鬼無里の木遊人・高橋敬造の世界Mother
高橋 敬造:著, 寺島 純子:著
発行:オフィスエム この版元の本一覧
B6変 60ページ 並製
定価:1,200円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-900918-44-3 (4-900918-44-X) C0071
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年09月 書店発売日:2001年09月21日
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紹介

信州奥裾花・鬼無里村の木彫作家、高橋敬造の作品+寺島純子によるエッセイ。山里の光とともにやさしくあたたかく語りかけるモノクロームの世界。

目次

鬼無里の木遊人/気配だけの場所/空からの言葉ヨ/まきごやの樸散人/傷痕の物語/地上の樹根/夢の住処
イコンと仏の間で……異形なるものに魂を刻む人・高橋敬造(村石 保)

前書きなど

(本書・後記より)
 彫刻家でも仏師でもない敬造さんが十数年の間に黙って彫り続けてきた作品たちは、ひとつとして同じ気配のものはなく、あるものはモダンに、あるものはユーモラスに、新たな生命を授けられながら眠っていた。部屋の片隅で誰に眺められることもなく佇んでいる作品たちに向き合ったとき、みんなが、この時を待っていたとばかりに語りはじめているような感覚がした。この子たちを、もっとたくさんの人に見せてあげたいと思った。
 本来、誰かに見てもらうために作ったわけではないのはわかっていたが、作品ひとつひとつに授けられた新しい命を、世に放ってもいいんじゃないだろうか。そんな気がした。それで僭越ながら、今回、本という形にして紹介することにさせていただくことにした。
 本のタイトルは「マザー」。なんで「母」なのか、と随分まわりの人から聞かれたけれど、私には「マザー」以外の言葉は浮かばなかった。本人が意識しているかどうかはわからないが、敬造さんの創作の源にあるものは「母」そのもののような気がしたからだ。木に立ち向かうとき、ノミを入れるとき、敬造さんは、ひとつひとつの木のそれまでの人生に思いを巡らし、「それでいい、だからいい」と語りかけているのではないか。すべてを受け入れる慈愛の心。それは母性である。
 素材やテーマと、とことん戦って作品を作る人もいるだろう。でも、高橋作品はどれも、ただの木ぎれだった時からもっていた元々の個性に逆らわず、いや、もっとずっと前の大地に生えていたときの個性を引き出されて新しい形になっている。だから、どの作品も喜んでいる。私にはそう思えるのだ。
 作品たちは、十数年の沈黙を破って、初めて多くの人の目に触れることになった。この子たちが、これからどんな人生を歩んでいくのか。母も助産婦ももはや手助けはできない。
 でも、きっといろんな人の元で何かを語りかけてくれるのではないかと思う。それだけの力を、敬造さんは授けているはずだから。
 本書が、ひとりでも多くの人たちの手にとどき、新しい出会いがここから始まることを祈って……。

版元から一言

薪や傷のある木、変形した木の根……役に立たない木の塊たちが、高橋敬造の手でみずみずしい造形となって、生のメッセージを投げかけてきます。

著者プロフィール

高橋 敬造(タカハシ ケイゾウ)

木彫作家。1946年神奈川県生まれ。長野県鬼無里村在住。

上記内容は本書刊行時のものです。

寺島 純子(テラシマ ジュンコ)

出版社「オフィスエム」代表。著書『山の道化師・パックマンと笑っていこう』『Mother鬼無里の木遊人・高橋敬造の世界』(ともにオフィスエム発行)

上記内容は本書刊行時のものです。
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