発行:オフィスエム
この版元の本一覧
B5判 128ページ 並製
定価:1,429円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900918-34-4(4-900918-34-2) C0077
在庫あり
奥付の初版発行年月:2000年10月
書店発売日:2000年10月20日
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紹介
離乳食があるなら介護食があってもいいはず。お年寄りが食べやすくて、成人病予防にも役立って、おいしくて、しかも簡単にできる料理を、料理研究家が自身の介護経験のなかから作り出しました。オールカラー、ひと目でわかる写真+イラスト解説つき。介護を助け、家族の健康食としても使える、実用度2倍の決定版レシピ集!
目次
1 噛むよろこびが味わえる
そのままかぼちゃスープ/里芋のふわふわ蒸し/とろとろ卵スープ/あんずゼリー/お米と野菜の柔らかスープ/こうや豆腐の五目中華蒸し/きのこと麩のスープ/ぷるるんトマト/洋風すいとん/ゴマ豆腐/シーフードのクリームスープ/簡単かぼちゃプリン
2 素材がわかって柔らかい
つるつる寿司/丸なすの変わり蒸し/そうめんサラダ/野菜のこうやとじ/きゅうりのそぼろあんかけ/くずしこうやの八宝菜/きゅうりの詰め煮/肉づめこうやの含め煮/こうやのロールキャベツ/白菜シュウマイ/こうやのマーボー風/白菜の重ね煮/びっくり卵いなり/こうやの卵とじ/あさり粥/めかぶとこうやのツルツル和え
3 低カロリー〈ニセモノ〉料理
ひとくちこうやカツ/こうや豆腐のカツ丼/こうやウナギ/しらたき焼きそば/こうや春巻き/おからギョウザ/おさかなバーグ/納豆コロッケ/こんにゃく納豆/あべかわこうや/こうや豆腐のかりんとう/フレンチこうや/そば粉の大納言
4 家族みんなで楽しめる
イカの五目豆腐/五目豆腐の餅米蒸し/きんちゃく豆腐/こうやの博多巻き/こうや豆腐の土佐揚げ/揚げ出しこうや/野菜とこうやの水炊き/カボチャとチーズの春巻き/野菜の梅和え/豚肉のモリモリ温野菜/イワシのナッツ揚げ/じゃがいもきんぴら/こんにゃくの白和え/こうやオムレツ/昆布の三色巻き/変わりなます/厚あげのはさみ焼き/紅白巻き/だて巻き/長芋のさっくり揚げ/おからどんぶり/ゆきんこ寿司
5 旬の素材で健康に
竹の子の豚肉巻き/焼き竹の子/ツナ竹の子/竹の子の味噌汁/
ワラビのやまかけ/ワラビと身欠きニシンの煮びたし/揚げこうやの菜の花和え/夕顔のあっさり煮/夏野菜のチーズ焼き/清流そうめん/夏野菜と白身魚のまろやか焼き/イワシの梅肉焼き/つみれの大葉焼き/ドジョウ汁/根菜の酒かす煮
6 大人のヘルシーおやつ
さくさくこうやクッキー/芋りんごのはちみつ煮/こうや入りいも団子/そばチップス/そば団子/そばせんべい
介護する人の味方、アッという間の超かんたんメニュー
こんにゃくの酢味噌和え/さやいんげんのマヨ味噌和え/なめたけ和え物(長芋和え/大根おろし和え/イカときゅうり和え)
目からウロコの アイディア料理
昆布茶だけで驚きのうまみ(こぶ茶大根/蕗のこぶ茶煮)/味噌汁の具が大変身(超・簡単酢の物/超・簡単和え物)
カンタン料理にはワケがある!
杉山流いざというときに役立つ裏ワザ集
甘味噌(小いものからめ煮/焼きなすの甘味噌添え)/簡単だし汁/酢漬け(蕗のとうの甘味噌和え)/そのまま冷凍 (風味満点きのこ/笹の葉の冷凍)/ビン詰めコレクション(山菜の塩漬け/きのこの醤油漬け/きのこの塩漬け/あんずペースト・さっぱり和え/じこぼの味噌漬け・おろし和え/しその実の塩漬け・野菜の即席漬け/竹の子のビン詰め)
[column]介護のヒント
食べる意欲は生きる意欲(草薙歯科医院・草薙雄俊)
介護食はペースト状?
歯と口が支える体とこころの健康(草薙歯科医院・草薙雄俊)
ちょっとした工夫で食欲増進
近ごろ話題の「大豆イソフラボン」に注目
こうや豆腐はインスタント食材の王様
からだの栄養、足りてますか
悲しいときこそ笑ってしまおう
[special column]
「介護される気持ち」を知ることから(長野県食生活改善推進協議会々長・原 揖)
介護はみんなの問題。そうなる前から食改善を(長野市会議員・阿部孝二)
〈素人〉のそば打ちが考える料理の喜び(中部森林管理局長 大槻幸一郎)
前書きなど
はじめに●介護食は支え合いの料理/杉山幸子
私は、数年前まで介護問題を真剣に考えたこともなく、まして痴呆症などは他人事のように思っていました。幼い頃からお年寄りに縁があり、郷土食の作り方や暮らしの知恵など、たくさんの大切なことを教わってきたにもかかわらず、「介護」という問題を自分のこととして考えたことがなかったのです。
そんな私を目覚めさせたのは、妹からの一本の電話でした。
「姉ちゃん、たすけて!」
電話のむこうの妹の声は、悲痛な叫びに聞こえました。同居を始めた姑の痴呆がひどく、疲れきった妹が私に訴えてきたのです。駆けつけた私が見たのは、痴呆のお年寄りの悲惨な実態でした。
失禁を隠そうとして汚れたものをタンスにしまう。オムツをはずして家の中を歩き回り汚してしまう。昼間は眠り、夜、家族が眠ると朝まで大声でわめき、家中の部屋を覗く。泥棒が入って自分のお金や物が盗まれたと繰り返し訴える。……頭もよく、しっかり者で、商売家を切り盛りしていた姑さんだっただけに、私も言葉を失いました。
と同時に、二十四時間三六五日、毎日毎日こんな生活を強いられている妹の苦労が身にしみました。電話はやり場がなくなった妹のSOS信号だったのです。
あれから、私自身も介護する生活が始まり、妹の苦労や、たくさんの介護をしている方たちの気持ちが身にしみてわかるようになりました。
痴呆症は、ある日、突然起きる病気でなく、ちょっとした不安やショック、何かで寝込んだことなどが原因で一気に進みます。同居している家族は、だんだんに進む痴呆症を受け止めて、介護に取り組めるように努力するのですが、日々の介護生活は、精神的にも肉体的にも想像を絶する苦労があります。家族の支えと身内の理解がなければ、共倒れどころか、介護する人がストレスで亡くなってしまうケースも少なくありません。
また、寝たきりになって病院に入院してしまうと、医療に任せきりになって家族もなかなか顔を見せないとか、お年寄りを呆けたからといって赤ちゃんのように扱っている光景を見かけます。「お年寄りは大人なのに……」と切なく思います。
介護は、する人にとっても、される人にとっても同じように大きな問題です。
私の八十七歳になる舅も、物忘れが激しくなり、自分の思っていることと言動がちぐはぐになってきました。姑も三ヶ月前に倒れ、入院してからは、昔のことを現在のことのように話したり、意味不明なことを繰り返し訴えています。でも、病室から外へ散歩に連れ出してやると急に脳細胞が動き出すようで、しっかりと現実を見つめて苦しみや哀しみを訴えたり、私と子どもたちの仕事や健康を気遣いながら励ましてくれます。
「老い」は私たち誰しもに必ず訪れます。私は、年寄りに接しながら、これからの私の老い方を学ばせてもらっているような気になることがあります。
今回の『カンタンにできる 100の介護食』には、私の経験を通して気づいたことや、こうしたら少しでも楽にできる、ということを盛り込みました。
介護の日常には、ゆとりがありません。毎日毎日終わることのない食事づくりを、少しでも気楽に、楽しみながらできるように、難しい素材や料理法ではない、誰にでもできるメニューを考えました。
見回せば、素材はきっとどの家のお勝手にもあるものばかりです。一人暮らしのお年寄りでも、「これならできる」という料理が必ず見つかるはずです。若い人でも、生活習慣病を予防し、少しでも長く健康を保てるようなカンタンメニューをそろえました。
「介護」というにはまだでも、お年寄りとの暮らしには工夫しなければならないことがたくさんあります。「いっそ寝たきりになってくれた方が楽なのに……」といった声もあるように、お年寄りに適したメニューを三度三度考えて作るのは大変なことです。この本は、そんな「介護未満」の方にも参考にしてほしいと思います。
介護食は、カンタン・愛情・栄養の三つがそろってこその支え合いの料理です。私の人生で出会ってきたたくさんのお年寄りたちが、何とはなしに私に教えてくれたたくさんの知恵も、この本に盛り込みました。
この本が、一人でも多くの人の手に渡り、台所の片隅でボロボロになるまで使われるなら、こんな幸せなことはありません。
版元から一言
「おいしく作ろう。いっしょに食べよう」
介護の日常には、ゆとりがありません。毎日毎日終わることのない食事づくりを、少しでも気楽に、楽しみながらできるように、難しい素材や料理法ではない、誰にでもできるメニューを考えました。
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著者プロフィール
杉山 幸子(スギヤマ サキコ)
料理研究家。新潟県新井市生まれ。長年に亘る郷土料理の研究成果と、自身の介護経験をもとに、「カンタン・愛情・栄養」をモットーにした数多くのオリジナル介護食を生み出す。長野市の食品メーカーの料理講師を務めるかたわら、出張料理講習会も精力的に行う。
瞽女研究家としても知られ、劇団「夢」を主催。瞽女をテーマに自ら脚本も手掛け、県内外での舞台公演も多数開催。長野市では居酒屋「竹の子」を経営。さまざまな顔を持ち、各方面でパワフルに活躍中。二男の母でもある。著書に『瞽女さん』(川辺書林)がある。
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