺すことができるか、そんなことに知恵を絞って、そのとおりにアジア人やアラブ人が死んでいったら、「やった、やった」って握手して喜んでいるんだぜ、やつらは。戦争なんてそんなもんだよ、なんてわかったようなことを言ってもらいたくないね。こんなこと許してはいけないんだ。

よくアメリカ人はいいけど、アメリカの社会はいいけど、アメリカの政府はまちがっているなんて言う奴がいる。そんなことあるもんか、アメリカ人がおかしいから、アメリカ社会がおかしいから、アメリカ政府がおかしいんじゃないか。9月11日のあと、あるテレビ局がアメリカの市民に「なぜアメリカはこんな目にあわなければいけないのか」と聞いていた。そしたら、お目目ぱっちりのかわいい女の子が「彼らは私たちの豊かさと自由に嫉妬しているのよ」なんて言っていやがるの。あきれると同時にぞっとしたね。根は深い。アメリカ人に「他人を理解し、受け入れる」という寛大さ、やさしさを期待するのは無理なんだ。本当にいやなやつらだ。しかし、いやなやつらだからといって否定するというわけにはいかない。そんなことしたら、こっちもアメリカになってしまう。だけど、ぼやぼやしてたら、日本もアメリカの策略に巻き込まれてしまう。やつらに仁義なんてないからなあ。

出版人としてできるのは、「忘れない」ということだろうと思う。日本人はすぐ忘れてしまうからな。アメリカの悪事をきっちりと暴き、執拗に批判していくことだろうな。しかし、みんな、びびって書こうとしないんだな。なさけない。

イスラームのことは長くなるから、やめよう。ただ、イスラームは割りを食っているのはたしかだ。つい最近までイスラームといえば「剣かコーランか」というイメージしかなかった。「十字軍」というのは正義だとばかり思っていた。そう学校で教わってきたんだから。「草刈り十字軍」なんてのがあるぐらいだからなあ。ムスリムという隣人とちゃんとつきあえるまでには時間がかかるだろう。でも、これも大事な仕事になると思います。


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それはないと思いますよ、平河工業社さん

2002-4-3 水曜日

第三書館 北川明 :http://www.hanmoto.com/bd/d3skan/1/

 4月1日あさ、小社に現れた平河工業社の那須さんは、今後小社の出版物の受注印刷を一切しない旨、通告した。まったく突然の一方的受注拒否である。事前の通告も問い合わせ等なにもない。3月に二点新刊を作って、二週間まえに配本したばかり。そればかりでなく、小社の既刊書のフィルムは数百点分すべて平河工業社に預けてある。版元として、メイン取引の印刷業者なのだ。当日依頼する予定だった重版二点(各3000部)の印刷も断ると言う。
「これは和田社長の意向による決定ですか」
「そうです」
 那須さんは個人的にはこの決定には反対ですが、と付け加えながら、はっきりそう言いきった。
 その理由は何か。
 那須さんは4日前に発売された週刊新潮の記事であるという。辞任した衆議院議員の辻元清美が選挙資金を小社の手形で借り入れて、「踏み倒した」とする記事である。
 この記事は辻元清美の信用失墜を目的とした「週刊新潮的記事」の典型といえる。この借金は私の古い友人から私が借り入れたもので、選挙資金ではなく出版社の運転資金である。借入額の半分以上を返済して、この二月に新たな保証人を入れて公正証書をつくり、今日現在返済計画を弁護士を入れて交渉中である。これまでも弁護士が中に入って返済してきた。「去年から連絡がとれない」とする記事の記述はまったくのデタラメ。これがどうして「踏み倒し」の特大見出しになるのか。
 加えて、これは27年前の私の不起訴事件と罰金二万円の事件を取り上げて辻元清美と日本赤軍とを関連付けようという牽強付会記事でもある。
 当然ながら私は週刊新潮相手に裁判するつもりである。
 そうした私のほうのこの記事に対する考えも事実関係も何も聞くことなく、平河工業社は一方的に取引停止を通告してきたのである。私がこの版元日誌もふくめて平河工業社の取引停止通告を公表するというと、那須さんはきゅうにあわてだして、
「それだけは…・」という。
 私は平河工業社の和田社長と同席しての発表なり記者会見のようなものを提案したが拒否された。
 この事件は小社一社のみに関わるものとは思わない。版元がその一部を担う言論出版の自由は版元の意向に沿った印刷が自由円滑に遂行されることと不可分である。悪意に満ちた週刊誌の一記事をもって直ちに調査も問い合わせもなく一方的全面的に印刷拒否、取引中止を宣言するメイン印刷会社とは何なのか。
 平河工業社と小社との支払関係は3月末現在通常どおりである。過去には支払期日の変更をお願いしたが通常に戻っている。それに、両社は数ヶ月前に業務契約を結んでいる。今回の通告はその契約のどの条項によるものかという問いに平河工業側は答えられないでいる。
 その契約書の小社側の保証人は辻元清美である。平河工業社の強い要望による指名があって、彼女が同意したものである。
 辻元清美が議員辞職して6日目、那須さんは取引停止を通告するために現れた。
「小出版社を応援します」
 そういい続けてきたはずの平河工業社の反論をぜひ聞きたいものだ。


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