実践論へのいざないラジカリズムの新世紀
山根 克也
発行:実践社
この版元の本一覧
四六判 219ページ 並製
定価:1,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-916043-21-4(4-916043-21-9) C0030
在庫あり
奥付の初版発行年月:1998年02月
書店発売日:1998年02月15日
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目次

第1部 現代思想の読み方
1.ニーチェの道徳論
2.フーコーの権力論
3.ソシュールの言語論
4.竹田青嗣の現象学
5.ヘーゲルの弁証法
6.マルクスの自由論
第2部 「科学の世紀」の終わりに
1.パソコン文化を考える
2.科学者の社会的責任
3.「地獄におちる」と言われたら
第3部 かつてここで大虐殺があった カンボジア訪問記

前書きなど

 今世紀初頭、一匹の「猫君」がこうつぶやいています。
 「我輩は20世紀の猫だからこれぐらいの教育はある。あんまり軽蔑してはいけない」
 これは夏目漱石の『我輩は猫である』の一節です。時は1905年、20世紀が「新世紀」であった時代でした。漱石は、近代日本の「開花」は「外発的」であり、「一言にして言えば現代日本の開化は皮相上滑りの開化である」と考えていました(講演『現代日本の開化』)。日露戦争での大国ロシアへの勝利に酔いしれ、さらなる「上滑りの」近代化を推し進めようとする当時の日本社会の姿の一端を、漱石は「20世紀の猫君」の眼でシニカルかつユーモラスに見せたのでした。
 しかし、その後の20世紀の現実は、「教育ある猫君」に軽蔑されてあまりあるものとなってしまいました。
 人類は21世紀という『新世紀』をまえに、大量生産・大量消費という西洋物質文明が生み出した地球環境破壊によって、類としての生存すら危うい未曾有の危機に追い込まれています。
 これにはさすがに「20世紀の猫君」もビックリというところでしょうが、やはりわたしたちは、漱石流にいえば西洋流の「文明開化」のパラダイム、つまり欧米物質文明そのもののあり方を省察すべきところにきているのではないかとおもうのです。そのばあい、「科学技術と進歩にたいする「信仰」、つまり「科学主義」にたいする内容的なとらえ返しは不可欠だと考えます。
 科学主義こそが現代物質文明のイデオロギーであり、「現代の形而上学」にほかなりません。その克服こそが「新世紀のラジカリズム」の課題ではないか。それが本書の諸論考をつらぬいて筆者が問題意識とするものです。こうした観点を筆者は、不世出の哲学者であり、また死の直前まで実践的変革者たらんとした廣松渉から学びました

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