新版 ゴロちゃんのマゼラン海峡見聞記
土屋 孝雄
発行:オフィスエム
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四六判 339ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900918-66-5(4-900918-66-0) C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2004年06月
書店発売日:2004年06月01日
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紹介

どうやらこの放浪癖は一生治りそうもない……
ある日、心のエルドラード(黄金郷)を求めて、52歳の男がひとり南米の最南端を目指して旅立った。

目次

01 一路ブエノスアイレスへ
02 地球最南端の街ウスアイア
03 マゼラン像との出会い
04 パイネの烈風
05 パタゴニアの夜行バス
06 最果ての国際定期便
07 のどかなフォークランド
08 タンゴの国アルゼンチン
09 なつかしのサンパウロ
10 国境の街コルンバ、プエルトスアーレス
11 サンタクルスの靴磨き少年
12 洗練されたサンチアゴの街
13 さらばわが同胞よ!
新版のためのあとがき

前書きなど

【新版のためのあとがき】

 平成12年に『ゴロちゃんのマゼラン海峡見聞記』を出版しましたが、発行部数が少なかったのか、はたまた信越放送ラジオの人気番組「武田徹のつれづれ散歩道」に出演させて頂いたお陰か? 在庫がなくなってしまいました。

 ともかくこの現象が嬉しくもあり、手持ちがなくなったことは寂しいことでもありました。 
 信越放送のスタジオでたまたまお会いしたオフィスエムの村石氏に相談したところ、初版とは違った角度から編集をして頂くことになり、ここに再度出版することができました。
 お力添えを頂きました皆様に、篤く御礼申し上げます。

 さて、小生が小学生の頃(昭和30年頃)は、凶作の年は学校にお弁当を持っていかれない貧しい子供がいたほどで、それゆえか学校給食が始まりました。

 表題の「ゴロちゃん」はそんな時代背景と共に少年期を過ごし、学芸会での役が「五郎」だったか「五両」だったか定かではありませんが、それ以来ゴロ、ゴロと呼ばれていました。

 その頃夢中で読んだ「冒険ダン吉」「ターザン」「南太平洋」「外国航路」「シンドバットの冒険」等のマンガ本の数々。幼い小生の頭の中はいつもそんなストーリーが渦巻いておりました。その頃から、何年かかろうとも地球を見てやろう、一周してやろうと漠然と心に決め、夢の実現のためにはどうしたらよいか、どんな方法があるのか、方々から資料や情報を集めるのも楽しみの一つでした。

 その頃は南米移民が盛んで、しかも国から融資が受けられることもあり、19歳で単身移民船に乗って太平洋航路(ロスアンジェルス─メキシコ─パナマ─ベネズエラ経由)で50日かかってブラジルへ渡り地球半周が実現しました。そして5年間働きながらブラジルを放浪しました。

 帰途は大西洋定期航路便の(ケープタウン─マダガスカル─カルカッタ─シンガポール─香港に寄港)オランダ貨客船で皿洗いをしながら2ヶ月かかって帰国することが叶いました。これで一応地球一週の夢を果たすことができました。

 帰国後30年が経過し、子供が大きくなって手がかからなくなるにつれて昔の放浪癖が頭をもたげ、52歳にしてマゼラン海峡の一人旅を決行したのです。どうやらこのやっかいな放浪癖は一生治りそうもありません……。

 世界一周を果して30年後、日本でこのまま安穏に暮らしていて良いのか? 俺はこのまま俺の一生を終わっても良いのだろうか? という焦りに駆られていました。白夜のフォークランドを一人で歩いて不思議な境地に陥って以来、運命には抗えず、己の不甲斐なさ、果せなかった野望が静かに消えてゆくことも良しとする心境になりました。

 それら数々の思いは、まさに己の心のエルドラード(黄金郷)を見い出した……そんな気がするこの頃であり、そのことがあの旅を通してわが人生最大の収穫であったことは確かです。

 もうひとつ強く心に残ったこと、それは我が日本民族のステータスが凄く上昇していることがたいへん印象的でした。振り返ること35年前、初めてロスアンジェルスに寄港した時は、我々の船に慰問団が古本、古着の差し入れに訪れたほどであったのに比べ、今回訪れたチリ、ボリビアでは日本への熱い感謝と尊敬の念を抱かれ、彼らはあの大戦さえも日本民族への称賛にしてしまうほどでした。これも戦後の日本経済の復興と、100年も前から移民していた同胞の、他の民族より抜きん出て勤勉、正直者と評価されていることが大きな要因であると思います。

 自分も日本に生まれた者の一人として感謝し、同時に日本の国を誇りに思うことを、多くの人々に強く訴えたいと思っています。

 この旅の最終目的地である南米大陸最南端ホーン岬へ立つことは叶いませんでしたが、信州上田の地より独りパタゴニアを訪ね己の足跡を遺せたことに満足しています。

 また、かつてヨーロッパを沸かせたマゼラン海峡とはいかなる海か、マゼラン船団はいかなる景色気候の中を航海したのか、時代を超えておぼろげながらもこの目で確かめ、ますます彼の偉業と海峡に愛着を覚えることができました。

 その沿岸は今も400年前と何も変わっていないのではないかと思われるほど自然がそのままです。これも世界から忘れ去られた海峡ゆえか……。

 今日もあの厳しいパタゴニアの豪風が、海峡を吹き抜けていることでしょう。

 2004年4月 桜花舞う上田にて 著者

著者プロフィール

土屋 孝雄(ツチヤ タカオ)

昭和16年、長野県上田市に生まれる。長野県立屋代高校卒業。
19歳で単身、移民船(太平洋周り)に乗りブラジルに渡る。5年間をブラジルで働きながら放浪した後、大西洋周りで帰国。
3年間のサラリーマン生活を経て上田市に畳店を開業。
平成6年、マゼラン海峡を目指し南米5ヶ国を一人旅をする。
平成12年『ゴロちゃんのマゼラン海峡見聞記』(絶版)を出版。
平成15年4月より上田市議会議員。上田市国際交流ボランティアにも参加、現在に至る。
「足るを知る」を自己の信条とする。

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