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打ったらハマる パチンコの罠
ギャンブルで壊れるあなたのココロ
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2006年10月
- 書店発売日
- 2006年10月12日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
パチンコというギャンブルの実態を追う―家庭も心も壊し、知人・サラ金に借金してハマる―主婦・サラリーマン・定年退職者・学生・教師・自営業者などのパチンカーを追跡した渾身のルポ。
この国は、行政も警察も1800万人の遊戯人口中、約200万人の「パチンコ依存症」という病気を放置(半分は女性)。本書は「依存症」の根本対策、パチンコという「賭博場」への厳しい規制を提言。
目次
プロローグ 11
パチンコ広告を解禁したメディア 11
「パチンコ依存症」絡みの犯罪の増大 13
ギャンブルとして厳しく規制すべき 17
第一章 主婦ギャンブラーの全盛時代 19
――家庭を壊してまでハマるパチンコの罠
友だちの主婦に誘われて 20
ビキナーズラックが仇に 23
サラ金に手を出す 26
ギャンブル化するパチンコ 28
パチンコの古き良き時代 32
ギャンブルでカネは残せない 35
借り入れは一千万 38
実家に頼み込んで借金 41
再びパチンコに依存 44
第二章 パチンコにハマるサラリーマン 49
――真面目・短気・負けず嫌いがハマる博打
きっかけは一人息子の死 50
ハマるのは気が短く負けず嫌い 53
真面目人間もハマる 57
仕事の喪失感でハマる 61
行きつくところはサラ金 64
頭をかすめる自殺 67
パチンコはギャンブルだ 70
裏ロムで遠隔操作 72
奥さんの病死で目覚める 77
第三章 定年後にハマる男達 81
――退職金も家も土地も失う素人ギャンブラー
ハマる遊び経験のない男 82
ヒマをもてあます元商社マン 84
元店長の語るパチンコ業界 86
元サラリーマンのパチンコ日記 93
つぎ込んだ二千百万円 98
「お金よりも失った時が惜しい」 107
第四章 挫折感からハマる大学生 109
――有望な若者が学問も時間もドブに捨てる人生
留年がストレスに 110
治そうとシャブとドラッグに 112
新台にはサブリミナル効果 117
「人体実験」で稼ぐミュージシャン 119
ホームレスになったタクシードライバー 123
大学には行かずパチンコ通い 127
パチンコ屋は鉄火場 134
第五章 ストレスからハマる女性教師 139
――パチンコ屋とサラ金の上客にされる公務員
地方にも広がる依存症 140
学校でのストレス 142
ギャンブルにハマるスポーツ選手 145
公務員はサラ金の上客 147
依存症に至るプロセス 152
両親の定期の取り崩し 158
パチンコ屋のない僻地へ転勤 162
第六章 プロギャンブラーに学ぶ 167
――素人は手を出すな! 博打は命がけの勝負
プロはギャンブルに溺れない 168
プロの謙虚な男達 171
プロが教えるギャンブルのコツ 173
「貴方達は狂っています」 176
プロギャンブラーは命がけ 180
『ギャンブル人生論』の実話 182
パチンコ屋というカジノ 185
第七章 パチンコ依存症は治せるか 189
――人も家族も壊れる依存症は病気
対策が急がれるパチンコ依存症 190
パチンコ依存症の特徴 192
ギャンブル依存症の診断 196
パチンコ依存は病気だ 199
第八章 パチンコ業界と癒着する警察 203
――暴力団の縄張りをぶんどった警察の腐敗
暴走する警察の業界指導 204
暴対法とCR機の導入 209
違法行為を隠す「三店方式」 211
パチンコ業界の厳しい規制を 214
前書きなど
パチンコ業界は、今や三十兆円業界である。自動車業界が汗水流し働いて、年間四十二兆円。パチンコで浪費される金額がいかに馬鹿でかい金額か、自動車産業と比較すると理解できる。
筆者は、この国はデタラメ国家だと常日頃から口にしているが、政治が悪いなどと、ありきたりのことを言うつもりはない。パチンコの問題は、もっと根が深い。立法にも、行政にも、メデイアにも責任がある。筆者の知り合いも、パチンコで多重債務者となり、自殺に追いこまれた。筆者が新刊を出すと、必ず書店で買い求めてくれた人のいい男だった。
もう一人は、首都圏にローンのないマイホームを持ちながら、幸せに暮らしていた。それが「パチンコ依存症」となり、五年で自宅を手放すことになった。両親が残してくれた自宅である。幸いに奥さんがよくできた人で、離婚には至らずに踏みとどまり、今では何とか立ち直りアパート住まいで頑張っている。
身近の人間にも、パチンコの被害者が二人も出ているから、全国では想像を絶する数になるのではないか。自殺者は、年間三万人を下回ることがない。三万人のうち、「パチンコ依存症」が原因での自殺者がどれぐらいの数字になるか、総務省でも調べてほしいものである。
本書に登場する人々は、無頼の徒ではなく、ごく普通にまっとうに生きてきた人達である。そのまっとうに生きてきた人が、「パチンコ依存症」となり二千万円以上負けたり、家族で失踪したりしている。負ける人間が悪いと言う人もいる。そう言う人は、パチンコの実態を知らない人である。実態を知っていれば、負ける人間が悪いなどと言えない。
現在、パチンコは庶民の娯楽として位置づけられている。ちょっと待ってくれと言いたい。十万円も負けるのに、一日かからないのは娯楽ではない。間違いなくギャンブルである。パチンコ屋は、鉄火場なのである。その鉄火場に、女性が半数出入りしている。まともな国家とは言えない。(以下略)
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。