熟年体育大学実践マニュアル
岩下 聡, 能勢 博
発行:オフィスエム
この版元の本一覧
A4判 80ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900918-59-7(4-900918-59-8) C3075
品切・重版未定
奥付の初版発行年月:2003年05月
書店発売日:2003年05月15日
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紹介

中高年の健康促進をはかる地域健康づくりの画期的事業「熟年体育大学」をあなたのまちで! 人材確保の方法から予算、カリキュラムの作り方まで立ち上げノウハウのすべてを大公開!!

目次

はじめに/能勢博

PART1「信州モデル」で熟年世代が輝き始めた!

信州モデルはこうして始まった
高齢者こそ運動トレーニングが必要だった
仲間と一緒に運動すると心も健康になる
元気な高齢者が活気ある地域を創りだす
受講生インタビュー1
 糖尿、高血圧、骨折、腰痛…。病気のデパートだった私が嘘みたい 。奥原利枝さん

PART2 あなたのまちで「信州モデル」を立ち上げよう

信頼できる責任者と魅力的な講師陣をそろえる
予算規模に応じて参加者数を決める
トレーニングに必要な機器とスペース
地域にふさわしいカリキュラムづくり
受講生インタビュー2
 体脂肪よ、さようなら。いい仲間と見つけた健康の喜び。 水島信一郎さん

PART3 トレーニング実践マニュアル
やってみよう! 楽しんでみよう!

【1学年】仲間と一緒に運動の楽しさを知ろう!
開校までの準備◆受講生を募集し、名簿をつくろう
[1]受講生の募集と選抜
[2]参加者名簿を作成し、教材を配布する
健康・体力データの測定◆ 参加者のプロフィールを知ろう
[1]信頼性の高いデータを得るために
[2]測定項目と注意事項
ストレッチ指導◆ からだも心も思いきり伸ばそう
[1]ストレッチ指導のポイント
[2]ストレッチメニューの実際
ウォーキング指導◆1日1万歩をめざして歩こう
運動記録◆ ウォーキング日誌をつけよう
[1]ウォーキング日誌の記入法
[2]OCR専用用紙に総歩数を転記する

【2学年】個別トレーニングで体力アップを実感しよう!
グルーピング◆ 受講生の希望を最優先しよう
[1]トレーニングの実施時間帯を決める
[2]参加希望時間帯をもとにグルーピングを行う
問診◆ リスク保有者を的確に把握する
[1]専門スタッフによる問診の実施
[2]問診結果をもとにリスクの層別化を行う
体力測定◆測定結果をトレーニングに役立てる
[1]からだへの負担が軽い項目から測定する
[3]体力測定メニューの実際
  1.平衡性テスト<閉眼片足立ち>
  2.等尺性筋力テスト
  3.等速性筋力テスト
  4.最大歩行速度テスト<50メートル歩行>
  5.持久力テスト<6分間歩行>
  6.自転車漸増負荷テスト
運動負荷の決定◆ 個人の体力に合わせて設定しよう
[1]マシーン筋力トレーニングの負荷設定方法
[2]持久性トレーニングの負荷設定方法
[3]自重負荷筋力トレーニングの負荷設定方法
トレーニング指導◆ 楽しみながらからだを鍛えよう
[1]トレーニング現場でのスタッフの役割
[2]トレーニングメニューの実際
  1.自重負荷筋力トレーニング
  2.持久性トレーニング
[3]リスク保有者や体調不良者のトレーニング
体力評価◆ 体力アップを実感し、運動意欲を高めよう
[1]体力測定と評価の実施時期
[2]個人データの評価とフィードバック
[3]受講生全体のデータからプログラムを評価する
[4]自己評価と新たな目標設定
受講生インタビュー3
歩くこともできなかった私。熟大に出会って、人生が変わりました。 A・Hさん

PART4 もっと人へ、もっと未来へ
動き始めた「産・官・学」のネットワーク
ITネットワークで拓く運動処方の新時代
いつでもどこでもトレーニングできる環境づくり
地域から変わる21世紀

巻末資料[1]アクティブトレーサーの設定手順
巻末資料[2]※e-ヘルスプロモーションシステムについて

あとがき/信州大学医学部長・小宮山 淳

前書きなど

はじめに:いきいきと輝く熟年世代のために

信州大学大学院医学研究科加齢適応医科学系独立専攻スポーツ医科学分野
教授・能勢 博

 50歳をすぎ、人生の折り返し点を回った「熟年」世代は、ともすれば悲観的にとらえられがちです。「もう年なんだから…」「若い者に任せて…」そんな言葉を耳にするたびに、いろんなことをあきらめていきます。もちろん、若いときに比べて、体力は落ちるし、からだの不調も出てきます。仕事を辞めれば、社会とのつながりだって薄くなります。その先に「老い」という大きな不安が横たわっていることを思うと、悲観的になってしまうのも自然なことなのかもしれません。
 しかし、年をとるということは、マイナスなことだけなのでしょうか。
 私は、熟年体育大学を通して、たくさんの熟年世代とかかわるなかで、熟年こそが「人生の勝負どころ」なのではないか、と考えるようになりました。自分の人生の最終段階を、どのように輝いて生きるかを自分で考え、自分で選び、演出できるのが熟年世代です。子育ても社会的役割も一段落した熟年こそ、真正面から自分を見つめられる世代なのかもしれません。誰もが迷うこの世代をいきいきと輝いてみせることは、若い人たちに対して、とても大切なメッセージになるはずです。命は限りあるものですが、それを越える人生の輝きを、自分のものにできる素晴らしい世代…それが「熟年」なのではないでしょうか。
 松本市熟年体育大学は、平成9年度に有賀市長の強いリーダーシップのもと、信州大学医学部と教育学部、松本市との協力でスタートしました。予防医学の先進地でもある長野県は、全国でも1位2位を争う長寿県でもあり、高齢者医療費は全国最低を記録するなど、ある面では、わが国のあるべき姿を一歩先取りしている県でもあります。
 こうした環境のなかで、熟年体育大学に民間企業も加わってくれるようになってきました。ITによる遠隔型個別運動処理管理システムなど、さまざまな技術開発をすすめながらの産・官・学の新しい取り組みが進みはじめていますし、卒業生やさまざまな分野で活躍する市民講師など、これまでにはなかった住民参加型の講座へと発展しています。
 そして何より、熟年体育大学の一番の成果は、受講生たちがいきいきと輝き始めている、ということです。いつの間にか背筋が伸び、からだを動かすことが楽しくなり、大声で笑う自分を発見する。眠れない日々や医者通いの毎日だった受講生が、1年2年と過ぎるうちにからだと心の元気をお互いに引き出し合いながら、身につけていくのです。高血圧、高血糖などを薬で押さえていた人が、体の内側から変わり、薬の必要がなくなっていく、といった事例にはことかきません。
 予防医学は、現代のような高齢社会には欠かせない医療といわれていますが、医療者だけで本来の予防医学を実践することはできません。そこには、医学の専門家はもちろん、さまざまな分野の、さまざまな世代の人たちが参加し、関わっていくことが必要です。それは、とても楽しく、広がりのある「場」でもあるわけです。熟年体育大学にも、ダンスの先生、自然観察の先生、料理人、英語の先生、写真家など、実に多彩な市民講師がボランティアで関わってくれています。
 松本市で始まった、この試みが、多くの方々の目にとまり、日本中のたくさんのまちで実践につながってほしい。できれば世界中のまちで、この事例が役立つことを願っています。ただし、実践マニュアルはあくまでも松本で試した基本形です。それぞれのケースに応じて自由に応用してください。
 やる気があれば、必ず扉は開かれるはずです。

版元から一言

松本市熟年体育大学の公式テキスト、ワークブック形式の「どんとこい熟年!」とあわせてご活用下さい。

関連リンク

熟年体育大学公式テキスト「どんとこい熟年!」

著者プロフィール

岩下 聡(イワシタ サトシ)

信州大学大学院医学研究科加齢適応医科学系独立専攻スポーツ医科学分野非常勤研究員

能勢 博(ノセ ヒロシ)

信州大学大学院医学研究科加齢適応医科学系独立専攻スポーツ医科学分野教授。医学博士。専門は環境衛生学、運動生理学、温熱生理学、運動トレーニング方法の開発。



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