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沈黙を越えて 柴田 保之(著) - 萬書房
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取引取次: JRC
直接取引:あり(自社)

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沈黙を越えて (チンモクヲコエテ) 知的障害と呼ばれる人々が内に秘めた言葉を紡ぎはじめた (チテキショウガイトヨバレルヒトビトガウチニヒメタコトバヲツムギハジメタ)

教育
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発行:萬書房
四六判
232ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-907961-05-3   COPY
ISBN 13
9784907961053   COPY
ISBN 10h
4-907961-05-7   COPY
ISBN 10
4907961057   COPY
出版者記号
907961   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年5月
書店発売日
登録日
2015年4月15日
最終更新日
2020年11月26日
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書評掲載情報

2015-10-16 週刊金曜日  2015/10/16
2015-08-07 週刊読書人  2015/8/7号
評者: 蒔田備憲(毎日新聞記者)
2015-06-01 福祉新聞  2015/6/1号
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重版情報

4刷 出来予定日: 2020-04-20
3刷 出来予定日: 2017-09-10
2刷 出来予定日: 2015-12-30
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紹介

知的障害の概念が根底から覆る! 重度重複障害の人も、自閉症の人も、遷延性意識障害の人も、認知症の人も、人はみな豊かな言葉の世界を持っていることを、長年の実践研究から明らかにした感動の書。

目次

第一部 援助方法の発見と広がり
◎言葉を持っている子どもたちの出現
  太田純平さんとの出会い
  指で字を書く長尾和憲さん
  神原康弥さんの筆談
  柴田美優さんとの出会いとその後
◎言葉を持っている子どもがさらに広がる
  岩切葵さんのこと
  三坂俊平さんのこと
◎基礎的な学習の発展としての2スイッチワープロ
  大野剛資さんとの試行錯誤
  藤村元気さんとの長い歩み
◎障害の重い子どももみんな言葉を持っている
  八巻緩名さんが開け放った扉
◎新しい援助方法の発見と広がり
 ●合図を感じ取る方法の発見
  三瓶はるなさんとの関わり合いの中で
 ●手を添える方法へ―簡単な言葉を発する人たちとの関わりから
  板橋望美さんのほんとうの言葉
  Aさんとの新たな展開
  発語のある伊藤柚月さんの複雑な思い
  町田市障害者青年学級で、寺本勝浩さん
  盲重複障害の栗山翔太さんの叫び
 ●自閉症の人たちとの関わり
  春の子会
  町田市障害者青年学級で、衛藤一樹さん
◎援助のさらなる飛躍―手を振ってかすかな力を読み取る方法
  井上神恵さんと偶然発見した新しい方法
  手を振ってかすかな力を読み取る方法へ
◎中途障害の方との関わり合い
  「一生植物状態」と診断された宮田俊也さん
  若年性アルツハイマー病の女性との出会い
  栗原正篤さんとの出会い
  中島基樹さんとの出会い

第二部 当事者活動への発展
◎重複障害教育研究会における試み
  当事者による研究発表―中村舞さんの試み
  自分たちで研究協議をやりたい―名古屋和泉さん
◎きんこんの会の誕生
  研究室に集ったメンバー
  当事者活動としてのきんこんの会
  当事者をつなぐ「通訳」としてのコミュニケーションの援助
  きんこんの会の声明文

第三部 障害概念の再考と援助方法の整理
◎知的障害ををめぐる問題
  言語の表出を阻んでいるもの
  運動のコントロールに関する困難をめぐって
    ①重い運動障害のために体がまったく動かないという状態
    ②筋緊張の問題による不随意運動
    ③意図しないふるえの存在
    ④意図した運動が反復運動になって止められなくなる
    ⑤物を見たり物に触れたりすると勝手に手が伸びる
  発話をめぐる問題
    ①発話がまったくない状態
    ②簡単な発話しかできない
    ③意図とは違う発話が生まれる
  知的障害=発達遅滞という見方の再考
  なぜ言語だけが保たれるのか
◎コミュニケーションの援助について
  相手に触れない援助と触れる援助について
  方法の整理
    ①五〇音表から行の選択に続いて行内の文字を選択していく方法とその発展したもの
    ②文字盤やパソコンのキーボードを指差していく方法
    ③手を添える筆談および指筆談
  予測を用いることの意義とその問題

前書きなど

 ……ところが今、私は、私たちの常識に反して、見かけの障害にかかわらず、人はみな豊かな言葉の世界を持っており、沈黙の中で研ぎ澄まされた言葉は独自の輝きを持っているという考えに立つにいたりました。それは、もちろん単なる思索の結果などではなく、ただ、出会ってきた事実に従うことによって見えてきたものにほかなりません。それも、ある日突然ということではなく、長い実践研究の積み重ねの中で、少しずつ明らかになってきたものです。結論だけをそのまま述べれば、それは、あまりにも奇想天外な考えに見えてしまうでしょう。だから、本書では、できる限り私が出会ってきた事実を、時間の流れに沿って紹介することによって、一人でも多くの人に、この大切な真実を理解していただけたらと思います。(「はじめに―目の前の子どもから学ぶ」より)

著者プロフィール

柴田 保之  (シバタ ヤスユキ)  (

1958年大分県生まれ。東京大学教育学部教育心理学科を卒業後、同大学大学院を経て、1987年より國學院大學に勤務。現在、國學院大學人間開発学部初等教育学科教授。専門は、重度・重複障害児の教育の実践的研究。(財)重複障害教育研究所において中島昭美先生のもとで実践的研究に携わる。また1981年より、町田市障害者青年学級にスタッフとして関わる。主な著書は、『みんな言葉を持っていた―障害の重い人たちの心の世界』(オクムラ書店)。

上記内容は本書刊行時のものです。