発行:オフィスエム 発売:オフィスエム
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四六判 236ページ 並製
定価:1,429円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900918-70-2(4-900918-70-9) C0031
在庫あり
奥付の初版発行年月:2004年09月
書店発売日:2004年09月07日
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紹介
“よくもまあ、毎日いろいろなことが起きるものだ…”林野の世界を歩いてきた元・山官が、地方行政に目を白黒!
国内初のBSE、ゴミ不法投棄、成田空港や三番瀬、財政危機…「日本の縮図」とも言われる千葉県で、注目の堂本県政の副知事として東奔西走の日々を綴った3年間の実録。
目次
プロローグ●運命とはわからぬもの
1●堂本県政 怒濤の船出
成田空港やディズニーシーだけが千葉ではないのだ
深夜のゴミ不法投棄パトロール隊に同行
国内初のBSE!? 酪農発祥県のプライドをどう守る
最近注目を集める「東葛テクノプラザ」って何だ!?
千葉モノレール路線延長に県が「待った!」
56の外郭団体にメス。腹をくくって臨む行政改革
堂本知事と夜の成田へ…あまりの騒音に絶句
ニューイヤーカウントダウン with ミッキー
環境省が何と言おうと、やるべきことはやるのだ
過去最大の緊縮予算。キーワードは女性の視点だ
利根川とくればやっぱり「川歩き」でしょ!
若者が行動する時代…さあ、日本の未来はどうなる?
寄稿●異能の人/元毎日新聞千葉支局長 倉重篤郎
2●とことん現場主義なのだ
職員の26パーセントが異動。悩みに悩んだ人事で新年度へ
BSE問題は危機管理の絶好の教材だ
ヤッシーの「車座」とはひと味違う「千葉なの花県民会議」
発展か保全か…。埋め立て問題で揺れる三番瀬へ
三番瀬円卓会議は千葉デモクラシーの試金石なのだ
財政再建団体に転落なんて絶対ダメよ!
4県知事、衛星対談で「地方の未来」を熱く語る
超刺激的だった「NPO立県千葉タウンミーティング」
赤鬼の目に涙…C・Wニコルの森にかける思い
伝統林業の里、山武の森の悲鳴が聞こえる
子どもたちと盛り上がった「よさこい高知国体」
新産業・国際化・NPOの視点で の特区をエントリー
「まちに映画がやってくる!」千葉県フィルムコミッション始動
日産ゴーン会長にパブリシティを学べ!
“房州の屋根”大多喜町会所で山村振興を考える
沖縄激戦の地、摩文仁の丘で大田司令官に学ぶ
千葉独立国構想をぶちあげ、毛利さんと宇宙旅行だ!
残土が実らせたミカンの味は、「……?」
全国初の保全条例で、自然の宝庫「里山」を守れ!
ジェンダーフリーな条例案に、自民党県議どうする!?
千葉県警は600万県民の安全を守る“正義の味方”だ
寄稿●千葉の自然環境と里山/千葉県立中央博物館生態・環境研究部長 中村俊彦
3●国がやらなきゃ俺らがやるぜ!
堂本知事の元気の秘密は「健康手帳」にあり
「森の癒し」を新しい林業に。森林インストラクターの挑戦
ゴルフ場から都市緑化まで、芝のことなら千葉におまかせ
大成功の全国植樹祭。長野からの“菜の花救援”に感謝
行政暴力対策室は、不正に立ち向かう県庁マンのシンボルだ
国がやらなきゃ県がやる。急げ!経済対策
和田漁港でクジラ解体のド迫力に息を飲む!
納税をめざすチャレンジドたちの熱き思いに感動
木材チップから出火相次ぐ。建設リサイクル法に欠陥あり!
もたつく国を後目に1都3県でディーゼル排ガス規制
クールな高校生ゴルファーに副知事タジタジ
利根川歩きゴールへ。旅の総括は「ゴミ対策に蛮勇を!」
エピローグ●子どもたちに、豊かな郷土を引き継ぐために
一、県土の秩序ある利用
二、住空間の再整備
三、多様な産業振興への夢
四、外国人就労者との共存共栄
五、コミュニティ的発想での施設整備
六、教育に活力を
あとがき
前書きなど
プロローグ●運命とはわからぬもの
平成13年3月25日、この日に第16回千葉県知事選挙が行われた。私は間もなく去る予定の長野市にある国の公務員宿舎で、役人生活31年を振り返り、「もうこれで長かった引っ越し生活も終わりにしたいものだな」と思いつつ、選挙速報を流すであろうNHKテレビを気にしていた。開票とほぼ同時に当確を出すというシラケタ選挙が最近よくあるが、この日は違っていた。午後10時近くになっても何の音沙汰もない。気になって千葉県選管の電話速報を聞くが、8時現在の投票状況が間延びしたように流れるだけである。
「いったいどうなっているんだろう。ダメかもしれないな、何て言ってあげたらいいんだろう。しかし、こんなに結果が出るのが遅いのは、競っているからじゃないかな。まだまだ諦めるのは早い!」などと自分に言い聞かせながら、さらに待つこと1時間余り。11時10分過ぎでなかったろうか。「千葉県知事選挙速報堂本暁子当選確実」のテロップが流れた。
「お母さん、やったぜ堂本さん!」
直ちに携帯電話をつなぐ。最初に入ってきたのは堂本さんの声ではなく、選挙事務所で歓声を上げている応援の方々の大きな声であった。
「おめでとう堂本さん、よかったですね。これからもがんばってくださいよ!」
堂本さんとのおつき合いは、平成5年の秋に始まる。私が林野庁の基盤整備課長として、全国の民有林につける林道整備の責任者であったときに、参議院環境特別委員会で堂本議員の質問に対し説明員として答弁に立った。当時の森林開発公団が山形県内で作っているスーパー林道が、問題視(広大なブナ林の保全とイヌワシの保護)されたのである。その後、鹿児島県の奄美大島での林道問題(アマミノクロウサギの保護)など3回ほど答弁におつき合いしたが、これがご縁で堂本事務所に通うことになった。外国からのスタッフなど、他の議員事務所にはない魅力的なメンバーがたくさんいたことも足を向ける原動力となった。
そんななかで忘れられない出来事として行革の嵐があげられる。議員が、新党さきがけを代表して自民党(橋本総理)、社会党(土井委員長)との連立政権を組んでいた頃である。林野庁の国有林野事業が3兆円にも上る借金を抱え、その組織をどのように改革するかが行革の俎上に上っていた。総理をはじめ、強い環境サイドに立った組織改革の動きがあったが、「時期の選択を慎重にすべき」とのより現実的な対応にも耳を傾けてくれた当時の議員には、今でも感謝している。
平成12年に入ると、堂本さんは13年7月に予定されていた参議院選挙の準備に向けて動き出した。長野県小諸市の自宅を拠点に、しばしば県内各地を訪問していたのである。当時、私は長野市にある林野庁の出先機関の責任者を務めており、私が蕎麦道場の修行で身につけた手打ち蕎麦を囲み、堂本さん、C・W・ニコルらと豊かな長野の自然環境を肴に懇親を深めたものである。
そんな堂本さんに千葉から知事選へのラブコールがあったのは、平成12年の秋も深まったころだと記憶している。当初は辞退していたものの、年を越してからの更なる強い要請のなかで、天命と決断したと伺っている。私自身も一身上の理由から退職を決めていたが、「堂本さんのためなら何でもお手伝いしますよ」と軽い気持ちで3月25日を迎えていたのである。
それからが大変であった。4月1日付の退職日を迎えても、自分自身の第二の職場の行き先を誰にも言えないのである。副知事・出納長など地方公務員の特別職は、議会の承認が必要で、千葉県議会は4月20日に臨時議会を開いて、副知事の人事案件を処理することとなっていた。
国の役人時代は、発令の1週間前に内示があって、新ポストへ就く前に関係者に挨拶を行うのを常としたが、今回は違う。送別会が3月下旬から4月上旬にかけて行われたが、何とも歯切れの悪い挨拶しかできない。議会勢力を政治的な力関係から「与野党」と表現するとしたら、無党派知事の人事案件を各党派はどう位置づけたのであろうか。
現職時代お世話になった農林水産省の幹部や、再就職を予定していた組織への事情説明などのあわただしい日々を過ごすうちに、運命の4月20日がやってきた。議員全員の賛成を得たなかで、議場で就任の挨拶をする自分を、傍聴席から見つめるもう一人の自分がつぶやいた。
「運命とはわからぬもの。天命に逆らわず、決しておごることなかれ」と。
版元から一言
千葉県民へ、地方行政に携わるすべての人へ。
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著者プロフィール
大槻 幸一郎(オオツキ コウイチロウ)
千葉県副知事。1948年(昭和23年)、新潟県湯之谷村生まれ。1970年から農林水産省林野庁に勤務。北海道、東北、九州の森林管理に携わる。知床半島や白神山地で「森林の伐採か保護か」の問題に直面。多額の借金を抱えた国有林の改革では労使交渉の矢面を担当。1998年、中部森林管理局長に就任。2001年退官後、堂本暁子千葉県知事から指名を受け、山官時代に培った経験をいかし、地方行政に取り組む。日本最長の信濃川・千曲川(2000年)と第2位の利根川(2003年)の全線踏破。著書に「千曲川ひとり歩き旅」(オフィスエム)、「週刊にっぽん川紀行・信濃川」(学習研究社)など。
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