メイド・イン・ジャパンのキリスト教
マーク・R・マリンズ:著, 高崎 恵:訳
発行:トランスビュー  発売:トランスビュー この版元の本一覧
A5判 351ページ 上製
定価:3,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-901510-30-1 (4-901510-30-4) C1014
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年05月 書店発売日:2005年05月05日
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紹介

 キリスト教は近代日本にどのように伝えられ、また変容したのか。
 内村鑑三らの儒教的キリスト教から、多様化し土着化した日本製キリスト教まで、歴史・思想・民俗研究の空白部分を埋める、初めての包括的、実証的研究。

著者プロフィール

マーク・R・マリンズ(マーク アール マリンズ)

マーク・R.・マリンズ(Mark R. Mullins)1954年アメリカ合衆国アラバマ州生。アラバマ大学卒業、リージェント大学(カナダ)を経てマックマスター大学(カナダ)で博士号取得。宗教社会学専攻。1985年から日本在住。四国学院大学、明治学院大学をへて現在は上智大学比較文化学部教授。Minorities in Canada (1989)、編著書にPerspectives on Christianity in Korea and Japan(1995)、Religion and social crisis in Japan(2001)、Handbook of Christianity in Japan(2003)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

高崎 恵(タカサキ メグミ)

【訳者】高崎恵(たかさき めぐみ)1963年生。国際基督教大学卒業、同大学大学院で博士号取得。文化人類学専攻。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所COE特別研究員、オックスフォード大学クィーンエリザベスハウス客員研究員を経て、現在は国際基督教大学、東京女子大学、東洋大学非常勤講師。著書に『自己像の選択---五島カクレキリシタンの集団改宗』(国際基督教大学比較文化研究会、1999年がある)。

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コメントとトラックバック 1件 »

  1. 書評を寄せさせていただきました。

    マーク・R・マリンズのこの本は、無教会など日本の代表的なキリスト教土着運動を扱った本であるが、日本におけるキリスト教や宗教の移植と土着などについても広く大変明快に分析していて、非常に興味深い書物である。
     前半は土着化が必然の方向であることを説く論調である。どこの文化においても現地の人々は移植された宗教伝統を再解釈しようと取り組んでおり、外来のものをわがものにしようと試みる。それは一種流用の過程ということができ、宗教は必ずその土地固有の形を取って現れるものである。
     日本のキリスト教土着運動を興した人々は、移植された教会には使徒キリスト教に対して2千年にわたるヨーロッパ化の影響が浸透しており、変貌してしまっていると見て脱西洋化をはかろうとした。これは私にとって斬新な視点であり頷ける点である。
     著者は「正統か異端か」を問う神学的議論ではなく、社会学的観点から研究者として記述している。日本のキリスト者は従来の日本文化の中にキリスト教につながるものを感じ、神がいかに働いていたか、を考えていた。すなわちそれは「キリスト教以前の過去のキリスト教化」と呼べるものであるという。これは非常に広範な視点から見る古屋安雄やラーナーの立場に共通するものである。
     土着化は無教会を起点に類似の教会が20世紀初頭以降次々と興っていて、創始者の代が充実していた頃には小規模であってもそれぞれ急速な発展を遂げた歴史を残している。私が注目したひとつは、多くの土着運動が死者の救いを重大な問題と受けとめて、「イエス
    の御霊教団」が死者のバプテスマを執行している点である。
     後半に入って土着化の真剣な取り組みと一時見られた伸張にもかかわらず、土着化が万能薬ではなかったという論調に転じる。その前に日本のキリスト教そのものがいまだに人口の1%を占めるに過ぎず、不振を極めていることに触れ、「何がキリスト教移植を阻むのか」(8章)と問う。関連して終戦直後の日本基督教団の様子を取り上げている。近年(例えば1990年)受洗者が3千名にも及ばなかったのに対し、1947-1951にかけて毎年1万を上回って洗礼を記録していた。しかし、信者の維持は極めて困難で、「その様子はあたかも誰かが玄関から入ってくるあいだに大勢が勝手口から出てい
    っているかのようだった」、というロバート・リーの研究を引いている。そして今日無教会を含め多くの土着運動が会員数の激減に直面し危機に瀕していることを報告している。
     日本におけるキリスト教不振の原因として、西洋との文化的断絶が大きく、「逸脱した宗教」という見方が依然根強いこと、日本のキリスト教会の大半が主知主義を特徴とする聖職者中心の制度になりがちで、今日の求道者が経験志向であるのに参加の機会がないという点をあげる。「西洋化して成長しないひ弱な」存在という見方を紹介している。
     この書物は日本人の立場に立って記されていて抵抗を感じないで読むことができる。数々の示唆に富む分析は日本のキリスト教の指導者、一般会員にとって必読の書であると言える。

    コメント by 沼野治郎 — 2009/6/26 金曜日 @ 16:43:24

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