下末 伸正
発行:子どもの未来社
この版元の本一覧
四六判 256ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-901330-25-1(4-901330-25-X) C0037
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年02月
書店発売日:2003年01月23日
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紹介

 「新しい学力観」「ゆとり教育」「個性を伸ばす教育」「特色ある学校」など、コロコロ変わって、でもちっとも成果が出せない日本の公教育。現場は振り回され、疲れきっています。悪循環が起こっています。 
 それは、子どもや学力や教育についての無理解と誤解があり、詭弁に踊らされているからです。本書は、それらに「だれにでもできる平凡な方法」で挑み、確かな成果を上げた取り組みをまとめたものです。 
 しかも、公立の中学校の実践です。小学校の取り組みについては、さまざな本が出ています。しかし、大いなる矛盾のなかで苦しんでいる状況は、むしろ中学校のほうが深刻なのです。そこに一石を投じる本、うつ病寸前の教師や「できない教師」ではないかと悩んでいる教師にとって、ほっとする本です。

目次

第1章 どの子の学力も伸びる中学校 
1 毎日わずか15分の「基礎学力を育てる時間」     
2 基礎学力を育て父母の信頼を得る   
3 学級通信で父母に子どもの姿を伝える 
4 「私らは優秀だったんよねぇ」   
5 過疎の小さな学校でも伸びた 
●「古い学力観」「古い形の授業」でいい/勉強をとおして信頼を育てる 
6 新入生には九九とひらがなとカタカナを 
●ひらがなとカタカナに弱い中学生/九九の練習を喜んでする中学生たち 
  
第2章 基礎学力を育てる5つの柱 
1 気楽にする 
●がんばると見失うものがある/敷居を低くする
2 気長にする 
●成長のしかたは子どもによって違う/勉強の方法を間違えると伸びない
3 毎日続ける  
4 子どもの気持ちを大切にする 
5 目標は低いほうがいい 
●目標は実現しなくては意味がない/ほめると伸びる/ちやほやしない  
 
第3章 基礎学力を育てる5つのポイント  
1 勉強するのは班ではなくあくまで個人 
●辞書を引いたり、資料を調べたりしない/班学習だけでは自立できない 
2 習熟度別授業などはしない 
●個性は一斉授業でこそ光る/学級全体で学ぶ雰囲気をつくる 
3 欠点を集める学校と長所を集める学校 
●「できない教師」が基礎学力を育てた/「できない教師」ばかりの職員室 
4 基礎学力が高まるとクラブ活動も活発になる 
5 現実に即して経験を変えていく 
●楽をして効率よく/先を考えてゆっくり、ぼちぼちと 
 
第4章 基礎学力を低める6つの誤解 
●創造的な人間は完全か 
●勉強は目標実現のための道具か 
●九九は覚えなくてもいいか 
●知識の注入は必要ないか 
●一斉授業では子どもは伸びないか 
●競争は子どもの学力と個性を育てるか 

前書きなど

 広島県蒲刈町の向中学校では、もう20年ほども前から「基礎学力を育てる取り組み」をしていました。向中学校から転勤していった知人は、「向中学校の子どもたちの学力は高い」と言います。同じ町内にある蒲刈中学校も同様の取り組みをし、その成果は、卒業していった子どもたちが示しています。 
 しかし、教師が特別にがんばったわけではありません。むしろ「気楽に」「気長に」続けてきました。いまの低学力を克服する鍵は、「がんばらないで、気楽に、気長に、続ける」ことにあります。 
 では、「がんばらないで、気楽に、気長に、続ける」ことがなぜ大事なのでしょうか。まず、なにより小学校までの教育で勉強が好きでなくなり、家庭での学習習慣もついていない子どもたちが入学してくるという現実があるからです。同僚は「赤字を抱えて入学している」と言いました。また、反抗期という自立の時期を迎えているからです。 
 このような中学生に、基礎学力を育てる方法を子どもたちに示しただけでは、低学力はとても解決できません。また、強制して勉強をさせたとしても、限界があります。逆に、まわりの人たちをやさしく見る目や、自分のよさを見つける目を育てることと、基礎学力を育てることをしっかりつないでいくと、子どもたちはすすんで基礎学力を伸ばしていきます。 
 そのためには、子どもたちを長い目で見ていくことが必要です。それは、「がんばらないで、気楽に、気長に、続ける」ことでできます。言い換えると、「急がば回れ」です。すると、子どもたちは自覚的に自分を変えて育てるようになり、驚くほど伸びます。 
 いろいろな学校があります。どんな学校でも、置かれている条件を生かして適切な教育をしていけば、子どもたちは伸びます。本書で紹介した取り組みが、全国の中学校に波紋を投げかけていくとしたら、この上ない喜びです。

版元から一言

あの陰山英男氏も推薦!「山口小学校のような中学校が広島にあった!未来をひらく教育に挑戦した教師だけが知る、喜びと苦しみ、そして感動がここにある!」

著者プロフィール

下末 伸正(シタスエ ノブマサ)

 1950年生まれ。山口大学文理学部理学科卒。現在、広島の公立中学校教員。科学教育研究協議会員・男女平等をすすめる教育全国ネットワーク会員・お産ネットワークえひめ会員。 
 著書に『時間をかけずに楽しくのりきる「総合的な学習の時間」』(子どもの未来社)、共著書に『両性の平等と学校教育』(東研出版)などがある。

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