新装版 北海道音楽史
前川 公美夫
発行:亜璃西社
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A5判 676ページ 並製
定価:5,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-900541-40-5(4-900541-40-0) C0073
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年09月
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紹介

北海道において西洋(クラシック)音楽がどのように受け入れられ、この地に暮らす人々がどのようにかかわっていったかを丹念に辿るノンフィクション。自著「北海道洋楽の歩み〜ペリー来航から札響まで」(北海道新聞社刊)を底本に、大幅増補改訂した著者渾身の大作だ(対象をクラシック音楽に限ったのは、クラシック音楽が、洋楽の本流としてすべての底に流れているという著者の考えによる)。
 北海道での洋楽は、全国的な音楽教育の中での位置付けのほかに、幕末からの開港場だった函館、お雇い外国人の多かった札幌など、他県に見られない受け入れられ方もあり、調べるほどに興味は尽きない。著者は、手に入る資料は能うかぎり盛り込んでいる。取捨選択に当たってはこれまで知られていなかったと思われることを紹介したり、誤り伝えられてきたと思われることがらに疑問を呈することに重点を置いた。そのほか、著者が個人的に興味を引かれたことに対しても多くのスペースを割く結果となっている。
 こうした事情のためこの本で扱う分量の多寡が、北海道道音楽史上で著者が考える重要度に必ずしも比例することとはなっていない。また、引用はできるだけ第1次資料にしたが、時間と労力をそこまで掛けられずに第2次資料からとったものもあり、それぞれの個所で出典については銘記している。
 言うまでもなく、音楽の感じ方は人それぞれで大いに異なる。そこで本書では、演奏の中身を論ずることを避け、音楽に携わってきた人々の動きを記すことに重点が置かれている。それは、いつの時代も演奏者たちは、次の世代に追い越されることを宿命づけられていながらも、自らが生きる時代の中で出来うる限りの力量を発揮し続けてきたことに対する敬意の現われでもあるのだ。

目次

第1章 幕末
     洋楽来航/ロシアからの黒船/開国の前から/箱館戦争のラッパ
第2章 明治
     函館の教会で/クラークの讃美歌/屯田兵のラッパ/軍楽隊来る/唱歌ハ当分之ヲ欠     ク/メーソンの北海道旅行/専門家第1号になりそこねた男/音楽教育のいしずえ/     セルギイの道内行脚/学校の音楽教育/学芸会始まる/各地に市中音楽会/運動会は     華やかに/孤児院のミンストレル/巡回活動写真/都ぞ弥生/赤帽子の音楽隊/和洋     混交の音楽会
第3章 大正
     誠実の人/凾館にアポロ音楽会あり/無声映画の楽隊/道博と札幌音楽隊/時計台の     鐘/日本一の道楽/レコード・コンサート始まる/北大に2つのオーケストラ/マン     ドリン合奏団の誕生/ハーモニカ熱/楽士のオーケストラ/広がるコーラス/来道し     た音楽家たち/楽器・楽譜の普及
第4章 昭和・戦前
     ラジオ放送始まる/中島オーケストラと拓博管弦楽団/SMCオーケストラとホール     アンサンブル/ピアノ・トリオとジャズ・バンド/対立続く北大オーケストラ/マン     ドリン盛んに/ハーモニカ全盛/ラッパ鼓隊の盛衰/無声映画からトーキーへ/来道     した音楽家たち/新音楽連盟の輝き/札幌新交響楽団の誕生/各地のオーケストラ/     吹奏楽に全道組織/合唱も盛んに/学校の音楽教育/東京に進出した道産子たち/レ     コード・コンサートは花盛り/札幌放送管弦楽団の発足
第5章 昭和・戦後
     フィルハーモニーと札幌音楽院/放送管弦楽団と放送交響楽団/時代の落とし子—札     幌青年管弦楽団/札幌芸術協会の発足/専門教育始まる/作曲・研究・出版活動起こ     る/再びの並立から統合へ—北大交響楽団/札幌オペラ研究会が盛んに/隆盛の一途     —吹奏楽/万年青年たち—マンドリン/レベルは高く—ギター/生まれては消え—ア     マチュア・オーケストラ/新たな道を—ハーモニカ/広がる歌声—合唱/鑑賞団体の     興隆/ホール建設ブーム/二期会とオペラ活動/音楽会相次ぐ/外来オーケストラ/     音楽祭とセミナー/道産子音楽家の輩出/楽器別の団体も
第6章 札響
     市民交響楽団として—プロ・アマ混成での誕生/荒谷時代の幕切れ/山岡時代はあっ     たのか/ヨーロッパの響き—シュバルツを迎えて/レパートリーの拡大—岩城と尾高     /秋山和慶と指揮者団—札響・その未来/札響の文化経済学(道新連載より)
付表  札響の出演料/札響に対する公費補助金/来道した外来オーケストラ一覧(1956〜90)
参考文献 主要事項索引 主要人名索引

前書きなど

ここには、手に入った資料は能うかぎり盛り込んだ。かと言って関連の新聞記事や本から何もかも引用していてはあまりにも膨大になるため、ある程度の選択も必要になる。取捨選択に当たってはこれまで知られていなかったと思われることを紹介したり、誤り伝えられてきたと思われることがらに疑問を呈することに重点を置いた。そのほか自分が興味を引かれたことにも多くのスペースを割く結果となった。こうした事情のため、この本での分量の多寡が北海道道音楽史上で私が考えている重要度に必ずしも比例することとはなっていない。また引用はできるだけ第一次資料からとしたかったが、時間と労力をそこまで掛けられずに第二次資料からとったものもあり、それぞれの個所で記しておいた。また「洋楽の歩み」にもつけるべきだったろう索引も備えることができた。

版元から一言

長らく絶版だった前川氏の労作を新装版という形で復刊できました。すべては氏の尽力によるものですが、亜璃西社も微力ながらその活動をお手伝いできればと思っています。

関連リンク

本の詳細

著者プロフィール

前川 公美夫(マエカワ クミオ)

昭和23(1948)年生まれ。室蘭市出身。昭和46年北海道大学工学部建築工学科卒業後、北海道新聞社入社。事業局、秘書室、編集局文化部、士別支局を経てテレビ北海道(TVh) に出向、同社報道制作局次長兼報道部長。著書に『有島武郎の札幌の家』(1987年、星座の会)、『北海道洋楽の歩み』(1989年、北海道新聞社=絶版)、『北海道音楽史』(1992年私家版、1995年大空社、2001年新装版=亜璃西社)、『響け「時計台の鐘」』(亜璃西社)がある。アマチュア室内オーケストラ「札幌シンフォニエッタ」と「テー・デュ・ノール木管五重奏団」でファゴット演奏を楽しむ。

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