介護の達人が語った26の物語としょりの気持ち
小島 つる江, 高戸谷 千志美, 藤森 素子, 宮島 渡, 村岡 裕
発行:オフィスエム
この版元の本一覧
四六判 128ページ 並製
定価:1,143円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900918-45-0(4-900918-45-8) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年09月
書店発売日:2001年09月29日
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紹介

介護の現場で何百人ものお年寄りに出会い、寄り添い、暮らしをともにしてきた“介護の達人”5名が語った涙と笑いのエピソード集。家族も知らなかった、お年寄りの“本当の気持ち”があふれている!

目次

もくじ+はじめの二行

●ナミばあちゃんのおもてなし|痴呆の重さと幸せの関係
 入浴サービスをする私のことを、「風呂入れてくれる姉ちゃん」と呼んでくれたのはナミばあちゃん。……
●世話んなってるお返しに|「してあげたい」気持ちの復活
 私が勤めるホームでは、体の弱い人は近くまで、元気な人は少し遠くまで散歩をするのが日課だった。……
●おばあちゃんのお茶番|家族がぶつかる理想と現実のギャップ
 親に、いわゆる「呆け」の症状が現れると、とかく家族は、いろいろなことを禁止しがちだ。……
●味噌むすびが食べてえなぁ|「何でもいいよ」に隠された思い
 「うちのおばあちゃん、何も食べてくれなくて困っています」そんな相談を受け、ご近所でも大家で知られる九十二歳の……
●ここで小便をするべからず|排泄問題から時代が見える
 排泄の問題に悩む、痴呆老人は多い。相談してきたのは、八十代のヒロシさんの奥さんだ。……
●あんたは、どこから来ただかい?|年の功には叶わない
 「すごい呆けてるけど、大丈夫かな?」と家族に心配されながら、初めてデイケアを利用したのりさん。……
●奥さん、色男を連れ込むの巻|相手の舞台に立つということ
 ホームの職員で大騒ぎした「事件」があった。ある職員が、ちょっと風邪ぎみのマツさん(七十八歳)を介抱していたときのこと。……
●下駄箱は寝床の横に限る!|「常識」が介護の邪魔をする!?
 「とにかく履き物を、みんな寝床に持って来ちゃうおじいちゃんがいるんだよ。どうやったって寝床が砂だらけになって困っちゃう。……
●軽トラに乗ってうちへ帰ろう|子どもだましのウソはもういらない
 「うちへ連れてってくれや」あるとき、八十歳で痴呆の正夫さんが言った。それに応え、ある職員がデイサービスのバスで、……




●何年かぶりに風呂入ったわい|「心」に届く介護って?
 それは、保健婦の仕事を始めた十五年ほど前のことだった。私はいつものように、八十代後半のちっちゃなちっちゃなトシばあちゃんのお宅へ、……
●野良着にだってワケがある|繰り返しの技法
 九十歳の千代さんは、いつも古い服を着てしまう。若いときから畑仕事で家族を養ってきた、一家の大黒柱だった千代さん。……
●タンスはおじいちゃんの宝箱!?|本当の「介護の技術」
 これは、ある七十代のご夫婦の話。奥さんが、ご主人の痴呆にどう関わっていいかわからないということで、……
●どうしてこのうちは昼メシ出ねえだい!?|認めることから始めよう
 ある日のこと。お昼を食べて一時間もしないうちに、「ご飯食べてない」という入居者がいた。……
●長寿の秘訣ここにあり|保健婦のマル秘健康講話
 かつて、介護関係の仕事に携わる四十代の男性に聞いたことがある。「年をとると、変な雑誌見たいと思うことないんですか?」……
●バチが当たる、バチが当たる|呆けてもボケない心がある
 「うちじゃお風呂だって入ってくれないし、目を離すと外へ出てっちゃうんだから」と、涙なみだのお嫁さん。……
●信長に切られそうになったおばあちゃん|妄想は本人が一番つらい
 痴呆老人の妄想というのは、私たちには想像もつかないことがある。一人暮らしの方のお宅に、ヘルパーとしてうかがっていたときのことだ。……
●異邦人体験|自分の居場所を見つけること
 老人ホームの施設長になることが決まっていた私は、ある福祉先進国へ研修に出掛けた。ところが、とんでもない連絡ミスで、……
●102歳「ツッパリのミツ」の涙|最後まで自分らしく生きる
 一〇二歳で亡くなるまで、一人暮らしをしていたミツさんは、早くにご主人をなくし、苦労して息子さんを育てられ、……
●おらはどうしたらいいんだい|おばあちゃんと家族の深い溝
 脳卒中で倒れ、左半身が不自由になった八十八歳のクニさんが、私たちの施設に入所することになった。……
●出世払いを誓った九十五歳|舅と嫁の三十年
 義父とともに暮らした三十年は仕事に役立ち、ヘルパーという仕事は義父と付き合うことの理解に役立った。……




●露出じいちゃんと夜這いじいちゃん|さみしい気持ちはどこへ?
 ある施設に、二十代の女性ケアワーカーに嫌われてる、いわゆる「露出狂」のじいちゃんがいたという。……
●犬に最敬礼!|介護は生活そのものだ
 朝食後、お天気がよかったので、お年寄り六人とご近所を散歩していたときのことだ。一匹の小さな犬が、……
●裏切られつづける老人たち|こんな施設はもういらない
 私がサラリーマンを辞めて、一番最初に出会った老人ホームはひどい場所だった。多分、ひどいものを見てしまったから、……
●今日もまた生きてたわい|役割と作業と生きがいと
 ある日のこと。朝早くから、八十歳間近の小林さんはベッドに座っていた。「おはようございます」と挨拶をしたところ、……
●もう、がんばれって言わないで|新しい自分を受け入れること
 脳出血で倒れ、車椅子での生活を余儀なくされた七十歳の茂さん。元気で働き者だった人なだけに、……
●大根があるから大丈夫|蘇る地域社会
 私たちの施設があるこの地域の老人たちにとって、野菜を作るということは、生きていることの喜びであり、……

痴呆老人をめぐるささやかな幸福論/矢嶋嶺

編集後記

前書きなど

推薦●鎌田實氏・諏訪中央病院管理者(『がんばらない』集英社刊・著者)

「ボケ」も「寝たきり」も、もう怖くない。
人間ていいなぁ、人間てすごいなぁ、と思いながら僕はこの本を読んだ。泣いたり、笑ったりしながら……。

版元から一言

本書は、さまざまな立場で老人介護にたずさわる5名の「介護実践のプロ」が、自らの経験をもとに語りおろしたエピソードをまとめたものです。
介護ハウツー本とは違った、「介護する心のテキスト」として介護教室、ヘルパー講座などでも活用されています。

関連リンク

版元サイトの紹介ページ(関連本など)
特別養護老人ホームともしび
高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ

著者プロフィール

小島 つる江(コジマ ツルエ)

グループホームにこにこハウス(山ノ内町)管理者
1934年生まれ。1969年より山ノ内町でホームヘルパーとして勤務。1995年に山ノ内町社会福祉協議会を退職し、2000年より現職。長野県介護福祉士会初代会長を務め、現在は名誉会長。介護福祉士。

高戸谷 千志美(タカトヤ チシミ)

信州新町保健婦
1963年生まれ。国立療養所東長野病院附属看護学校・長野県公衆衛生専門学校保健婦学科卒業後、個性的な保健婦との出会いをきっかけに信州新町に就職し、現職。有線TVの介護番組の企画等も手掛ける。

藤森 素子(フジモリ モトコ)

ニチイ学館専任講師
1938年名古屋生まれ。短大卒業後、幼稚園・保育園に勤務。1980年より岡谷市社会福祉協議会勤務。心身障害児母子通園訓練施設を経て、ホームヘルパー。1999年より現職。介護福祉士。

宮島 渡(ミヤジマ ワタル)

高齢者総合福祉施設アザレアンさなだ(真田町)施設長
1959年生まれ。大学卒業後、金融機関に勤務。老人ホームの生活指導員を経て、1993年より現職。長野県社会福祉士会会長。長野県デイサービスセンター協議会会長。

村岡 裕(ムラオカ ユタカ)


特別養護老人ホームともしび(武石村)施設長
1958年大阪生まれ。桃山学院大学社会学部卒業。児童養護施設に勤務後、食品会社工場長、メーカー営業職、自ら立ち上げた木工所の資金調達のための長距離運転手等様々な職種を経て、1996年より現職。長野大学非常勤講師。

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